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「毎日、変わり続けたい」――長野凌大、映画初主演で見つけた“俳優としての覚悟”

映画

インタビュー

ぴあ

(撮影/キム アルム)

碁の盤面には、361の交点がある。映画『361 -White and Black-』は、過去のトラウマから人と囲碁を打てなくなった青年が、着ぐるみ姿で大会に挑むという異色の物語だ。

上条眞人を演じるのは、「原因は自分にある。」の長野凌大。映画初主演にして、アメリカで開催された「グローバルステージハリウッド2025」で最優秀新人俳優賞を受賞した。心を閉ざしながらも、本当はみんなと一緒にいたい。眞人の不器用さは、「内気だった」と語る長野自身の歩みとも重なったという。初主演で何をつかみ、感じたのか聞いた。

眞人も僕も仲間にすごく興味があるんです

――映画は初主演ですね。大山晃一郎監督とはドラマ『シークレット同盟』でもご一緒されていますが、脚本を読んで、眞人というキャラクターにはすぐに入っていけましたか?

台本を読んで、すごくワクワクしました。自分が演じている絵が浮かんだというか、直感で「演じられそうだ」と感じたんです。撮影に入る前に、監督とこの作品について話す機会があって、ちょっと僕に寄せて描いてくれているのかな?って思うところもあったので、それがそう感じた理由かもしれません。

――眞人は、幼馴染のパクや沙羅と同じ囲碁教室で過ごしながら、ある出来事をきっかけに一人だけ囲碁から離れます。2人がプロの世界で活躍する中、取り残された眞人の姿は切なさもありました。どんな部分がご自身と重なったのでしょうか。

眞人って、一見すると人に興味がなさそうに見えるんです。でも実は人一倍興味があって、大切にしてきた人に対して、心を閉ざしているけど、結局みんなの動向をちゃんと追っている。疎遠になった幼馴染たちが、囲碁のプロとしての活躍を把握しているんですよね。本当はみんなと一緒にやりたいんだろうなっていうところ。僕にもそういうところがあるんですよ。

例えば、メンバーとは疎遠にはなっていませんが、やっぱりいつも考えちゃいます。個別仕事のときや、休みの日も「みんな何してるんだろう」ってついつい考えることが多いですね。

――仲が良いんですね!

あと、過去の経験で心を閉ざしていたけど、周りの人のおかげで前を向いて歩いていくっていう人生の歩み方も、自分に似ているなと感じました。僕はもともと内気で、この業界に入ってからもうまくいかないことが多くて、悩んでの繰り返しだったんです。

でも、メンバーや周りのスタッフさん、ファンの方々の声のおかげでちょっと前向きになれたし、別人のように変わったと思っていて。そういうところは眞人と重なります。

――逆に、難しかった部分は?

“温度感”ですね。僕はそこまでネガティブじゃないし、明るいほうではあるんですけど、眞人は本当に人と会っていないし、基本的なテンションというか、温度が僕より低い。

でも、この作品ではシーンによって、誰にどこまで心を開いているかが変わってくるので、そこが伝わることを意識しました。松岡さん演じる小坂との距離感とか、後半に向けてお兄ちゃんの春人と小坂をどれだけ重ねていくか。その変化の流れは、丁寧に組み立てていきました。

――完成版をご覧になって、表現できた手応えはありましたか?

自分で言うのも変ですが、すごく……「俳優だなぁ」と思って(笑)。

――(笑)

ちょっとだけ自信がつきました。でも、それで満足しちゃいけないので。今後に向けてもっとこうしたいっていうのはありましたけど、この作品ではしっかり眞人として存在できたのかなと思います。

囲碁は2人でセッションを楽しむ感覚

――囲碁が物語の核になっていますが、経験はあったのでしょうか?

全くなかったです。知ってはいましたけど、やったことはなくて。今回出演が決まってから囲碁の先生にルールや歴史を教えていただきました。「中国で生まれた競技で……」みたいなところから、石の持ち方や打ち方も教わって、石を家に持ち帰って練習して。アプリでも対局していたんですけど、実力はもう……激弱ですね(笑)。めっちゃ難しい。でも、やっていくうちに囲碁って勝つことが全てじゃないってわかってきたんです。相手とどれだけ綺麗な盤面をつくれるかが大事。2人でセッションするような感覚です。

――劇中では着ぐるみを着て対局するシーンも印象的でした。

着ぐるみは……それまでの練習がゼロになりかけました(笑)。特に、対局の中盤になると盤面の石が増えてきます。手が自分の手の2倍くらい大きいから、打とうとすると周りの石に当たっちゃうんです。バラバラーって石が動いちゃってNGなんてこともありました。着ぐるみを着ながら打つ練習も、何回もしました。

