舘ひろし「俳優人生50年の集大成」 映画『港のひかり』舞台挨拶で感謝を伝える
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映画『港のひかり』公開御礼舞台挨拶より
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すべて見る現在公開中の映画『港のひかり』の公開御礼舞台挨拶が、11月26日に新宿バルト9で開催。舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀に加え、撮影を務めた木村大作キャメラマン、MCの伊藤さとりが登壇した。
『港のひかり』は、『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督と、木村キャメラマンが初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本の作品。過去を捨てた元ヤクザの“おじさん”と目の見えない少年との十数年の友情を描く。
イベントでは、登壇者たちがそれぞれ挨拶を行った。舘は「本日はお運びいただきありがとうございます。この作品は、日本映画の将来を担う藤井道人監督の演出を、眞栄田郷敦くんをはじめとする素晴らしい俳優さんたちが表現し、そして日本映画界を代表する木村大作キャメラマンが35ミリのフィルムに焼き付けてくださいました。本当に素晴らしい作品になったと思います」と感謝の言葉を述べた。
眞栄田は「公開から数日が経って多くの方にこの映画が愛されている声をたくさんいただいて、本当にうれしく思っております。もっともっと多くの方に届くようにお話しできたらと思います」と笑顔を見せ、尾上は「この映画を早く皆さんに観ていただきたいなと思っていたので、すごくうれしいです。今日は楽しんでいってください」と述べた。
木村キャメラマンは「今日観ている方はお金を払って観てくださっている方です。ただ、責任があります。この映画をもっともっと多くの方に観ていただきたいんですが、まだまだ届いていません。『国宝』までとは言いませんが(笑)、皆さんが今日から宣伝を、この映画の営業部長としてお頼み申します!」と会場を沸かせた。
公開を迎えて周囲からの反応について質問が投げかけられると、舘は「皆さん口を揃えておっしゃるのは、“泣けた”と。そういう意味では良かったなと思います。何年ぶりかで突然連絡があって“観ましたよ”という声もあったりして、うれしかったです」と回答。眞栄田も「本当に良い映画だった、いいお話だったというお言葉をたくさんいただきましたね」と共感し、「普段あまり連絡を取らないような方からも連絡いただいたり……上の世代の方からも日本映画って良いねっていう声もいただきました」と反響の大きさを明かした。
尾上は「友だちや担任の先生に観てもらって。良かったよと言ってもらってうれしかったです」と照れた様子。木村は「舘さんよりも年上のある俳優さんから電話をいただいて……」と話し出し、「(その方が)舘ひろしさんを絶賛していました。この映画を観て、“舘さんってすごいわね”とおっしゃっていました」とエピソードを披露。さらに「絶賛していましたね。僕は舘ひろしさんを今まで以上に哀愁を漂う男として撮影できたという自負があります」と自信を見せる発言に、場内からは大きな拍手が沸き起こった。
今回が初タッグとなる舘と木村の組み合わせについて、舘は「雨のシーンや、雪のシーンは圧巻です。これこそ、“木村ワールド”かなと。僕らはそういう状況を作ってくれると、もうお芝居をしなくていいくらい。その場にいるだけで成立するような感覚もあって、やりやすかったですね。大作さんありがとうございました」と感謝。眞栄田も「本当に嘘のない方で。いつもエネルギッシュで(その力に)現場が伝染されて活気に溢れていた気がします」と木村の人柄を明かした。
一般客からの質問コーナーでは「皆さんがずっと大切にしているもの、思い出深いものはありますか?」という問いかけに、眞栄田は「僕は思い出を形に残すタイプではないのですが……3年前に父が亡くなったのですが、ある約束をして。それはいつも大切にしていますし、今回この作品で舘さんや大作さんをはじめとする皆さんとご一緒していることを喜んでいるんじゃないかなと思います」と心情を吐露した。
木村は「この映画界が、自分の居場所です。最後まで映画の現場に立ちたいと思っています。もう86歳になり、人生の終末を歩いていますが、いなくなる寸前まで現場にいたいと思っています!」と映画への情熱を語り、尾上はペットへの愛情を「一目惚れで、出会った瞬間に飼いたい!と思って……。家族になって今は5歳なんですが、おとなしくもあり、凶暴でもあり……(笑)」と表現した。
舘は恩師である渡哲也からもらった時計について、「すごく自分の中では大事なものです。なので、普段はあまり身につけていないようにしていますが、きっと渡さんが僕に残してくれたもの、(教えてもらった)生き様や俳優としてのあり方は、今でも心にあります。僕があるのは渡さんのおかげかなと思っています」と静かに語った。
イベントの最後には舘から、「本日はお越しいただきありがとうございます。この作品は私の俳優人生50年の中でも集大成になったような作品だと自負しております。ご家族の方、ご近所の方に映画を勧めてくださったらうれしく思います」と結びの言葉が述べられた。
<作品情報>
『港のひかり』
公開中
公式サイト:
https://minato-no-hikari.com/
(C)2025「港のひかり」製作委員会
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