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花總まりが初の殺し屋役に! 『破果(パグァ)』公開稽古レポート

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日本を含む世界13カ国で翻訳され高い評価を得ているク・ビョンモによる同名小説をミュージカル化した『破果(パグァ)』の稽古風景が2月19日、報道陣に公開された。

公開稽古・取材会には、引退を決意し“最後の戦い”に身を投じる伝説の女殺し屋「爪角(チョガク)」を演じる花總まり、家族を殺した爪角に復讐を誓う青年「トゥ」役を勤める浦井健治、共演する中山優馬、熊谷彩春、武田真治が参加した。

花總まりを中心に日本版初演に挑む精鋭のキャスト陣

色のキャラクターに挑む花總は「本当に今まで演じたことがない役」だと語り、「彼女の生き様や、抱えてきたものの深さに魅力を感じている。幸せな人生かと聞かれれば複雑ですが、最後は希望を見出せる人生が描かれているので、お客様の心に残る何かを届けたい」と意気込みを語った。

舞台上での本格的なアクションにも初めて挑戦しており「伝説の殺し屋ですから、お客様から『どこが?』と思われないように、スタッフの皆さんに協力いただきながら、練習している」と研鑽の日々。「お相手との呼吸も大切ですし、大変ですけど、やりがいや達成感もある。プロフィールに“趣味:アクション”と書けるようになれば(笑)」と意欲を燃やす。

日頃のトレーニングも欠かしておらず「駅の階段を歩いたりしていますね。年老いた役ですけど、実際には老いてはいけない。そんなせめぎ合いですね」と語る。韓国発のアクションミュージカルというジャンルに関しては「今までないもの」だと感想を語り、「単なるアクションではなく、内容的にも深くて、感じるものがたくさんある作品。ご覧になる皆様に素晴らしいものをお届けできると思います」と力強く宣言した。

花總との本格的なミュージカル初共演を果たす浦井は「韓国発のミュージカルが、花總さんバージョンで花開くということで、参加できてとても光栄に思っています」と喜びを語り、「花總さんとバッチバチに対峙するのも夢のようで、幸せを感じる」と両者のバトルに期待を寄せる。

また「花總さんは誰よりも稽古場から離れない。おひとりで銃を扱いながら、台詞とどう絡めるか考えていたり」と主演俳優の様子を明かすと、当の花總は「嬉しいわ」と笑みを浮かべた。

(左から)花總まり、浦井健治

爪角が所属するエージェンシーのユンを演じる中山は、「出るのも、観るのもすごく楽しみにしている」とコメント。すかさず、周りから「いつ観るの?」とツッコミが入ると、「出ていないシーンは、袖で観られるので(笑)。今日もお稽古ということで、すごくワクワクしています」と声を弾ませた。

また、若き爪角に扮する熊谷は「初めてのことだらけの作品」と瞳を輝かせ、「すごくいいチームでお稽古を重ねているので、これからもっともっとブラッシュアップして頑張りたい」と抱負。浦井との再共演について「またご一緒できて感慨深い」と語ると、武田が「あれっ、俺とも共演していない?(笑)」と指摘し、笑いを誘っていた。

稽古レポート:冒頭から引き込まれる“殺し屋の世界”

公開稽古では4つのシーンを披露し、順調な仕上がりをアピールしていた。まず、披露されたのは、1幕の冒頭シーン、ユン(中山)が殺し屋の世界を歌うナンバー「エージェンシーゼロ」。物語の幕開けに、作品がもつ特殊な世界観を提示する重要なシーンは、危うさと妖しさの両面を兼ね備える中山のパフォーマンスが出色だ。息の合ったアンサンブルが、殺し屋組織の底知れぬ力を表現しており、観客を一気に『破果』ワールドへと誘う。

続けては、リュウ(武田)が若き爪角(熊谷)を導くナンバー「トラブル」。若き爪角を襲った“トラブル”をきっかけに、リュウが殺し屋としての素質を見出し、新たな人生を指し示す重要なシーンは、パワフルな歌唱で圧倒的な力を誇示するリュウ、善悪や正邪の境目で戸惑いながら、生きる道を決断する若き爪角のコントラストが印象的だ。ステージを際立つ武田の存在感、そして近年、数々のミュージカルに出演し、頭角を現す熊谷の成長を同時に感じられるはずだ。

トウ(浦井)が爪角へ向けて歌う1幕ラストのナンバー「お前は俺の手に落ちる」では、キャラクターが内面に宿す怒りや憎しみ、そして復讐への誓いという、さまざまな感情が一気に爆発する。ミュージカル界の第一線を走り続ける浦井が持てる技量を最大限に発揮しており、客席を圧倒するさまが容易に目に浮かぶパフォーマンスだった。このシーンには、花總も登場するが、両者が交差する瞬間に漂う、言葉にできない緊張感は、ぜひ劇場で体感してほしい。

浦井健治
中山優馬

そして、公開稽古の最後には爪角(花總)が最後の戦いへと向かう前に歌うタイトルナンバー「破果」が披露された。超一流の暗殺者であった彼女も歳月が流れ、身体の衰えから引退を決意。それまで、喜怒哀楽とは無縁の孤独な人生だったが、いつしか“守りたいもの”ができ、他人の痛み、誰かの温もりを求めるようになっていた。

(左から)武田真治、熊谷彩春
花總まり

そんな主人公が、人生で初めて誰かのために戦うことを決意するのが、このシーンだ。これまでの人生を振り返りながら、今という瞬間、そして未来への希望を歌い上げる爪角の姿は、ミュージカル『破果』のクライマックスであると同時に、殺し屋という難役に挑む花總本人が新たな一歩を踏み出す決意表明にも受け取れる。この貴重な瞬間は、花總ファンのみならず、全ミュージカルファンにとって必見となりそうだ。

取材・文/内田 涼

<公演情報>
ミュージカル『破果(パグァ)』

〈東京公演〉
日程:2026年3月7日(土)〜22日(日)
会場:新国立劇場 中劇場

〈大阪公演〉
日程:2026年3月27日(金)〜29日(日)
会場:梅田芸術劇場 メインホール

〈福岡公演〉
日程:2026年4月4日(土)・5日(日)
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール

[翻訳・訳詞] 高橋亜子
[演出] 一色隆司
[音楽] 甲斐正⼈
[出演] 花總まり 浦井健治 中山優馬 熊谷彩春 武田真治

チケットURL
https://w.pia.jp/t/musical-pagwa/

公演オフィシャルサイト
https://musical-pagwa.jp/

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