Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > シャーロック・ホームズ誕生とその結末を二人芝居で描き出すミュージカル『最後の事件』

シャーロック・ホームズ誕生とその結末を二人芝居で描き出すミュージカル『最後の事件』

ステージ

ニュース

チケットぴあ

(左上から)加藤和樹、矢崎 広、髙橋 颯、(左下から)渡辺大輔、太田基裕、糸川耀士郎 ©西村 淳

続きを読む

フォトギャラリー(12件)

すべて見る

世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズを生み出した作家、アーサー・コナン・ドイルの知られざる葛藤や苦悩を、本来は交わるはずのない二人、ドイル<作家>とホームズ<探偵>の会話によって描き出すミュージカル『最後の事件』。2月7日の初日を前に、稽古場の様子が公開され、ドイル役のトリプルキャストである加藤和樹、矢崎広、髙橋颯、ホームズ役のトリプルキャストの渡辺大輔、太田基裕、糸川耀士郎による歌唱シーンを披露された。

©西村 淳

ドイルの短編集「シャーロック・ホームズの回想」に収められた「最後の事件」をモチーフに制作され、2021年2月に韓国にて初演された本作。日本では2023年、韓国ミュージカルを紹介するイベント「K-Musical Roadshow in TOKYO」にてお披露目されているが、今作の脚本・作詞・演出は、韓国オリジナル版の演出家であり、これまで数々の話題作を手掛けてきたソン・ジェジュン、作曲をホン・ジョンイが担当し、訳詞を福田響志が務めている。

©西村 淳

物語は、名探偵の誕生から始まる。ドイルは、開業医として仕事をしつつ、副業として小説を執筆していたが、作家としてはなかなか日の目を見ることがなかった。だがあるとき、“探偵もの”小説の執筆を思い立ち、今世紀最高の探偵としてシャーロック・ホームズを生み出す。

©西村 淳

この日は、まず加藤(ドイル)と渡辺(ホームズ)の組み合わせで、ホームズの誕生の経緯やそのキャラクターがどのように構築されていったかという重要シーンの稽古が行われた。

©西村 淳

まず加藤と渡辺が歌う曲で、初対面の人間の過去までを見抜く並外れた観察力、犯罪関連の文献をすべて暗記している驚異的な記憶力など天才的な頭脳を持つ一方、社交的に見えて人を遠ざけるような難しい一面を持つホームズのパーソナリティが徐々に肉づけされ、“名探偵シャーロック・ホームズ”が具現化されていく。

©西村 淳

さらに、パートナーとしてワトソン(※ホームズ以外の役柄はドイル役の俳優が演じる)も登場。ホームズは最高の探偵のパートナーとして美しく知性的な女性の相棒を熱望するも、ドイルは「隙のない推理力と世界で最も優れた観察力を兼ね備えた人物」であるホームズは「恋愛という感情的な隙を許すわけがない」とすげなく却下し、ワトソンというパートナーが生みだされる。40代コンビの加藤と渡辺は、大人っぽくウィットにとんだドイルとホームズを魅力的に演じる。

©西村 淳

続いては、矢崎(ドイル)と太田(ホームズ)の組み合わせで、「シャーロック・ホームズ」シリーズがイギリス中で熱烈な支持を集めるようになっていく過程を描くシーンの稽古が行われた。

©西村 淳

小説の登場人物としてのホームズと、小説を飛び出し、作家であるドイルと対話をするホームズという異なる立場のホームズを楽しめるのが本作の特徴だが、太田はこのふたつの世界を行き来するホームズをコミカルに好演。自身の名声が世界中に広がっていくのを喜ぶホームズにドイルから「作品に集中してくれるかな?」とツッコミが入るシーンも。そして、ドイルはホームズからの助言により、医者を辞めて専業作家の道を歩んでいく決意をする。ここで歌われる楽曲は、まさに「二人ならば完璧だ」という、ドイルとホームズの固い友情を歌った名ナンバーで、矢崎と太田が声高らかに歌い上げる。

©西村 淳

だが、物語が進む中で「シャーロック・ホームズ」シリーズが世間で人気を博せば博すほど、ドイルは葛藤を抱くことになる。満を持して、これまで構想を温めてきた別の小説を世に出そうとするが編集者も、読者も、そしてホームズも「シャーロック・ホームズ」シリーズしか求めていないという現実を突きつけられる。やがて、ドイルはある思いを胸に「最後の事件」を執筆することに……。

©西村 淳

稽古では髙橋(ドイル)と糸川(ホームズ)の組み合わせで、最大の宿敵との最終決戦に臨もうとするホームズの姿を描くシーンも披露。過去のドイルがつくり上げた探偵(=ホームズ)と現在のドイルがつくり上げた最強の敵の存在を歌うナンバーが、最後の事件に挑むホームズ、そしてドイルの決意を、力強さのなかに、どこか悲愴感を漂わせながら髙橋と糸川が歌う。

©西村 淳

3人のドイル役と3人のホームズ役の俳優が、今回ひとつの稽古場に集結したが、演じる俳優によって、ドイルもホームズも驚くほど印象が変わる。この日は、加藤×渡辺、矢崎×太田、髙橋×糸川の3組だったが、組み合わせは日替わりでチェンジしていくので、二人の関係性によって生まれる化学反応も日ごとに変化していくことに。重厚さを感じさせるシーン、コミカルに見せるシーン、二人の掛け合いで楽しませるシーンなど、場面ごとにそれぞれの俳優の特徴、魅力を存分に感じられる本作は果たしてどの組み合わせで観るべきか(すべて観るべきか)……ミュージカルファンを悩ませることになりそうだ。

©西村 淳

取材・文/黒豆直樹

<公演情報>
ミュージカル『最後の事件』

【東京公演】
2026年2月7日(土)~3月8日(日)
会場:博品館劇場

【大阪公演】
2026年3月13日(金)~16日(月)
会場:サンケイホールブリーゼ

[脚本・作詞・演出] ソン・ジェジュン
[作曲] ホン・ジョンイ
[翻訳・訳詞・演出補] 福田響志
[音楽監督] 岩崎 廉
[配役と出演]
アーサー・コナン・ドイル(トリプルキャスト):
加藤和樹 矢崎 広 髙橋 颯
シャーロック・ホームズ(トリプルキャスト):
渡辺大輔 太田基裕 糸川耀士郎

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/saigonojiken/

フォトギャラリー(12件)

すべて見る