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三宅唱「旅と日々」のジャンルは“エンタテインメント”、斉藤陽一郎とQ&Aに参加

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左から斉藤陽一郎、三宅唱

映画「旅と日々」の大ヒット御礼トーク・Q&Aが11月15日に東京・グランドシネマサンシャイン 池袋で行われ、 キャストの斉藤陽一郎、監督の三宅唱が登壇した。

つげ義春のマンガ「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」をもとにした本作では、うだつの上がらない脚本家・李(イ)が、旅先のおんぼろ宿で“べん造”と名乗る宿主と出会い、人生と向き合う様子が描かれる。シム・ウンギョンが李、堤真一がべん造に扮した。斉藤は、李が脚本を手がけた映画を上映する大学の准教授・磯貝役で出演している。

本作について斉藤は「べん造が“変なおじさん”に見える瞬間あるよね(笑)。李が『大丈夫ですか?』と聞いたときの『大丈夫だあ~』なんてまさに」と言及し、笑いを誘う。三宅は本作のジャンルを尋ねる質問に対し「映画1本の中でジャンルが変化していくのは、現代の娯楽映画の形だと思います。海外映画でもジャンルミックスが増えている。この映画のジャンルは……“エンタテインメント”です。ジャンルの切り替わりの戸惑いみたいなものも含めて楽しんでほしい」と回答。また三宅は「つげ義春さんのマンガも“芸術”と呼ばれることがあるけど、つげさん本人は『マンガだ』と言い切っている。僕もアートもエンタメも、どちらもやりたいと思っている」と口にした。

続いて観客から「(髙田万作演じる)夏男のサンダルが左右違うのはなぜ?」という質問が。三宅は「ロケハンのとき、浜にたくさんサンダルが落ちていて、夏男なら拾うなと思ったんです。互い違いのサンダルを履く“居心地の悪さ”が似合うキャラクター。左右同じサンダルは落ちてないので、彼なりのベストを探し求めたんです」と説明する。斉藤は「けなげですね。彼の佇まいも素晴らしいです」とたたえた。さらに夏男が井伏鱒二の本を読んでいる理由について、三宅は「つげさんが井伏鱒二を好きだったことと、僕自身も好きだったから。『山椒魚』のように、僕たちが生きている場所は、もしかしたら水たまりの中かもしれないじゃないですか。水たまりの外に大きい世界が広がっているかもしれないのに、それに気付いていないかもしれない。その感覚が、この作品に通じている気がしました」と語った。

さらに三宅は「香港の友達が『stranger(異邦人)であることは、人生の失敗ではない。それは他者とともに生きるための始まりである』という美しい感想を言ってくれて。stranger=変わり者とも言えるけれど、人と違うことは失敗ではない。映画館に来ることも、観客が一度“stranger”になる経験。それが映画を観ることだと思うんです」とコメント。最後に斉藤は「こういう静謐な空気をまとった日本映画は久しぶりだったような気がします。静かな映画だけど情報量はものすごい。観るたびに新しい発見があると思うので、癒やされつつも新しい情報を得るために何度でも映画館に足を運んでもらえたらうれしいです」と伝えた。

映画「旅と日々」は東京・TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国で公開中。同作は第78回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門にて、最高賞である金豹賞とヤング審査員賞特別賞を受賞している。

©2025『旅と日々』製作委員会