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トリプルキャストによる“推理”できない化学反応に期待! ミュージカル『最後の事件』上演中

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(左から)髙橋颯、矢崎広、加藤和樹、渡辺大輔、太田基裕、糸川耀士郎

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アーサー・コナン・ドイルが1893年に発表した「最後の事件」をモチーフに創作された、2人芝居によるミュージカル『最後の事件』が東京・博品館劇場で上演中だ。世界一有名な探偵「シャーロック・ホームズ」を生み出した作家アーサー・コナン・ドイルの知られざる苦悩と葛藤、そして彼にまつわる隠れた実話をもとに、2021年に韓国で初演された話題作が日本上陸を果たした。

(左から)加藤和樹、渡辺大輔

脚本・作詞・演出は、韓国オリジナル版の演出家であり、これまで数々の話題作を手掛けてきたソン・ジェジュン、作曲をホン・ジョンイが担当し、訳詞を福田響志が務めている。そして、アーサー・コナン・ドイルを加藤和樹、矢崎広、髙橋颯、シャーロック・ホームズを渡辺大輔、太田基裕、糸川耀士郎がトリプルキャストで演じている。本稿では、加藤×糸川コンビで行われたゲネプロ公演の模様をお届けしたい。

世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズ(糸川)と、彼を生み出した作家アーサー・コナン・ドイル(加藤)。本来交わるはずのないふたりが、小説と現実の狭間で攻防を繰り広げる姿が、本作の主軸になっている。創造主であるはずのドイルはなぜ、自身に富と名声ともたらした偶像・ホームズと“対決”することになったのか?

(左から)糸川耀士郎、矢崎広

自身が書いた小説が新聞で酷評されたドイルは、進むべき道に悩んだ結果、探偵小説を書くことを思いつく。そこに現れたのが、天才探偵のホームズだ。瞬く間にロンドン中の読者を夢中にさせたホームズの誕生秘話が、軽快なミュージカルナンバーによって描かれていく。

シーンによって、加藤が助手のワトソンを演じる瞬間もあり、ホームズが完璧なプロファイリングで、初対面のワトソンの素性を言い当てる場面は、原作ファンも思わずにやりとするはず。ホームズの活躍と、ドイルの成功譚。順風満帆なサクセスストーリーが、観客を作品の世界に引き込んでいく。

作家と小説中の登場人物でありながら、最高のパートナーとなって探偵小説を完成させていくふたり。危ういバランスで均衡を保つ“バディもの”としての魅力も際立っている。ターニングポイントは、父親の死をきっかけに、ドイルが人生を見つめ直す瞬間だ。

さまざまな事件を華麗に解決していくホームズに人々が熱狂するなか、ドイルは、長年夢に見てきた歴史小説を書きたいと願う。しかし、出版社から「ホームズが登場しない小説は必要ない」と拒絶され、ホームズとの運命を変える重大な決断を下すのだ。

(左から)渡辺大輔、髙橋颯

小説内に仕掛けられたピンチを、次々とくぐり抜けるホームズを、もはや原作者であるドイルすら止めることができない。同時に、ホームズの推理が冴えわたるほどに、ホームズを葬りたいはずのドイルの天才性が証明されてしまうというパラドックスが、両者の緊張感をより高めている点が、戯曲の妙になっている。

自らが生み出し、いつしか自分を操ることになるホームズへの愛憎を、ドイル役の加藤が見事に演じ分ける。感情の激しい起伏、その幅広さを巧みに表現する姿に、代表作のひとつである『ファントム』を思い出すファンもいるだろう。物語の後半では、宿敵・モリアーティ教授も演じており、多面的な魅力がより一層輝くのも、大きな見せ場だ。“クールな熱量”とでも呼ぶべき、加藤の気迫に満ちたパフォーマンスが、ホームズを追い詰めていく。

一方の糸川も、低音の安定感、表現の奥深さで、ドイル=加藤に応戦。ホームズに内在するピュアな青年性、ニヒルな老獪さという相反するキャラクター像を自在に押し引きし、ドイルと観客を翻ろうしていく。タイトルである「最後の事件」については、その結末を知る人も多くいるはずだが、本作では新たな視点と解釈が加えられ、新鮮な驚きと感動をもたらしてくれる。

