積み重ねてきた日々が、未来を変える。WOLF HOWL HARMONY『Marmalade』が映す姿
音楽
インタビュー
(撮影/米玉利朋子)
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11月21日、4人組ボーカル&ラップグループ WOLF HOWL HARMONYが、待望の新曲『Marmalade』をリリースした。
10月26日より放送がスタートしたテレビ朝日×東映による新たな《ヒーロー時代劇》ドラマ『仮面の忍者 赤影』のエンディングテーマとしても知られている本楽曲は、ほろ苦さと甘さが溶け合う“マーマレード”に重ねて、失敗や別れといった苦みを抱えた経験を噛みしめながらも前に進む姿を描いている。
そんな本作にちなんで、ジャムをじっくり煮詰めるように積み重ねた日々の思い出や、味覚が変わっても想いは変わらない——価値観や環境が変化しても揺るがない“想い”などを深掘り。さらに4人が決める、2025年のグループ内MVPは?
ありのままの自分を声で表現した『Marmalade』

――『Marmalade』というタイトルやジャケットのアートワークからかわいらしい楽曲なのかと思いきや、力強いポジティブさを感じる楽曲だなと感じました。歌唱する上でこだわったポイントはありますか?
RYOJI 僕自身は、ありのままの自分っていうのを声で表現したいと思い、そこを意識しました。1番のAメロを担当することになったときに、歌詞の中にある<街の匂いに消える日々>というパートは、自分がランニングをしていたりするときや、街を歩いていたりするときに香ってきた香りで蘇る思い出があるので共感しました。それから<恐れない感覚>は自分の中にもありつつも<でも嘘はつけない>タイプというところも。そういう意味で、RYOJIを表現しようって思いました。きっと、そうすることでファンの方も真っ直ぐに歌詞を受け止めてくださるだろうなと思ったので、声質や伸ばし方、ほんと細かい部分まで、制作チームと話しながら意識して録りましたね。
GHEE 僕も素直に歌うことと、言葉を立たせて、ちゃんと歌詞を伝えることを意識しました。レコーディングの本番まで、どの声でどんなニュアンスで歌ったら伝わるのかっていうのを研究したので、突き詰めていけたなと思っています。
―― ドラマ『仮面の忍者 赤影』のエンディングテーマとしても起用されていますが、実際にドラマは観ましたか?
HIROTO ドラマに関しては、毎週リアルタイムで観ているんですけれども、流れた時のあの感動は言葉では言い表せないくらい嬉しいです。歌詞の中にも、甘くて苦い思い出という、恋愛にも人生経験にも置き換えられる言葉があるので、ドラマの世界観に合うと思いました。
煮詰めるように積み重ねた日々が未来に繋がっていると思った瞬間

――本作のテーマの1つにジャムをじっくり煮詰めるように積み重ねた日々の思い出が未来につながっているというものもありますが、皆さんはそのような経験をしたことがありますか?
RYOJI 僕はコソ練です。ずっとサッカーをやっていたのですが、その時から誰かと練習するよりも、いつの間にか成長した姿を観てほしくて。あの経験を経て、今でもコソ練するので、そういうのは今にも繋がっているなと思います。それから、やっぱりサッカーに関しては、僕にクラブチームのお金を払ってくれて、弟にもサッカーをやらせてくれた母親の存在が大きいなとも思います。いろいろなことを思いながら、サッカーをしていた時期があったからこそ、お休みをもらったら実家に帰ろうと思ったり、一緒にご飯食べたり、したくなるんだろうなと思うので、そういう意味ではサッカーでの経験は未来に繋がっているなと思いますね。
HIROTO 僕もサッカーをやっていた経験は大きいです。強いサッカーチームではなかったので、とにかく「気合い!」という感じのメニューをこなしていましたし、正直好きでやっていたわけじゃない時期もありました。でも、その頃の気持ちのあり方が、大人になってからも生きているなって感じます。

