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【実食レビュー】最安170円! 昭和レトロな「コッペパン専門店」のパンが激うまだった♪

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ウレぴあ総研

コッペパンには恨みつらみがある。昭和40年代に小学校の給食でコッペパンを食べさせられた世代で、コッペパンにいい思い出がある人はまずいないと思う。パサパサで、とてもうまいシロモノではなかったからだ。

ただし、揚げたコッペパンにきなこをまぶした揚げパンは大好きだった。揚げることでパサパサ感が解消された揚げパンは、スイーツのようだった。ときどき給食に登場する揚げパンが待ち遠しかったものだ。コッペパンは嫌いでも、揚げパンは好きだった同世代は多いと思う。

令和バージョンのコッペパンを食べてきたゾ

コッペパンだけを焼いているパン屋が墨田区にある。「ハト屋パン店」だ。揚げパンやピーナッツバターをぬったコッペパンやハンバーグをはさんだ惣菜パンもメニューに掲げている。

近年コッペパンを焼くパン屋が増えているが、ハト屋パン店のコッペパンはうまいのか、むかしパンのようにパサパサなのか。

【ハト屋パン店】 紙田和代シェフとご主人の永さんが営んでいます

店は京成曳舟駅から徒歩7分の「下町人情キラキラ橘商店街 」のなかほどにあった。懐かしい佇まいと、風情がある看板が特徴のパン屋だった。看板には、ドーナツのようなものを持つ女の子と犬と「ハト屋のパンとカステラ」の文字が描かれている。

【ハト屋パン店】 プレーンのコッペパンを頼むとこの紙袋に入れてくれる。可愛いデザインだよね

温泉でもあるまいし、なぜハト屋なのか。オーナーシェフの紙田和代さんに尋ねた。

「わかりません(笑)。小池さんという方が大正元(1912)年に創業しました。幸いこの界隈は戦争で焼けなかったことから、いまも昭和3(1928)年建造の店舗で営業しています」

創業者である小池さんの息子か孫が長年店を守ってきたが、2017年に死去。3年ほど店を閉じたままだった。2019年に店舗が売りに出された。ビルに建て替える話もあったようだ。

「可愛い看板や建物を保存したいと思い、パン屋を継承することにしました」

近所に住んでいた紙田さんは、先代が焼いたコッペパンを何度も食べていた。ただ、紙田さんには、パンを焼いた経験がなかった。パン作りが得意な女性に作り方を教えてもらい、2020年11月にハト屋パン店を復活させた。

「北海道産ゆめちからを使っています」

【ハト屋パン店】 「1日に100個から200個コッペパンを焼いています」

先代のコッペパンを食べていたとはいえ、どんな食材を使っていたのかまったくわからない。

先代が残した納品書を調べたところ、輸入小麦粉でコッペパンを焼いていたことがわかった。

「先代のコッペパンを再現したい。でも、いい食材を使い、もっとおいしいパンを焼きたいと思いました」

いろいろな小麦を試したなかで、江別製粉の北海道産ゆめちからを使うことにした。

先代はバターを使っていたかどうかわからない。紙田さんはよつ葉乳業の発酵バターを選んだ。牛乳は関東産。ドライイーストで発酵させたパン生地を朝5時から焼いている。

【ハト屋パン店】 二度と見たくないと思っている人こそ平成バージョンのコッペパンをぜひ 【ハト屋パン店】 コッペパン

焼き立てのコッペパン(170円)を食べさせてもらった。昭和42年4月、葛飾区立小松川小学校の給食で初めて食べたコッペパンと同じように、パサパサでボソボソなのか。

紙田さんが焼くコッペパンは、むかしのものとは別物だった。やわらかくて、ふんわりしていて、おいしかった。昭和42年頃食べたコッペパンの面影は微塵もなかった。

ご主人の永(ひさし)さんは、私と同い年。都内の小学校の給食でコッペパンを食べた世代としては、むかしのコッペパンは見たくもないと言い切る。けれど、「妻のコッペパンはおいしい」とべた褒め。

