見事な殺し屋の終活をマイケル・キートンが静かに熱演『殺し屋のプロット』
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イラストレーション:高松啓二
映画・音楽・舞台など各ジャンルのエンタメ通=水先案内人が、いまみるべき公演を紹介します。
【水先案内人 高松啓二のおススメ】
インテリ殺し屋ジョン・ノックスは、ここのところ物忘れが多くなっていた。病院でCTスキャンをとってみたが……。
のっけから殺しのミスや疎遠になった息子のトラブルまで背負い込んでしまい、その上難病のヤコブ病と診断を受けてしまう。全てを上手く処理するため、緻密に計算された計画と徐々に記憶が途切れる過程をノックス役の主演、製作、監督を兼ねるマイケル・キートンが静かに熱演する。
病気の進行で全てを忘却するまでが1週間ごとに週次表記され、タイムリミットが迫り緊張感も高まる。ノックスを支え続ける友人ゼイヴィアは電話で計画の確認と後始末をしてやる。演じるアル・パチーノは何だか役を超えてキートンをサポートしているように見えグっとくる。
木曜ごとに来る娼婦や元妻、日系のイカリ刑事など女性も登場するが感傷的にならないのがいい。ハードボイルド的スタイルをとっているものの人情噺的な結末で心地の良い余韻を残す。見事な殺し屋の終活であった。
<作品情報>
『殺し屋のプロット』
12月5日(金)公開
公式サイト:
https://kga-movie.jp
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