GHEE 僕は上京してからの日々をよく思い出します。もともとは社会人として働いていましたが、上京して自分の夢に全力で挑もうと決めたときは、捨てるものもないくらい腹をくくり、覚悟を決めていました。ライブで「お前は無理だよ」って言われたこともありましたけど、そういう経験が今に生きて、自分のラップのリリックに昇華したり、絶対成功するという自信が作れたりするようになったんだと思います。
SUZUKI 僕は歌やダンスをすること自体が、未来につながる経験になっていくと思っています。もちろん歌は好きで始めたことですし、ダンスに関してもやりたいっていう思いがある中でやってきたものではあるんですけど、やっぱりどうしても嫌になる瞬間みたいなのは今までに何回もあって。でも、自分の中での想いを形にするために続けてきたものでもあるので、今思うと「あの時しんどかったな」と思った時もありました。それがあるからこそ歌える歌があるし、踊れるダンスがあると信じて生きています。
自分の中で揺るがないことは「麺より米」「ポケモン愛」

――価値観や環境が変化しても揺るがない“想い”という楽曲コンセプトに準えて、皆さんの揺るがないことを教えてください。
RYOJI 嘘をつかないことですかね。自分にも嘘をつきたくないし、人にも嘘をつきたくないです。もちろん、エイプリルフールとか、ジョークとかで嘘をつくことはありますよ(笑)。ただ、コアな部分に関しては、本音でぶつかる。良くも悪くも熱くなりすぎちゃったりするんですけど、自分にとって一番自分らしいと思う部分は嘘をつかないことかなと思います。
SUZUKI 僕は……麺より米の方が好きということですかね。と言いつつも、特段米が好きでめちゃくちゃ量を食べると言うわけではないんですけど(笑)。どっちかを選ぶなら……っていう(笑)。たぶん人生で僕から「ラーメン屋さんに行こう」って自分から誘ったことは1回もないです。
GHEE 僕はポケモン愛に関しては揺るがないです。カードもゲームもキャラクターも大好きで、家にぬいぐるみがあります(笑)。特にゲームでは、好きなキャラクターを色違いで集めて、自分の手持ちのポケモンを好きなポケモンだけにしたいというこだわりがあります。

HIROTO 僕は環境によって、わりといろんなことが変化していくタイプなんですけど、人に優しく接することは、変わらないかなと思います。
RYOJI 全然怒らないもんね。HIROTOとお母さんとのエピソード好きだもん。
HIROTO 思春期の頃にお母さんに怒られて、自分がどうやって怒るのが正しいのかわからなくて、階段駆け上がる時の足音をめっちゃ強くしたエピソードのこと?
RYOJI そうそう!めちゃくちゃピュアでかわいい(笑)。
WOLFの4人をジャムに例えるなら?

――今回のジャケットには、マーマレードジャムが描かれていますが、4人をジャムに例えると何ジャムっぽいですか?
RYOJI SUZUKIは、チョコレートですかね。ジャムというよりもクリームですけど。理由は、シンプルにSUZUKIがチョコとか甘いものが好きなんです。あとは僕が結構ボケたがりなのですが、SUZUKIは唯一ツッコんでくれるタイプなので、チョコレートのように僕を包み込んでくれるな、という意味でも。
SUZUKI GHEEちゃんは、ブルーベリージャム。若干の酸味みたいな。グループにとって歌はスパイス的な存在だったりするので、そういう酸味みたいなところが、そういうニュアンスになるのかなと思いました。爽やかなところもあるし!


GHEE HIROTOは、チェリージャムです。イチゴとかピーチとかかわいい系にしようと思ったんですけど、最近大人になりたがっているので、ちょっぴり大人なチェリーで!
HIROTO RYOJIくんは、ブドウジャムですかね。僕から見るRYOJIくんのイメージは結構大人な色気、紫がかったイメージがあるので。ライブとかで歌うときも、RYOJIくんの声って色で例えると紫なんですよ。
2025年、WOLF HOWL HARMONYのMVPは?

