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小林亮太&山田健登、渡邉蒼&島太星、二組の主演ペアが魅せる! ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』稽古レポート

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ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』稽古場から (上段左から)小林亮太、山田健登、(下段左から)島太星、渡邉蒼

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同じ日に生まれながら対照的な環境で育ち、偶然の出会いから友情を育み、やがて悲劇的な運命をたどるミッキーとエディ。ふたりと彼らの家族を描いたミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』に、小林亮太&山田健登の“こばやま”、渡邉蒼&島太星の“あおしま”、両コンビがまさに体当たりで挑んでいる。2月下旬に行われた通し稽古で、まず“あおしま”が、そして数日後に“こばやま”が、カンパニー一丸となって見せてくれた熱演の模様をお伝えしましょう。

(左から)山田健登、小林亮太
(左から)渡邉蒼、島太星

稽古場には、仮のセットが組まれている。舞台中央にミセス・ジョンストン(安蘭けい)が、続いてブリッジにナレーター(東山義久)が現れ、彼女が生んだ双子の運命を語り始めるのだ。

通し稽古を通じて感じたことは、ミセス・ジョンストンとナレーターの存在感の大きさだ。このふたりが『ブラッド・ブラザーズ』という物語を引っ張っていく両輪と言えるだろう。ミッキーとエディの物語は、ミセス・ジョンストンがふたりを生んだことに始まり、その終わりにも彼女が大きな役割を果たしている。

安蘭けい(手前)、東山義久(後)

夫と出会い、妊娠して結婚、出産し、次々と子どもが生まれたものの夫は去ってしまい、彼女はひとりで双子を生む。そんな身の上を伝える楽曲「マリリン・モンロー」は、安蘭の張りのある歌声とそこに表れる優しさや、時に切なげな表情が心に残る。凛とした立ち姿、そして子だくさんのシングルマザーである“肝っ玉母ちゃん”な風情が自然になじんでいて、とても魅力的だ。

安蘭けい

そこに、低音で不穏な空気を投じてくるのが東山。ナレーターという名の通りに登場人物が置かれている状況や心理を物語る、ある意味で物語の枠外にいる存在。それでいて、時には枠の内に入って牛乳屋や産婦人科医、教師などさまざまな姿で現れてミセス・ジョンストンやミッキー、エディらと言葉を交わす。その変幻自在ぶりときたら、なんとも魅力的。牛乳屋などで見せるコミカルさは、おそらく稽古場でさまざまなアイディアを繰り出しながら演じているのだろう、しばしばスタッフの笑い声が稽古場に響いていた。その一方、ナレーターとしては運命を司る者、あるいは人の心の闇にささやきかける者かのような、容赦なく、けれどどこか艶やかで色気すら漂う。そんな東山の持ち味が際立つ歌声で、特に「テーブルの上の靴」は何度となく物語をリードしていた。

東山義久

そしてミセス・ジョンストンがライオンズ家で家政婦として働いていたこと、しかもミセス・ライオンズは子どもに恵まれず、なんとかして子どもを得たいと思いつめていたことによって、生まれてきた双子の運命が決まる。エディはライオンズ家の子どもとして育てられることになり、裕福な暮らしを。ミッキーはジョンストン家で、すぐ上の兄サミーたちと貧しくもたくましく育つこととなる。

ダイナミック、かつ繊細に、創り上げられていくステージ

そんな双子が7歳になった時、偶然なのか、それとも運命の必然だったのか、ふたりは出会う。Wキャストの両コンビはいい意味でカラーの違いがはっきりしていると感じた。あえて言うなら、“こばやま”は芯には相通じているが表象は対照的、“あおしま”は存在そのものが対照的といったところ。特に7歳の場面は、両コンビ共本当に楽しそうに演じていたことも、彼らが話していた通りだ。

さらに、ミッキー同士で言えば小林亮太は身体能力の高さがダイナミックな動きにつながっていて、渡邉蒼はすばしっこさや柔軟さが際立つ。両者共、セットにぶつかってしまうのではないかと思うような激しさだ。

その一方で、内面的にはいかにも末っ子な7歳の悪ガキをビビッドに表現した第1幕から、14歳、17歳、18歳、そして大人へと成長し結婚もするが状況的にはどんどん追い込まれ葛藤や切迫感に苛まれる第2幕と、両者共ひりひりするような緊張感をもって表現し、確かな演技力を見せている。やんちゃで、しかし痛々しく、かつ愛おしいミッキーを、ふたりとも創り上げていた。

エディ同士では山田健登はまっすぐでしなやか、成長後のスマートな品の良さも印象的で、島太星はふんわり、おっとりとしていて、成長後もおおらか。しかし両者共リンダ(小向なる)やミッキーへの想いとそれ故の葛藤を繊細に表現して、甘さと切なさを湛えていた。こうしたミッキーとエディのコンビネーションは、本作の最大の見どころであることは間違いない。

小向なる

また、子どもを切望し、それが叶ってエディを得たものの今度はエディを愛するが故に彼とミセス・ジョンストンやミッキーとの絆に追い詰められていくかのような姿を的確に表現しているミセス・ライオンズ役の瀬奈じゅん、妻子を愛する一方で経営者としてミッキーの運命の一端を担っているミスター・ライオンズ役を誠実に、堅実に表現している戸井勝海と、ベテランの確かな存在感も好ましい。なお、基本的には本役のみを演じている戸井が、第2幕のある場面では別の役で登場することも意外な楽しさがあった。

(左から)安蘭けい、瀬奈じゅん
(左から)瀬奈じゅん、戸井勝海
瀬奈じゅん
戸井勝海

一方、物語を悲劇的な方向に進める牽引力のひとつともなっているのが、ミッキーの兄であるサミー。演じる秋沢健太朗は180㎝と比較的大柄であり、彼もまたキレの良い身体能力が光っていて、ステージにダイナミズムを与えている。歌・演技共に安定した力量を見せているところにも好感を抱いた。

秋沢健太朗

そしてアンサンブルも数々の役柄を演じて物語を彩っているが、特に印象的だったのは第1幕の楽曲「キッズゲーム」だろうか。インパクトある場面の切り替えで始まる、ミッキーやサミーと共に遊ぶ子どもたちの姿。第2幕につながる要素の面でも、重要なシーンだと感じた。

この段階では、まだ衣裳も、照明もついていない。音楽もピアノのみで、これから練り上げられていく。現段階からさらに精度を上げていくキャストの熱演にそれらのクリエイティブワークが融合した時、どのようなステージが立ち上がるのか、期待せずにはいられなくなった通し稽古だった。

取材・文/金井まゆみ

<公演情報>
ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』

脚本・作詞・作曲:ウィリー・ラッセル
演出:日澤雄介

出演:
ミッキー:小林亮太/渡邉蒼(Wキャスト)
エディ:山田健登/島太星(Wキャスト)
リンダ:小向なる
サミー:秋沢健太朗
ナレーター:東山義久
ミスター・ライオンズ:戸井勝海
ミセス・ライオンズ:瀬奈じゅん
ミセス・ジョンストン:安蘭けい

菊地まさはる 白鳥光夏 菅井理久 田代 明※ 千葉由香莉 花咲まこと※ 平山トオル(※スウィング)

【東京公演】
2026年3月9日(月)~4月2日(木)
会場:シアタークリエ

【大阪公演】
2026年4月10日(金)~12日(日)
会場:サンケイホールフリーゼ

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/bb2026/

公式サイト:
https://www.tohostage.com/blood_brothers/index.html/

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