笑って、泣ける爽やかな感動作!
『ファンファーレ!ふたつの音』が配信開始
カンヌ国際映画祭など世界各国の映画祭で高評価を得た感動作『ファンファーレ!ふたつの音』のデジタル配信とDVD発売がスタートした。本作は生き別れになっていた兄弟がある出来事を機に再会し、それぞれが人生の新たな一歩を踏み出す物語。相手を思いやり、応援する気持ち=ファンファーレが胸に響く作品だ。
世界の映画祭をわかせた感動作が配信開始
映画の舞台はフランス。著名な指揮者ティボは、リハーサル中に倒れ、自身が白血病にかかっていると知る。ドナーを探す過程でティボは自分が養子で、生き分かれた弟のジミーがいると知る。
かつては炭鉱の町として栄えるも、現在はさみしくなってしまった町で暮らすジミーのもとを訪れたティボは、自分が兄だと告げるが、あまりにも急な話にジミーの態度はそっけない。それでも病の兄のために尽力したジミーのおかげでティボは少しずつ回復。ふたりのぎこちない交流が始まる。
クラシックの世界で名をはせ、世界中を飛び回るティボと、田舎町で暮らし仲間と小さな吹奏楽団でトロンボーンを吹くことが楽しみなジミー。ふたりは環境も性格も立場も何もかも異なるが、両者は共に音楽を愛しており、ティボは弟に音楽の才能を見出す。
それぞれの生い立ちを乗り越えて、少しずつ距離を縮めていく兄弟。ティボの弟を応援する気持ちは、いつしか兄弟だけでなく周囲の人々の人生をも変えていく。
本作はフランスでの公開前から世界各地の映画祭で上映され、圧倒的な評価を集めてきた。カンヌ映画祭のカンヌ・プレミア部門で上映されたほか、サン・セバスチャン国際映画祭では観客賞を受賞。第50回セザール賞では主要7部門にノミネートされた。
評論家からのレビューが好評なだけでなく、上映に足を運んだ一般の観客からも熱い支持を集めた。その熱は本国フランスにも広まり、公開から3週連続で実写映画ナンバー1を記録し、260万人を動員。日本でも2025年9月に公開され、熱烈な支持が寄せられた。
ポイントは年齢や性別にかたよりがなく、幅広い層の観客が本作を評価していること。映画ファンがじっくりと楽しめる完成度の高さを誇る作品でありながら、笑いや楽しい場面が満載で、誰もが気軽に楽しめて、感動できる物語が描かれる。
劇場公開中は本作の鑑賞した声が多くネットで観られたが、デジタル配信&DVD発売を機に、さらに口コミが広がることになりそうだ。
ふたつの世界が響き合う感動の人間ドラマ
本作の中心にあるのは、生き別れになっていた兄ティボと、弟ジミーのドラマだ。
彼らは幼いころから離れて育っており、ティボの病をきっかけに兄弟として出会うが、最初はぎこちない。それどころかジミーは反発心すら抱いている。
というのも、ふたりの育った環境はまったく違うからだ。ティボはクラック音楽の世界で生きる著名人で、穏やかで暮らしも不自由していない。一方のジミーはさみしい街で仲間と吹奏楽団で演奏するのが唯一の楽しみ。何もかもが違う。名前の付け方からして違う。
しかし、ふたりは“音楽”を媒介にして少しずつ交流を重ねて、兄弟になっていく。最初、ティボは音楽の才能があるジミーを応援しようとするが、結果としてティボも弟との交流で変化を遂げていく。
本作は相手を応援する“ファンファーレ”の名を冠しているが、誰かひとりが応援するのではなく、相手が相手を想う気持ち=ファンファーレが幾重にも積み重なったドラマが描かれるのが最大のポイントだ。
また、兄と弟の“違い”は単なる性格や境遇だけでなく、それぞれが育った社会やコミュニティの姿、問題点も反映しており、本作は一種の社会ドラマとして観ることもできる奥行きを備えている。配信やDVDで繰り返し観ることで、本作の新たな注目ポイントを見つけられるはずだ。
感涙必至のクライマックス。劇中音楽に注目
劇中に登場する音楽にも注目だ。
ティボは国際的な指揮者のため、劇中では冒頭からクラシックの楽曲が登場する。ベートーヴェンの《エグモント序曲》や、モーツァルトの《ピアノ協奏曲第23 番~第2 楽章》などが鳴り響き、エリザベート王妃国際音楽コンクールの作曲部門でグランプリを受賞したミシェル・ペトロシアンが本作のために書き下ろした楽曲群が物語を彩る。
さらにシャルル・アズナブールにダリダなどのヒット曲、登場人物によるラップのパフォーマンスも登場。ジャンルの垣根を超えた音楽の数々が、立場や生い立ちの異なる登場人物たちを結びつけ、前に進む力を与える。
そう、本作において音楽は、BGMではなく、ドラマの重要な要素であり、すべてをつなぐ重要な役割を担っている。それが最も効果的に描かれるのは本作のクライマックス。
ある事情を抱えたまま、演奏会で指揮を務めることになったティボが耳にしたラヴェルの名曲《ボレロ》。それは観客の誰も想像もしなかった方法で鳴り響く。
音楽を通じて近づき、応援し、確かな絆を結ぶ。世界中の観客が絶賛した感涙必至のクライマックスは必見だ。
(C)Thibault Grabherr
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