【ストレイテナー インタビュー】新作『Next Chapter EP』リリース ルーツを現在進行形のロックミュージックへ昇華「ライブでは“笑顔で泣ける”情景が広がるんじゃないかって」
音楽
インタビュー
ストレイテナー
Interview&Text:森朋之 Live Photo:Rui Hashimoto(SOUND SHOOTER)
ストレイテナーから新作EP『Next Chapter EP』が届けられた。
2024年リリースのアルバム『The Ordinary Road』以来、約1年ぶりとなる本作には、先行配信された「Next Chapter」「メタセコイアと月」のほか、「My Rainy Valentine」「走る岩(EXTENDED ver.)」(インディーズ時代の人気曲「走る岩」のリアレンジ・バージョン)を収録。ストレイテナーのルーツにある音楽を現在進行形のロックミュージックへと昇華させた、刺激的かつ創造的な作品となっている。
さらにホールワンマンライブ『Sad And Beautiful Symphony』(11月22日(土) 大阪・NHK大阪ホール 12月9日(火)・10日(水) 東京・LINE CUBE SHIBUYA)を開催。結成25周年を超え、さらに充実した時期を迎えつつストレイテナーの“今”について、ホリエアツシに聞いた。
「真っ直ぐすぎるかな、と葛藤するくらい素直な歌詞」

── EP『Next Chapter EP』、1曲1曲の個性がはっきりしていて、現在のストレイテナーの魅力がダイレクトに伝わってきました。制作はいつ頃から始まったのでしょう?
今年の2月くらいですかね。「Next Chapter」の原型になったコードとメロディの弾き語りのデモが残っているので。去年の10月にアルバム(「The Ordinary Road」)をリリースして、まだ間もないので、いつまでに作ろうとか期限もなく、「いい曲ができて形になったらレコーディングしようかな」くらいの姿勢で。どういう曲を作ろうとか考えずに、自分から自然に出てきたものを大事にして、好きな音楽を聴いているような感覚でしたね。
── 自然体だったというか。タイトルが「Next Chapter」だから、ここから次のチャプターに進むというか……。
前作のアルバムのときは“次のステップへ”という意識はあって、達成感もあります。「Next Chapter」という言葉はバンドのというより、この曲の歌詞からの引用ですね。なんとなく家でアコギを爪弾きながら鼻歌を歌っていたら、Aメロのコードが出てきて、その時点の感触でこれはいい曲ができそうだなと思って。自分らしいメロディだし。
── 確かにホリエさんらしい歌メロですよね。
そうそう。メロディライン的には僕の癖だともっと隙間を埋めがちなんですけど、この曲は埋めずに隙間を作って言葉を聴かせたいなと思って。サウンドはミドルテンポでダンサブルなアプローチで、歌詞は“戦争反対”のメッセージをストレートに書いたつもりです。今年が戦後80年というタイミングなので、こういう歌を記し残したいと思いました。僕としては「真っ直ぐすぎるかな」と葛藤するくらいの素直な歌詞ですね。

── 今だから書けた歌詞、という感覚もありますか?
そうですね。若いときはこういうテーマの詞を書くときは、後ろ向きな絶望感を表現していたんですけど、今は逆に前を向いてメッセージを打ち出したいんですよね。どうすれば、もっといい世界になるか。はっきりした提案はできないですけど、未来に向けて目線を上げるというか。批判的、否定的になるよりもまずは明るく前を向けたほうがいいかなと。
── サウンドも明るくて開放的ですよね。
曲に込めたものをリスナーやオーディエンスと共有したくて、サビの合唱感だったり、抜けのいいリズムとサウンドのアプローチもそうですけど、この歌を共有して、ひとつになれたらいいなと。ライブでは“笑顔で泣ける”ような情景が広がるんじゃないかと思っています。
── 1曲目の「メタセコイアと月」はシューゲイズ的な音像の楽曲。
ギターをひたすら歪ませて轟音で鳴らしてますね。コード感、メロディは僕のルーツでもある90年代のUKロックをイメージして、懐かしさみたいなものを意識していたところもあります。oasisが再結成したり、自分たちが影響を受けたバンド達がタフに活動している。そういう動きに励まされるし、今聴くと新鮮な印象もあるんですよね。
── Radioheadもツアー再開してますからね。Pixies、The Smashing Pumpkinsも来日したし、確かに90年代リバイバルが本格化しているかも。
確かに。酒場で20代の人と90年代のバンドの話をすることもありますしね。「メタセコイアと月」みたいな音作りは意外と自分たちにとっても新鮮でした。リスナーとしては通ってきてるんだけど、ストレイテナーではここまで平坦なリズムやバッキングのアレンジは敢えてやってこなかったので。僕は初めてファズのエフェクターを使っていて、コードを打ちっぱなしたらすぐにフィードバック音が鳴る感じに興奮しました(笑)。
ストレイテナー「メタセコイアと月」Music Video
「ライブのなかで「この曲何だっけ、でも好きだ」と思わせられるように、琴線を震わせていきたいなと」

