関東では13年ぶり! 下村観山の大回顧展が東京国立近代美術館で開催 重文《弱法師》など150件超が集結
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《獅子図屏風》 1918(大正7)年 水野美術館蔵 (※後期展示①:4/14~5/10)
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すべて見る近代日本画家・下村観山(1873-1930)の代表作により作家の画業を通観する、関東では13年ぶりとなる大回顧展が2026年3月17日(火)より開催される。
紀伊徳川家に代々仕えた能楽師の家に生まれた下村観山は、自らが学び教えた東京美術学校を、師の岡倉天心とともに去り、日本美術院の設立に参加した。その後、イギリス留学や欧州巡遊で、さらなる画力を磨いた彼は、横山大観や菱田春草とともに、新時代にふさわしい日本美術の道を切り開いた。
150件以上の作品が展示される同展でまず注目したいのは、誰もが圧倒される下村観山の超絶技巧だ。狩野派、大和絵、琳派といった日本画の他、中国絵画から西洋絵画まで東西の伝統技法や図像を徹底的に学んだ観山は、筆を自由自在に操って、自らの作品に応用した。なかでも1mm以下の超繊細な描写や、細部に金を使った描写は見どころ満点。お持ちの方はぜひ単眼鏡を持参することをお勧めするが、今回は会場にて貸し出しも行われる(有料)。


その卓越した技法を持って彼が描いたのは、自らの出自である能をはじめ、歴史や文学などの高い教養と、さらにそこにアレンジを加えた独自の世界。その最たる作品が、観山唯一の重要文化財《弱法師》だ。謡曲「弱法師」に着想を得て、盲目となった俊徳丸が心の目で見た景色を描いた本作は、俊徳丸の超繊細描写や、日本の伝統絵画の装飾性と西洋画風の陰影を取り入れた表現、さらに物語を深く解釈した独自のアレンジまで見ることができる。観山芸術の真骨頂といえるだろう。

そのほかにも同展では、観音の顔立ちがレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》に似た《魚藍観音》など、観山作品によく見られる不可思な表現やミステリアスなモチーフを読み解き、作品の意義を再検証する。また観山がイギリス留学中に古代ギリシャの哲学者を描いた《ディオゲネス》(大英博物館蔵)から、海外経験を通じて観山が考えた「日本画のあり方」についても迫る。

関連イベントとして、能役者による《弱法師》の装束着付レクチャーと仕舞「弱法師」の実演や、千駄ヶ谷の国立能楽堂とのタイアップにで、観山が題材にした能の公演なども行われる。
<開催情報>
『下村観山展』
会期:2026年3月17日(火)~5月10日(日)
会場:東京国立近代美術館
休館日:月曜(※ただし3月30日(月)、5月4日(月)は開館)
時間:10:00~17:00(金・土曜は~20:00)、入館は閉館の30分前まで
料金:一般2,000円、大学生1,200円、高校生700円
公式サイト:
https://art.nikkei.com/kanzan/
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