――素手で打つときはどんなことを意識しましたか。

プロの方を見ていると、『ちょっと前に出して、引く』んです。その動作がかっこいいんですよ(と、実際に手の動きを見せながら)。人によって打ち方に個性があるし、やっぱり石の音を大事にしている方が多かったですね。囲碁の石って綺麗な音がするんです。僕はいろんな人と話すときに、ずっとこうやって石を持つ練習をしていました。ちょっと失礼なんですけど(笑)、練習しながら会話して。その積み重ねが、完成した作品には出たかなと思います。

眞人は、トラウマがあり囲碁を打とうとすると震えてしまいます。恐る恐る囲碁に向き合っているところから、最終的には楽しく打てるようになっていく。その過程を、すごく大事にしました。話し方もそうだけど、石の持ち方ひとつとっても、シーンごとに変化が伝わるようにちょっとずつ変えていっています。些細な所作の中に、眞人の心境の変化が出ていたらいいなと思います。

――主人公でありながら、セリフ量が多くなく「受け」の芝居が重要な作品です。意識されたことは?

もともと芝居のレッスンのときから「受けはすごく大事だ」ということを学んできたので、この役は特にそれが出る役だなと思っていました。シーンごとにいろいろ考えて準備していくんですけど、僕が現場で大切にしていることは、「用意スタート!」と同時に、考えてきたものを全部捨てるということです。

――全部捨てるんですか!

ただ、今回『361 -White and Black-』に関しては、捨てることすらできなかった。松岡さんがもう本当にいろいろ仕掛けてくるんです。さっきはこうだったのに今度はこうじゃん!みたいな。だから、捨てるも何も、捨てさせられたみたいな感じで(笑)。本当に松岡さんには、この作品では支えられましたね。役者としても、役としても。

――アドリブもありましたか?

ありましたね。それが逆にいい画になって、すごく楽しかったです。監督もなかなかカットをかけないので、本編でもけっこう使われていると思います。例えば、松岡さん演じる小坂と2人、海辺で「飲みに行こうぜ」っていうシーンのあと、歩きながら喋っているところは、台本にはない部分ですね。

松岡広大に教わった、「全部触る」ということ

――劇中でほとんどのシーンをご一緒された松岡広大さんとの印象的なエピソードがあれば聞かせてください。

松岡さんは、本当に不思議な方で。移動中に歩いていたとき、見たことない“木”があったんですよ。

――木、ですか?

そうです(笑)。都内じゃ見ないような模様の木で、「なんですかね」って話していたら、松岡さんがスッと木に近づいていって、触ったんです(触るジェスチャーをしながら)。「へえ、こんな感じなんだ」って。僕が笑ったら、松岡さんが真顔で「長野くん、俳優は、気になったものは全部手で触った方がいいんだよ」って。本気なんですよ。

あのときは笑って聞いてたんですけど、確かにそうだなと。僕は触ってないけど、松岡さんは触っている。もし、あの木に関するお芝居がきたとき、絶対に彼のほうが解像度が高くなる。一回触ったことがあるものなら「こんな感じだったな」って、お芝居に活かせる。松岡さんが言いたかったのは、「幅広く興味を向けて、いろいろなことをしてみたほうがいいよ」ということだったんだと思います。

――その言葉を受けて、何か変わりましたか?

僕も、あれからいろんなものを触るようになりました(笑)。それだけじゃなくて、普段下を向いて歩いてたけど、上を向いて歩いたら「この街は意外とこんな感じなんだ」って見え方が変わって。興味を向ける矢印が増えたと思います。もともと写真を撮るのが好きなので、撮りたいものも変わってくるし、聴きたい曲も変わってくるし。いろいろ発見がありますね。

――松岡さんとはプライベートでも仲良くなれましたか?

めっちゃ仲良くなったと思います! 松岡さんも本が好きで「おすすめの本ありますか」って聞いたら、20冊くらい教えてくれて。どんどんタイトルを教えてくれるので途中からもう書記みたいにメモしていました(笑)。連絡先を交換したのでまたご飯とか行きたいですね。

「自分を変えたい」と毎日思っている

――劇中の大会のシーンで、眞人が対局しながら「自分を変えたいんだ」と感情を吐露する場面が印象的でした。「今の自分を変えたい」思いは、長野さん自身にもありますか?