舞台装置は極めてシンプルだが(医師でもあるドイルの、患者が来ない診察室)、だからこそ、ドイル(現実)×ホームズ(虚構)が繰り広げる心理戦にのめり込める点は、ソン・ジェジュンによる緻密な演出の勝利。近年、急速に存在感を示している韓国発ミュージカルの底力を改めて実感できる機会にもなりそうだ。何より、6人の実力派俳優たちが交差し、合計9通りの組み合わせがあるトリプルキャストによって、“推理”できない化学反応を目撃できるのが、ミュージカル『最後の事件』の最大の魅力ではないだろうか。

(左から)加藤和樹、太田基裕

取材・文/内田 涼
撮影/田中亜紀

【キャストコメント】

[アーサー・コナン・ドイル役]

▼加藤和樹
日本で初めて上演される2人ミュージカル「最後の事件」。演出家のソン・ジェジュンさんの思い・こだわりが詰まったこの作品をカンパニーみんなでディスカッションを重ねて練り上げてきました。さまざまな組み合わせで稽古をして、それぞれのペアの違いや面白さも感じています。アーサー・コナン・ドイルとシャーロック・ホームズ…2人の織りなす濃密な時間をぜひ劇場に体感しに来てください。

▼矢崎 広
ついに初日を迎えます。アーサー・コナン・ドイル×シャーロック・ホームズ。作者と登場人物の設定にずっとワクワクしたまま、歌稽古から本当あっという間にここまで来た感じです。ソン・ジェジュンさんの素晴らしい脚本と演出の元に、キャスト6人のパワーとさまざまな組み合わせによる相乗効果で作品の彩りも魅力的に広がっています。ここからはぜひ見に来てくださる皆さまと「最後の事件」を盛り上げていければ。たくさんのご来場お待ちしております。

▼髙橋 颯
まもなく初日を迎えます。ここまで積み重ねて来た時間、悩み、発見を舞台上で息づかせて、この作品が見てくださる皆さまの心にそっと触れ、明日を迎える気持ちが少し変わるような時間になればうれしいです。劇場という特別な空間で生まれる、今この瞬間をぜひ一緒に味わってください。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

[シャーロック・ホームズ役]

▼渡辺大輔
いよいよ韓国発、ソン・ジェジュンさんオリジナルミュージカルの幕が上がることに、うれしさと興奮を隠しきれません。この作品は、交わることのない2人が相対することで、さまざまなドラマが展開していきます。アーサー・コナン・ドイルとシャーロック・ホームズを知っている方でも、出会ったことのない感情を抱くことになると思います。交錯する2人の感情、友情、そして決断。6人の役者がそれぞれの経験をもとに、魂を込めてつくり上げた役をお楽しみください。

▼太田基裕
別作品が重なり、ご迷惑をおかけしながらの稽古期間でしたが、頼れるキャスト、スタッフの皆さまのご理解のおかげで安心して稽古に臨む事ができました。本当に感謝いたします。舞台上にはたったの2人。最後まで支え合い、楽しみながらも真剣に向き合っていきたいと思っております。3×3の9通りのペアが生まれます。どんな緊張感、空間が広がるのでしょうか。ぜひお客さまもドキドキしながらライブ感を楽しんでいただけるとうれしいです。劇場でお待ちしています!

▼糸川耀士郎
いよいよミュージカル「最後の事件」が始まります。シャーロック・ホームズはドイルの作り上げた最も完璧な創作物という事で、その説得力を出す事を一番大切に役作りしてきました。そのためには自分の歌のスキルを大幅に上げなければならないと思いましたが、そこに全力で直向きに挑戦できたと思います。きっとこの作品を見れば、稽古期間中になぜか消えてしまったフォロワーも帰ってくることでしょう。頑張ります!!

<公演情報>
ミュージカル『最後の事件』

〈東京公演〉
2026年2月7日(土)~3月8日(日)
会場:博品館劇場
〈大阪公演〉
2026年3月13日(金)~16日(月)
会場:サンケイホールブリーゼ

[脚本・作詞・演出] ソン・ジェジュン
[作曲] ホン・ジョンイ
[翻訳・訳詞・演出補] 福田響志
[音楽監督] 岩崎 廉
[配役と出演]
アーサー・コナン・ドイル(トリプルキャスト):
加藤和樹 矢崎 広 髙橋 颯
シャーロック・ホームズ(トリプルキャスト):
渡辺大輔 太田基裕 糸川耀士郎

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/saigonojiken/

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