――2025年も残り1ヶ月ほど。印象に残っている思い出はありますか?
HIROTO 今僕たちが回らせてもらっている『WOLF HOWL HARMONY LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~BAKUON DREAM~』が印象深いです。初のライブ&ファンミーティングなんですけど、日々ライブを重ねるごとにWOLFらしいライブのスタイルが確立してきている気がして。すごく良い経験だなと感じています。
RYOJI 自分たちだけで会場を埋めるって、すごいことだなとは思うのですが、難しさも良さもリアルに経験して、よりアーティストとして成長した姿を来年につなげていきたいなと思っています。
――もちろん、皆さん1人1人がMVPなのは前提として、2025年のグループ内でMVPは?
SUZUKI 僕はHIROTOです。最初はすごく引っ込み思案で、自分からあまり話さないタイプだったんですけど、グループを結成して 2年目になって、今年に入ってから、ようやく俺らのことをいじり出すようになっているので。成長を感じます。
HIROTO 自覚はありますね。単純に慣れてきて年上をいじれるようになりました。
SUZUKI 僕もDEEP SQUADの時に、お兄さんたちに囲まれていたので、すごくわかるよ。だから「そういう時期が来たか」とニコニコして見ています。
GHEE (笑)。僕はRYOJIくんです。料理、早起き、読書……新しいことにチャレンジしたMVP!
RYOJI そうなんですよ。10代の自分からしたら考えられないんですけど、朝型になって、最近は遅くても7時には起床しています。読書に関しては、自分の頭の中にあることを言葉にするのが難しいな、でも音楽を作る人がそんなんじゃダメだと思って、いろいろ考えて、本を読んでみようって思うようになりました。DARUMAさんからおすすめしてもらった本を読んだりしていて、小説も、自己啓発本も、ビジネス書もなんでも読みますね。


――料理にも挑戦したとのことですが?
RYOJI 料理は前から作っていて。ただ、テレビの影響で、カルボナーラをソースから作ってみたいと思って作ったという意味では、チャレンジかもしれません。
GHEE 個人的にはシチューがおいしいんですよね。
――では、HIROTOさんとRYOJIさんもお願いします。
HIROTO 僕はGHEEくん! GHEEくんは、バイブスコントロールMVPです! パフォーマンスもそうだし、日常生活においてもそうなんですけど、GHEEくんがノっている時はグループの全体のバイブスが上がるなという印象を受けます。
RYOJI 僕はHIROTOですね。HIROTOは自分が思っている以上に話すのが苦手なのに、『BAKUON DREAM』で MC を頑張ってくれていたので。もちろん適材適所で頑張っている、 4人全員ではありますけど、苦手なところからスタートして、克服したという意味ではHIROTOかなと思っています。
2026年「こんなところに注目してほしい!」

――2026年、個人として「こんなところに注目してほしい」というポイントも教えてください。
GHEE 英語力アップと筋力アップ、そしてちょぴっとビジュアルアップですかね!英語はすでに勉強を始めているのですが、筋トレに関しては、基礎的な部分をもうちょっと上げようかなと思っています。心拍数とか可動域を広げることってパフォーマンスに繋がるので、そういった部分を見直していきたいです。
HIROTO 僕はダンスですかね。ダンサーよりも上手くなりたいです。この1年、常に踊ってる生活をしていたので、すごい伸びた実感はあるんですけど、だからこそ来年はもっともっと成長したいなと思っています。
RYOJI 僕はプロデュース力を磨いていきたいです。WOLF HOWL HARMONYの楽曲に制作として入るとか、ファンの方から見てもわかるような形で、表でも裏でも輝けるようなアイデアマンになりたいですね。
SUZUKI 僕はSUZUKIというキャラの確立をしたいです。「1アーティストとしてのSUZUKIとは」みたいなところをより形にしていけたらいいですね。
――グループとしてはどんな1年にしたいですか?
RYOJI 「LDH PERFECT YEAR 2026!」なので、グループとしてはやっぱりたくさんライブをしていきたいですし、LOVERED(WOLF HOWL HARMONYのファンネーム)の皆さんにもたくさん会いに行きたいです!
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<公演情報>
New digital Single 『Marmalade』配信中
WOLF HOWL HARMONY / "Marmalade" Music Video
撮影/米玉利朋子、取材・文/於ありさ
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