このお仕事をするようになってからは、毎日思ってますね。タレントや俳優、アーティストって変わり続けないといけないと思うんです。変わらないものも大事だけど、変わり続けないと、見てくれている人やファンの方々はどうしても飽きてしまう。

僕はこの仕事をしている上で、ファンの方を楽しませることが一番大事だと思っているので。だから毎回、新曲を出したり、新しい作品を出すたびに、今まで見たことのない自分を出したいと思うし、その姿をみんなが楽しんでくれたらいいなって。毎日変わりたいと思っています。ただ、変わらないものを持つことも絶対大事。そこはすごく意識しています。

――変わるためのインプットは意識的にされているんですか?

音楽もたくさん聴くし、映画もめちゃくちゃ観に行くし、ライブにも足を運びます。最初は意識してやっていたんですけど、気づいたらそれ自体が好きになりました。移動時間があったら1本動画を観る。できる時間で全部やります。

この映画に向けては、囲碁の試合映像をめちゃくちゃ観ました。柳楽優弥さん主演の『ディストラクション・ベイビーズ』も何度も観ました。柳楽さんは作中でほとんど喋らないんですよ、主演なのに。眞人もセリフではない「感情」で見せる部分が多かったので、すごく参考になりました。

――眞人も、松岡さん演じるディレクター・小坂も、弱さを乗り越えていく姿が描かれていましたよね。長野さんが壁にぶつかったとき、どうやって乗り越えてきましたか?

これはもう、『メンバーに言う』です、全部。悩みを打ち明けて、話して、超えていく。一番多いのは……(桜木)雅哉ですね。一番自分に近い感覚を持っていて、分かってくれるし、俯瞰した視点で言ってくれるので。特に悩んだときは雅哉に相談します。

――主演が決まったことはメンバーに話しましたか?

話しました。みんな驚いてました。主演だっていうことも言えたし、撮り終わってちょっとしたら「アメリカに行きます」って(笑)。それ言ったらみんなびっくりして、「すげー!」って。ダブルで気持ちよかったですね。お土産も7個用意して、おみくじで分けました。

スパイ系のアクションをやってみたいです

――本作はグローバルステージハリウッド2025で最優秀新人俳優賞を受賞されました。アメリカ自体が初めてだったそうですね。

初めてでした。僕の母国はあそこで魂はあそこに置いてきたっていうくらい(笑)、素敵な場所でした。街の空気感が自分に合っている感覚もあったし、やっぱりハリウッドは憧れの場所ですからね。

レッドカーペットも歩いて、僕たちの前には笑福亭鶴瓶さんが歩いていたんです。すごいところに来たんだなって。全部が新鮮で、忘れません。

――受賞はその場で知ったのでしょうか。

そうです。監督と冗談めいて「受賞できたらいいね」って言ってたんですよ。そしたら本当に受賞して、ただただびっくりしました。現地に参加できるだけで嬉しかったのに、1日目の上映会でみんなで観て、2日目に発表されて。そもそも、俳優として賞をいただくのは初めてだったので、「夢かな」と思いました。

――俳優として一歩成長できた実感は、ありますか?

ちょっとだけ自信はつきましたね。でも、それは賞をいただいたからというよりも、現場で確かな実感があったからなんです。「もっとお芝居がしたい」って思えた現場だった。その感覚がまずあって、そこに賞までいただけた。だから逆にプレッシャーでもあります。賞に似合うような俳優にならないといけないと思うし、もっと頑張ろうと。またしっかり大きくなって帰ってきたいですし、グループとしても行けるようになりたいって強く思いました。

――今後、挑戦してみたいことを教えてください。

明確にあります。スパイ系のアクションがやりたい。

――スパイ! 長野さんはダンスもお上手なので似合いそうです。

めっちゃやりたいんです。もともと、お父さんも僕も『ミッション:インポッシブル』が大好きで、小さい頃から一緒に観ていて。最近も一緒に新作を観に行ったんですけど、ふと「なんで僕、俳優やってるのに今までアクションやりたいって思わなかったんだろう」って思って。しかもトム・クルーズさんとほぼ同じ身長なんですよ(笑)。だからやりたいですね。

もう一つは、学園ドラマ。今まで女装の役など、ありがたいことに変化球の役が多くて。正統派の恋愛ものも演じてみたいですね。

――ぜひ見たいです。グループとしてはいかがですか?

たくさんあります。ツアーの規模をもっともっと大きくして、皆さんに会いに行きたいです。海外のファンの方が増えていて、日本まで会いに来てくださる方も増えた。だから今度は僕らが直接会いに行きたいですね。フェスにももっと出たいし、言い始めたらキリがないです。

――それぞれが俳優としても強くなっていますからね。

お互いがグループに還元するからこそ、やりたいことがどんどん出てくるのかもしれません!

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映画『361 -White and Black-』

https://361whiteandblack.com/


撮影/キム アルム、取材・文/かたおか由衣

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