没後10年・中西夏之の大規模個展が国立国際美術館で開催 「絵画という営み」と向き合い続けた実践の軌跡をたどる
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《紫・むらさき XVIII》1983年 国立国際美術館蔵 (C)NATSUYUKI NAKANISHI
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すべて見る20世紀後半から21世紀初頭にかけて、絵画という営みを根底から問い直そうとした現代美術家・中西夏之(1935-2016)。半世紀以上にわたるその制作の軌跡を振り返る大規模な個展が、3月14日(土)から6月14日(日)まで、大阪・中之島の国立国際美術館で開催される。
中西が東京藝術大学を卒業し、画家を志していた1950年代末は、既成の芸術のあり方を疑問視し、破壊しようとする「反芸術」の動きが活発だった時代。中西も1960年代前半には、同世代の高松次郎と赤瀬川原平ととともに前衛美術家集団「ハイレッド・センター」を結成し、数々のイベントを繰り広げていった。だが、舞踏家の土方巽(ひじかた たつみ)との出会いと舞踏との協働をきっかけに、1960年代末に絵画に回帰。こうした迂回路を経た中西は、絵画はいかにして立ち現れるのか、そもそも絵画の存在する場所はどこなのかといった問いを抱えて制作に取り組むことになる。

1970年代になって、絵画の画面上に竹弓を取り付けた連作〈弓形が触れて〉を出発点として理論を洗練させていった中西は、以後は様々な連作を通じて、「眩しい光、そして移ろう時間として現れてくるこの世界を、画家は、絵具の色彩によってどうとらえることができるのか」という大きな問いを探究し続けた。

今回の展覧会は、具象や抽象といった既存の枠組みにおさまることなく、むしろ新たに「絵画」を立ち上げ直そうとしたその中西の特異な絵画理念と実践を浮き彫りにしようとする試みだ。展覧会タイトルにある「緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」という謎めいた言葉は、中西が絵画のありようを指して残したもの。同展ではこの言葉を導きの糸として、中西の投じた問いの答えに迫っていく。その際、ひとつの焦点となるのは、「反芸術」から絵画制作へと彼を駆り立てたのは何だったのか、その「転向」の動機を考察することだという。

2026年は中西の没後10年の節目となる年だ。初期から晩年までの代表作をはじめとした作品群を通じて中西の実践をたどることで、「絵画を描くこと」、さらには「絵画を見ること」について改めて向き合う機会となることだろう。
<開催情報>
『中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置』
会期:2026年3月14日(土)~6月14日(日)
会場:国立国際美術館
時間:10:00~17:00(※金曜は~20:00)入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜、5月7日(木)※ただし、5月4日(月)は開館
料金:一般1,500円、大学生900円
公式サイト:
https://www.nmao.go.jp/
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