ちなみに、紙田さんは大阪出身でご主人と同世代。紙田さんが通った大阪の小学校には給食がなかったそうだ。

誰もが好きな揚げパンも作っています

【ハト屋パン店】 あげコッペ。きな粉が飛ぶので、紙袋に入れて渡してくれる

あげコッペ(220円)を作ってもらった。コッペパンを小型のフライヤーで揚げる。油を切った後、砂糖と隠し味の塩を混ぜたきな粉にまぶせば完成。コッペパンはどこかで買ったことがあるが、揚げパンを食べるのは久しぶりだ。きな粉をまぶすことで香ばしくて、さらにおいしくなった。スイーツのような揚げパンの味を思い出した。

【ハト屋パン店】 ピーナツバター。うまいよね、これ。子どもの頃から大好物

ピーナッツバター(220円)も健在だった。コッペパンに包丁で切れ目を入れ、スプーンでピーナッツバターをぬる。昭和40年頃、新小岩にあったパン屋(うさぎや)では、大きなブリキ缶に入ったピーナッツバターを使っていたっけ。ピーナッツバターを頼むと半分に切ったコッペパンにヘラでピーナッツバターをぬってくれたものだ。

紙田さんはいちごジャム(220円)も作っている。果肉が入ったいちごジャムをぬったコッペパンだ。

「私が一番好きなのはカレーホットドック(350円)です。食べてみませんか」

ホットドックにカレーをかけたものだろうと想像したが、まったく違った。

【ハト屋パン店】 これが大阪名物のカレーホットドック。スパイシーなキャベツがグッド

「炒めてカレー粉で味を付けたキャベツの上に、ゆでたソーセージをそえてあります。私が生まれ育った大阪でカレーホットドックといえばこれでした(笑)」

大阪人のソウルフード(?)のカレーホットドックは、めちゃくちゃうまかった。スパイシーなキャベツ&ホットドックを食べるのは初体験。

コッペパンでパン飲みができるんです!

【ハト屋パン店】 商店街サンドのハンバーグ(上)とコロッケ

カレーホットドックは惣菜コッペの一種だ。この他、「商店街サンド」と命名した惣菜コッペがあるという。商店街サンドはハンバーグとコロッケの2種類(共に350円)。ハンバーグは商店街にある「鳥正本店」のチキンハンバーグと、紙田さんが作った卵サラダがはさんであった。焼き鳥屋のつくねにタレをつけてあるので、ハンバーグというよりも鶏つくねなのだが、タレがやや甘口でおいしかった。

コロッケはやはり商店街にある「デリカショップくるみ」の製品。くるみのコロッケと、紙田さん手作りの卵サラダがはさんであった商店街サンドは意外とボリュームがあるので、女性ならこれ1個でお腹がいっぱいになるかも。

【ハト屋パン店】 コッペパンでパン飲みができるんです

ハト屋パン店にはイートインがあり、飲み物と一緒にコッペパンをいただくことができる。じつは、パン飲みもできる。白や赤のグラスワイン(420円)を飲みながらコッペパンや惣菜コッペを頬張ることができるのだ。いろいろな店がパン飲みを展開しているが、コッペパンをアテに飲める店はハト屋パン店だけかも。

惣菜コッペにはチャーシューキャベツやローストビーフ(共に350円)もある。肉をはさんだコッペパンを肴にワインを飲める日が来るとは思わなかった。

お値段は昭和のまま、味は令和のコッペパン

【ハト屋パン店】 下町のパン屋さん的な風情に惹かれるのか、若いパン好きも来店する

ハト屋パン店はレロト感満載だが、紙田さんが焼くコッペパンは令和バージョンだった。

とはいえ、1個170円のパンを焼いている店がいまどきあるのだろうか。値段は昭和のままなのが嬉しかった。おいしくて手頃なパンをわざわざ買いに来る人も多いのだそうだ。

【ハト屋パン店】 店の入口に商品が並んでいました

【ハト屋パン店】

住所/東京都墨田区京島3-23-10

電話/090-3515-7963

営業時間/6:30~15:00(売切まで)、土日祝日10:00~15:00(売切まで)

定休日/水曜 ※価格はすべて税込

(うまいパン)

中島 茂信

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