イッセー尾形のひとり芝居と宮沢賢治の世界が融合! 新ネタ7本の最終形 in 福岡
ステージ
インタビュー
イッセー尾形
続きを読むフォトギャラリー(4件)
すべて見る2023年10年ぶりの福岡公演以降、毎年コンスタントに福岡でひとり芝居公演を行なうイッセー尾形。「故郷・福岡には、やはり特別な思いがある」と語る彼に、3月20日(金・祝)~22日(日)、西鉄ホールでの公演テーマや、舞台への抱負を聞いた。

『イッセー尾形の右往沙翁劇場 番外編 銀河鉄道に乗って in 福岡 2026』の「銀河鉄道」は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に着想を得たもの。昨年4月に大阪で初めてお披露目した新作7本は、『バスガイド』『神主Ⅱ』、『雪子の冒険』シリーズなどこれまでの作品から引き続きのキャラクターを含め、すべて宮沢賢治やその作品世界につながるネタになっているそう。
「昨年4月に宮沢賢治の“カバー”エッセイ集『人情列車』(※)を出しまして。出版者の方に「せっかくなので舞台にしては」と言われたのがきっかけです。宮沢賢治は作品数も多くて、特定のカテゴリーには収まらない作家。作品には、温かいのに冷たい、楽しいのに寂しい、そんな矛盾する感覚が同時に存在しています。『ここまでおいで』」と誘われ、捕まえたと思ったら逃げてしまう“逃げ水のような作家”。不思議な魅力がありますよね。初めて読んだのは小学生の頃。確か『銀河鉄道の夜』だったと思います。冒険ものでありながら不思議で、ロマンティックで、悲しい。今回の公演では、そんな宮沢賢治の作品世界を、舞台の上で客席のみなさまと一緒に体験したいと思っています」

イッセー尾形にしか成し得ないひとり芝居の世界と、宮沢賢治独特の世界がどう融合するのか、とにかく期待と楽しみを感じてしまう。
「宮沢賢治(の世界)を自分の世界に引き寄せてネタを作っています。彼が描いていたのは、目に見える世界の裏側にある、目に見えない何か。それを表現する方法論さえない世界を、言葉で表現している彼の才能がうらやましいですね。私たち役者の仕事は、言葉によって成立している世界を、肉体に置き換えて具現化すること。私の場合は、ネタを作る時も、いわば憑依みたいなもので、突然降ってわいてくる(笑)。そこに方程式はないから、舞台の上では流れに身を任せて、生の自分をさらけ出すようにしています。『風の又三郎』という作品がありますが、この作品の主人公は、謎の転校生・又二郎を観ている子どもたち。心を騒がせる子どもたちの多様性を描く方が、実際の人生に近い。だから私のひとり芝居でも、心を騒がせる側の人を演じることが多いんです」。

先日まで『チェーホフの奏でる物語』の舞台を務めていたそうだが、改めて、ひとり芝居への意気込みは?
「『チェーホフ~』は5人の俳優でやっていたので、ひとりの稽古は寂しいだろうなあと思っています。ほとんどが脳内稽古ですから(笑)。かつて「ひとりで何でもできる」と思っていた時期もありますが、最近、ひとり芝居の難しさや独特な部分を客観的に見えるようになってきました。今さらと言われるかもしれませんが、自分なりにひとり芝居の限界に挑戦し、行けるところまで行ってみたい。素晴らしい執筆者が活字で読む者の目を奪うように、お客さまの目と耳を奪うような舞台にしたいですね」。
「宮沢賢治の世界は、こういう怪しげなシンガーに歌ってほしいと思った」という『忘れたいシンガー』。宮沢賢治記念館でマニアックなファンから逆にいろいろ教えられる『バスガイド』、本人も「どこからネアンデルタールが出てきたのか」と笑う『ネアンデルタール』など老若男女、見るからにクセの強いキャラクターばかりの全7本。『雪子の冒険』シリーズでは、雪子がいよいよ銀河鉄道に乗車するというから楽しみだ。
「昨年春に作り、全国を回りながら成長してきたネタです。1年の苦労を解放し、生まれ故郷の福岡では好きなことをしたい(笑)。それぞれのネタの集大成+αをぜひ西鉄ホールでご覧ください」。
※『人情列車』
2021年、岩手県・宮沢賢治ゆかりの地への旅をきっかけに始まった雑誌『Coyote』の連載「賢治再訪」シリーズに、未発表作を加えた全13篇。『銀河鉄道の夜』『よだかの星』『風の又三郎』など、宮沢賢治作品に着想を得て創作された、イッセー尾形ならでは“カバー集”。
<作品情報>
『イッセー尾形の右往沙翁劇場 番外編 銀河鉄道に乗って in 福岡 2026』
3月20日(金・祝)~22日(日)
会場:福岡・西鉄ホール
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2545046
フォトギャラリー(4件)
すべて見る