── 3曲目の「My Rainy Valentine」はポップパンク的なアッパーチューンです。
これは2000年代の日本のインディーズ・シーンのひとつのスタイルというか。ストレイテナーもこの方向性の曲はずっとやってきていて、これもたまたま手癖みたいにギターを弾いていたらメロディが出てきて、すぐに気に入ったので、ちょっと過去の曲と違うのは歌のキーが低めで、渋いメロディラインなところですかね。歌よりもリズムに身体を預けたくなるような曲になったと思います。
── ストレイテナーが得意とするサウンドのひとつですよね。
メンバーの反応もすこぶる早くて(笑)。弾き語りのデモだけで、何も説明しなくても何がやりたいか伝わってて、「うん、OK」という感じでした。
── さらに「走る岩 (EXTENDED ver.)」も収録されていて、インディーズ時代の人気曲「走る岩」のセルフカバーです。
「走る岩」はふたりでやっていた時代(ホリエ、ナカヤマシンペイの2人体制で活動していた時期/1998年〜2003年)の音源しかなくて。『The Ordinary Road』ツアーのとき、久しぶりに掘り出して初めて4人でアレンジして演奏したので、せっかくだから録っておこうかなと。曲を作ったのは25年くらい前なんですけど、レコーディングのことを今も忘れてなかったです。ギターのコードを押さえるのに苦戦したなとか(笑)。歌がやたら難しくて、今も難しいです。ライブだとライブの中のテンションとコンディションで考えずに歌ってるけど、レコーディングでじっくり歌うとキーとメロディが絶妙に難しくて、だから久しくライブでやってなかったのかなと思ったりしました。
── CDに付随しているBlu-rayにはライブ映像『“The Ordinary Road Tour” 2025.02.15 at Toyosu PIT』が収録されています。
新しいアルバムを提げたツアーだと、ツアー序盤と終盤ではお客さんの反応が変わってくるんですよね。最初の頃はやっぱり新曲が「ライブでどんな感じになるんだろう?」という探ってる感があって、身体で乗るんじゃなく見てる人が多くて、そういうときは自分たちのほうから、その曲に対して欲しい反応を求めたりもします。盛り上がってないと煽ってみたり。それが徐々に伝わって、ツアーの中で、お客さんと同期できたと実感したときの喜びがある。EPに収録されているライブ映像はツアーのセミファイナルなので、バンドとオーディエンスのグルーヴができあがってて、ライブを通しての緊張感と高揚感のうねりが伝わるんじゃないかなと。
──「シーグラス」「Melodic Storm」などの人気曲のリアクションも、キャリアを重ねるたびに強くなっているのでは?
そうですね。久しぶりにやった過去の曲に対する反応によって、自分たちがグッと感情的になることもあって、初めて「走る岩」を演奏したときはお客さんが一瞬固まってたんですよ。懐かしい曲をやると「おー!」って盛り上がることが多いんですけど、「走る岩」は状況を把握できてない感じで、「、、、ゲッ!」という反応が印象的でした(笑)。
── 大阪、東京でホールワンマンライブ『Sad And Beautiful Symphony』が開催されます。どんなライブになりそうですか?
直近のリリースがEPなので、セットリストも新旧織り交ぜて選曲しています。ホールならではというか、今回はライブハウスで踊ったり暴れたりするのとは違う、座ってじっくり観て聴ける演出で、ストレイテナーのコアな側面を堪能してもらえるんじゃないかなと思います。

── 普段はなかなか聴けない曲も?
あると思います。ただ、ファンの期待に応えようとしても、ファンもそれぞれ好きな曲がバラバラで。だから期待していた曲じゃなくても、ライブのなかで「この曲何だっけ、でも好きだ」と思わせられるように、琴線を震わせていきたいなと。
── 素晴らしい。スタンディングでがっつり盛り上がるのもいいですけど、じっくり音楽に浸るのも素敵ですよね。
どっちも好きなんですよね、自分たちとしては。ライブハウスもホールもそれぞれに持ち味があるし、表現の仕方も違っていて。今回のホールライブはミドルテンポ寄りの曲をメインにというコンセプトを設けて、曲と曲の世界観的なつながりも意識して、ひとつの大きな流れを舞台で作り上げたいと思っています。
── めちゃくちゃ楽しみです。2026年の活動についてはどんなビジョンがありますか?
今回の『Next Chapter EP』でもいい曲が作れたので、この調子でじっくり制作を続けていきたいですね。今年は春前にアルバムのツアーが終わって、その後はイベントなどに呼んでもらってコンスタントにライブができているけど、来年はまたツアーだったり、精力的に活動していきたいと思っています。
ストレイテナー「Skeletonize!」(“The Ordinary Road Tour” 2025.02.15 at Toyosu PIT)
<リリース情報>
『Next Chapter EP』
10月29日(水)リリース
6,800円(税抜)

【CD収録内容】
1. メタセコイアと月
2. My Rainy Valentine
3. Next Chapter
4. 走る岩(EXTENDE ver.)
【Blu-ray収録内容】
『The Ordinary Road Tour” 2025.02.15 at Toyosu PIT』
・リヒトミューレ
・さよならだけがおしえてくれた
・Silver Lining
・Graffiti
・FREEZING
・工場夜景
・BRILLIANT DREAMER
・Zero Generation
・KINGMAKER
・Super Magical Illusion
・Exelion
・SAD AND BEAUTIFUL WORLD
・インビジブル
・パレイドリア
・雨の明日
・走る岩
・COME and GO
・シーグラス
・Toneless Twilight
・Skeletonize!
・From Noon Till Dawn
・Melodic Storm
・TRAIN
・TENDER
・Uncertain
購入はこちら:https://straightener.lnk.to/nextchapter_epPR
※店舗特典あり
<公演情報>
『Sad And Beautiful Symphony』
11月22日(土) 大阪・NHK大阪ホール ※SOLD OUT
開場17:30 /開演18:30
12月9日(火)・10日(水) 東京・LINE CUBE SHIBUYA ※SOLD OUT
開場17:30 / 開演18:30
詳細はこちら:https://www.straightener.net/schedule/?id=434
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