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異例のスピードで渋谷TOKIO TOKYOを完売! 注目のアーティスト”ざらばんし”初ワンマンで魅せた圧巻の熱量をレポート

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ざらばんし ワンマンライブ『1st One Man Live”デスクライト”』

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Text:松本侃士 Photo:夕陽

2001年生まれ、京都出身のソロアーティスト・ざらばんし。彼にとって初のワンマンライブ『1st One Man Live”デスクライト”』が、2026年2月22日、東京・渋谷TOKIO TOKYOにて開催された。ざらばんしは、2024年に京都でライブ活動を始めたばかりで、今回のライブは、彼にとって人生で9回目のライブだった。きっと、この日初めて彼のライブを観た観客も多かったはず。チケットは、見事ソールドアウト。開演前の満員のフロアには、期待と緊張感が混ざり合った独特のムードが満ちていた。以下、当日の模様を順を追ってレポートしていく。

開演時刻になると、静謐で神秘的なSEが響きわたり始める。そして、青いライトによって照らし出されたステージに、ざらばんしが、サポートのギタリスト、ベーシスト、ドラマーと共に登場。1曲目は「どうしても」。幕開け早々、荒々しい手触りのバンドサウンドが力強く躍動&疾走していき、その上に、切実な感傷が滲むざらばんしのエモーショナルな歌が重なってゆく。そして、彼の感情の昂りに呼応するかのように、観客が手を高く掲げる。続けて披露されたのは、「余命の船」。ざらばんしと3人のサポートメンバーの息はぴったりで、バンドアンサンブルのタイトさ&揺るぎなさに圧倒されてしまう。何より、ざらばんしの歌は、一見、淡々としているようにも思えるが、ライブだと、その歌声に滲むエモーションの機微や昂りが音源以上の解像度や気迫をもってありありと伝わってくる。エネルギッシュにドライブする「テレパシー」の後、初めてのMCコーナーへ。「ありがとうございます。ざらばんしです」と告げると、大きな拍手がフロアから送られる。初めてのワンマンライブということもあってか決して雄弁なMCではなかったが、「集まってくれて本当にうれしいです」と感謝を告げたり、「初めてこんなに曲やるんで...声枯らしてやるんで...、声枯れたらみんなで歌ってくれたらうれしいです」と呼びかけたりしながら、観客と丁寧にコミュニケーションを重ねる誠実な姿がとても印象的だった。また、彼が何かを観客に向けて語りかけるたびに、温かな拍手がフロアから沸き起こっていて、まさにワンマンライブだからこその親密な光景だったように思う。

ここでギターを下ろし、「about」からライブが再開する。グッと重心を下げたサウンドに乗って、両手で深くマイクを握りながら真摯に歌うざらばんし。まるで、ゆっくりと心の最深部へ潜ってゆくような展開を経て、サビで一気に感情を爆発させてみせる。ライブでは、音源で聴く時以上にそうした鮮やかなコントラストが際立っていて非常に圧倒された。再びギターを担ぎ、続いて、ライブ当日時点での最新曲「YAMIKUMO」へ。果敢にエッジを斬り込んでいくバンドサウンドが熱くドライブしていき、それに呼応するようにざらばんしの歌声が熱烈な響きを放つ。そしてそれを受け、観客が高く手を掲げる。昨年12月のリリースからまだ2カ月ほどしか経っていないが、すでにライブアンセムと化していて驚いた。その後、「飽く迄も」「somehow」「かえりみちすてっぷ」と立て続けに披露されてゆく。それぞれの楽曲が共通して描き出すのは、心の内の灰色の景色であるが、こうしてワンマンライブの尺で彼の楽曲を立て続けて聴くと、同じ灰色でも、その濃淡は曲ごとに絶妙に異なることに気付く。喜怒哀楽のような分かりやすいメリハリこそないものの、それぞれの楽曲の連なりから、感情の豊かで繊細なグラデーションが感じ取れて、とても深い充実感を得ることができる。

グッズ紹介を兼ねたMCコーナーを終えたざらばんしは、「まだまだ曲をやるので、自由に、いっぱい手を上げてください」「一緒に楽しんでください」と観客に呼びかけ、ここからライブは後半へ突入していく。高速の4つ打ちのキック&裏打ちのハイハットから成るダンサブルなビートが轟き、そのまま「はーとらべる」へ。数ある楽曲の中でも、ひときわダイレクトに感情の昂りを伝える同曲を通して、会場全体の高揚感と一体感がグッと高まってゆく。次の「b擬」のサビにおける爆発力も凄まじく、そして、その熱量は「SELF」へと引き継がれ、ざらばんしと観客の熾烈な応酬はさらにエモーショナルに極まっていく。間髪入れずに「クレープ」へ。同曲では、ざらばんしが「みんな、手上げれますか!」と煽り、観客がさらに高く手を上げる一幕もあった。

「みんな、疲れてないですか」「みんな、手上げてくれてありがとうございます。めちゃくちゃうれしいです」そう告げたざらばんしは、続けて、今回のライブの公演名『デスクライト』について語り始めた。彼いわく、「デスクライト」とは、人生で初めて作った楽曲の曲名であるという。明るいと、見たくないものを含め、多くのものが目に入ってしまう。だから、いつまでも暗いままのほうがいい。彼はかつて、そういった内容の歌詞を、部屋の電気を消して、デスクのライトだけを灯して書いていたとのこと。その曲は、彼いわく「今は聴けない」とのことだが、「デスクライト」という言葉が好きで、今回のライブにぴったりだと思い、公演名として冠したという。

続けて彼は、「今年もいっぱい新しい曲出したい」と語った上で、ライブ当日時点で未発表の新曲「トローチ」を披露した。これまでの曲と比べるとポップなテイストが強めの楽曲で、また、等身大で親密な響きの歌のメロディを通して、彼の存在を今まで以上に近く感じられる曲だった。「デスクライト」以降の新章を切り開いていく一曲になる予感がする。そして、代表曲「心がくたばるよ」へ。きっと、SNSで大きな話題となったこの曲をきっかけにざらばんしと出会った観客は少なくなかったはずで、会場全体の温度がさらにグッと高まるのを感じた。

熱烈なフィーリングがフロアを満たす中、最後に披露されたのは「果無い」だった。まるでリミッターがぶっ壊れてしまったかのように熾烈に昂るバンドサウンドは本当に圧巻で、また、アンセミックなサビの歌はライブで聴くとひときわ感動的だった。このメロディラインに、観客の大合唱が重なる日はそう遠くないと思う。最後にざらばんしは、もう一度「ありがとうございました」と真摯に感謝を告げ、温かな拍手が送られる中ステージを去っていった。

<公演概要>
ざらばんし ワンマンライブ『1st One Man Live”デスクライト”』
2026年2月22日 東京・渋谷TOKIO TOKYO

【Set list】

1.どうしても
2.余命の船
3.テレパシー
4.about
5.YAMIKUMO
6.飽く迄も
7.somehow
8.かえりみちすてっぷ
9.はーとらべる
10.b 擬
11.SELF
12.クレープ
13.トローチ(新曲)
14.心がくたばるよ
15.果無い

ざらばんし Lit Link

https://lit.link/zarabanshi

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