“伝説の映画”『メガロポリス』がついに配信開始!
アダム・ドライバーが主演を、巨匠フランシス・フォード・コッポラが監督を務めた超大作『メガロポリス』がいよいよ、12月24日(水)からデジタル配信を開始し、ブルーレイも発売される。
本作はコッポラ監督が長年にわたって構想し、壮大なスケールで描いた一大エンターテインメント作品で、細部まで何度も繰り返して観たくなる作品だ。
公開前から”伝説確定”の超大作『メガロポリス』とは?
映画の舞台は21世紀のアメリカ共和国。大都市ニューローマには摩天楼のような高層ビルが並び建ち、富裕層が絢爛豪華な世界で消費と浪費を繰り返す一方、持たざる者たちは苦しい生活を強いられていた。
天才建築家のカエサル(アダム・ドライバー)は、名門クラッスス一族の出身で恵まれた生活を送っていたが、彼はこの街に広がっている格差や腐敗、諦めのムードを解消しようと活動を続けている。
ある日、カエサルは時間を操作することのできる力を持つ新物質を発見し、この力を駆使して、誰もが幸福に暮らすことのできる理想都市(ユートピア)の建造を思いつく。しかし、市長のフランクリン・キケロら既存の権力を持つ者たちは、自分たちの現在の立場を守るため、自身の富を失うことを恐れてカエサルの前に立ちはだかる。
次から次に現れる難問。カエサルを取り巻く者たちの陰謀、交錯する思惑、そして理屈では解決できない人間の愛と感情。複雑な要素が渦巻く中でカエサルは自身の追求する理想の都市“メガロポリス”を実現できるのか?
本作は巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督が1980年代から実現に向けて奔走し、じっくりと構想を重ねて誕生した作品だ。
その噂は以前から映画界でも繰り返しあがっており、映画ファンの間では“コッポラ念願のプロジェクト”として知られ、その内容が少しずつ明らかになると、そのスケールの大きさや斬新な設定が話題に。ある時点では“幻の映画になるのでは?”と語る人もいた。そう、本作は公開前から“伝説確定”の1作なのだ。
周囲は不安視したが、コッポラ監督は膨大な製作期間と予算を投じて本作を完成させた。彼のもとに集まったのは、アダム・ドライバーをはじめ、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル、シャイア・ラブーフ、ジョン・ヴォイト、ジェイソン・シュワルツマン、ローレンス・フィッシュバーン、キャサリン・ハンター、そしてダスティン・ホフマンら超豪華キャスト。
出来上がった映画は革新的なだけでなくサスペンスや家族劇、恋愛ドラマの要素も満載で、観客がアッと驚く映像も次々に登場。人類の歴史について、現代社会について想いをはせる内容でありながら、同時に最後まで見どころ満載のエンタメ大作になっている。
日本でもその注目度は高く、一般公開前にコッポラ監督が理想形としていたパフォーマンス付きIMAX上映が実現し、会場には本作の公開をまちわびたファンが大集結。本作は何から何まで“規格外”なのだ。
そしてこの冬、ついに本作のデジタル配信とブルーレイ発売がスタートする。
映画界の“伝説製造機”フランシス・F・コッポラ
本作が伝説になったのは理由がある。監督がこれまでに数々の伝説をつくりあげてきたフランシス・フォード・コッポラだからだ。
大学在学中から映画界に足を踏み入れたコッポラ監督は若くして頭角を現し、数々の超大作の脚本を執筆。30歳で自身の制作会社を設立し、その3年後には映画『ゴッドファーザー』を完成させる。マーロン・ブランド、アル・パチーノらが出演し、イタリア系移民の裏社会を描いた作品は空前のヒットを記録。アカデミー賞に輝き、5年後に手がけた『ゴッドファーザー PART II』もオスカーに輝く。なお、彼は同じ年に『カンバセーション…盗聴…』でカンヌ映画祭の最高賞にも輝いている。
その後も、莫大な予算と撮影期間をかけて描いた問題作『地獄の黙示録』を完成させ、大ヒットを記録。本作で再びカンヌ映画祭の最高賞を受賞する。なお、この段階ですでに『メガロポリス』の構想は生まれていたようだ。続いて、巨大な街と劇中の場面すべてを室内セットで描く映画史に残る実験作『ワン・フロム・ザ・ハート』を1982年に発表。興行的に失敗したが、翌年には若手俳優たちをキャストに迎えた『アウトサイダー』をヒットに導く。
その後もコンスタントに作品を手がけ、マイケル・ジャクソンとタッグを組んでディズニーランドのアトラクション『キャプテンEO』を監督したり、『ロスト・イン・トランスレーション』など娘のソフィア・コッポラの監督作をサポートしたりと精力的に活動。今年、アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)生涯功労賞を受賞した。
コッポラ監督は半世紀以上のキャリアを誇るがその最初期から誰かに頼ることなく、自身でプロダクションを率いて、自身で予算を調達し、自分のつくりたい映画をつくること、さらに言うと誰も描いたことのないテーマの映画をつくることにこだわってきた。コッポラの映画はどれも全力投球。資産も時間も情熱も手元にあるものはすべて1作に注ぎ込む。
その結果、失敗も成功もすべて自分でかぶることになり、キャリアの中では苦しい時期もあったが、その実力は圧倒的で、落ち込んでも必ず浮上して、再び持てるすべてを投じて“理想の映画”に挑戦し続けている。
コッポラ監督の映画づくりの姿勢や態度は『メガロポリス』に反映されており、彼の生涯を振り返ることで映画がより深く楽しめるはずだ。
映画ファン必見! 伝説の“裏側”に迫る特典映像
本作はストーリーも映画のスケールも“規格外”のため、観終わると必ずリピートしたくなるし、「そもそも、この映画はどうやってつくったんだ?」と気になるはずだ。映画館ですでに本作を観た人も改めてデジタル配信で本作の細部を繰り返し観賞し、Blu-rayに収録されている特典映像を楽しんでほしい。
特典映像にはコッポラ監督をはじめ、本作のキャスト陣へのインタビュー映像がたっぷりと収録されている。また、監督が約40年にわたって本作を構想し、準備を重ねてきた過程を追ったドキュメンタリーも収録されている。
映像の中には、脚本の草稿段階で俳優が実際にセリフを読んでもらってさらに草稿を練る場面が登場するが、その“試し読み”に呼ばれたのはロバート・デ・ニーロ、ジョン・タトゥーロ、アル・パチーノら。特典映像では、俳優たちのリーディングテーブルの様子や実際にカメラをまわしてのテストなど貴重なシーンも多数登場する。
また、本作をより深く読み解くヒントも満載だ。ある場面でコッポラ監督は、自身の作品を表現する“1語”について語り始める。たとえば『ゴッドファーザー』を表すのは“継承”だという。『カンバセーション…盗聴…』は“プライバシー”だ。では、『メガロポリス』を表現する“1語”とは?
その答えは特典映像の中でコッポラ監督が明かしている。
また、吹替版にも注目だ。諏訪部順一が主人公カエサルの声を演じるのをはじめ、内田直哉、久保ユリカ、杏寺円花、日野聡、樋浦勉、大塚芳忠、野島昭生ら豪華キャストが集結。吹替版では、セリフの微妙なニュアンスまでしっかりと楽しめ、細部まで作り込まれた壮大なスケールの映像を集中して楽しめる。
さらにBlu-rayには封入特典として28ページのブックレットも収録されており、より深く作品を楽しむことができる。

