開幕直前!ミュージカル『メリー・ポピンズ』 オーケストラとのリハーサルでキャストたちが示した音楽の力
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ミュージカル『メリー・ポピンズ』稽古風景
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すべて見る2026年3月21日(土)、東京・東急シアターオーブにてミュージカル『メリー・ポピンズ』が開幕する。P.L.トラバースによる小説、1964年公開のウォルト・ディズニーによる不朽の名作映画『メリー・ポピンズ』を原作に誕生したミュージカルは世界各地で人気沸騰、2018年、2022年に上演された日本版キャストの舞台も多くの観客の心を掴んだ。4年ぶりとなるファン待望の再々演は、続投の濱田めぐみ、笹本玲奈に、朝夏まなとが新キャストとしてタイトルロールに加わり、トリプル・キャストでの上演が実現。開幕間近、舞台でのリハーサルに突入する直前に行われた “シッツプローブ(俳優とオーケストラの初合わせリハ)”の模様をお伝えする。

『メリー・ポピンズ』の英国側スタッフ、ミュージカル・スーパーヴァイザーのグラハム・ハーマンのもとでリハーサルに取り組んできたオーケストラのメンバーたち。彼らが田邉賀一の指揮で生み出していったのは、魔法にあふれたミュージカルらしい、ワクワク感がぎっしりと詰まった厚みあるサウンドだ。そんなオーケストラとピアノ伴奏での稽古を重ねた俳優たちが一堂に会したのはこの日が初めて。
プロローグを牽引するのは、メリーの相棒役で煙突掃除人のバート。誰もが知っている“あの旋律”で、じわじわと、1910年のロンドン、チェリー・ツリー・レーンへとみんなを引き込んでいく。演じるのは、2018年の日本初演時からこの役に取り組む大貫勇輔、2022年に続いて二度目の小野田龍之介に、初参加の上川一哉。新キャストを中心に組まれたこの日の稽古では上川が一語一語に丁寧に向き合う歌唱で全員の心を一つにし、魅力的な狂言回しの誕生を予感させる。
バンクス家ではジェーンとマイケルの姉弟がモンスターぶりを発揮。この日は4組8人の子役たちも全員集合、かわるがわるにスタンドマイクの前に立つが、待機中の子役たちもずっと演奏に意識を集中、着席のまま身体を動かし、振付の確認に余念なし。
やんちゃなふたりの子どもたちのせいで、バンクス家の子守りはみんな長続きしない。父親のジョージは規律と秩序が大事だと言い放ち、完璧な子守りを雇えと主張。厳格な父親役を新キャストの小西遼生と福士誠治がWキャストで演じるが、この日はおもに福士が歌い、堅物な銀行員をちょっと嫌味に、またスタイリッシュに表現。ジェーンとマイケルの母のウィニフレッドは続投のふたり、木村花代と知念里奈がWキャストで演じ、バンクス家に華やかさをもたらす。

そんな彼らの家に突如現れるメリー。凛とした美しさが光る濱田、華やかさと清々しさを兼ね備えた笹本と、それぞれのメリーを体現してきたふたりだが、初参加の朝夏は深みある朗らかな声で新たなメリー像を打ち出す。子どもたちに片付けの楽しさを見出させる「お砂糖ひとさじで」、さらには本作を代表するナンバーの一つ「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」、通称「スパカリ」がアンサンブルとともに展開されると、姉弟を含むすべての人々が彼女に夢中。カラフルでポップな美術や衣裳に楽しいダンスはまだお預けだが、あっという間に周囲を巻き込んでいくこれらのナンバーが、あらためて本作の音楽のパワーを印象付ける。さらに1幕最後、バート役の上川が歌う「チム・チム・チェリー」の物悲しくて温かくてノスタルジックな味わいが、その思いを確信に。
日本版初演時からバードウーマン役とミス・アンドリュー役を演じ、その類い稀な歌唱力で観客を魅了してきたのは、島田歌穂。今回、初参加の樹里咲穂がWキャストでこの二役にのぞむが、1幕でバードウーマンとしてメリーとともに「鳥に餌を」を情感込めて歌ったと思ったら、今度は、姿を消したメリーのかわりに登場する、かつてのジョージの子守り、ミス・アンドリューを迫力たっぷりに演じ、福士ジョージを震え上がらせる。アクの強さを打ち出したその歌唱に周囲はニヤリ、メリーとの新旧子守りの白熱バトルは、手放しで笑える物語のスパイスだ。

そんなバンクス家の問題はまだまだ山積み。銀行から停職処分を受けた夫との関係に悩むウィニフレッドは、孤独やプレッシャーと戦うその絶望感を吐露する。この日は知念のきめ細やかな歌唱が、魂震わす1シーンを作り上げた。
もちろん、ダンスの楽しさも本作の大きな魅力。バートと仲間の煙突掃除人たちが屋根の上で繰り広げる「ステップ・イン・タイム」は、バート率いるタップダンスの群舞が圧巻のナンバーだ。アンサンブルが加わり満員電車のようにひしめくシッツプローブではタップは封印だけれど、それでも彼らが放つエネルギーは想像以上。一緒に踊りたくなるような躍動感あふれるシーンが繰り広げられるだろう。
観る人をたちまち引き込む音楽の力を持つ『メリー・ポピンズ』。往年の映画ファンも普段あまりミュージカルに縁がないという人も、観ればきっと、心を鷲掴みにされるはずだ!

取材・文/加藤智子
〈公演情報〉
ミュージカル『メリー・ポピンズ』
〈プレビュー公演〉
日程:2026年3月21日(土)〜3月27日(金)
会場:東急シアターオーブ
〈東京公演〉
日程:2026年3月28日(土)〜5月9日(土)
会場:東急シアターオーブ
〈大阪公演〉
日程:2026年5月21日(木)〜6月6日(土)
会場:梅田芸術劇場メインホール
特別協賛:Sky株式会社
企画制作:ホリプロ/東宝
主催:ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作委員会
[原案] P.L.トラバース
[オリジナル音楽 / 歌詞] リチャード・M・シャーマン、ロバート・B・シャーマン
[脚本] ジュリアン・フェローズ
[新規楽曲 / 追加歌詞&音楽] ジョージ・スタイルズ、アンソニー・ドリュー
[共同製作] キャメロン・マッキントッシュ
[翻訳] 常田景子
[訳詞] 高橋亜子
[出演]
メリー・ポピンズ:濱田めぐみ・笹本玲奈・朝夏まなと(トリプルキャスト)
バート:大貫勇輔・小野田龍之介・上川一哉(トリプルキャスト)
ジョージ・バンクス:小西遼生・福士誠治(Wキャスト)
ウィニフレッド・バンクス:木村花代・知念里奈(Wキャスト)
バードウーマン/ミス・アンドリュー:島田歌穂・樹里咲穂(Wキャスト)
ブーム提督/頭取:コング桑田・安崎 求 (Wキャスト)
ミセス・ブリル:浦嶋りんこ・久保田磨希(Wキャスト)
ロバートソン・アイ:石川新太・DION(Wキャスト) ほか
※トリプルキャスト、Wキャストの出演回は下記よりご確認ください。
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/marypoppins/
公演オフィシャルサイト:
https://marypoppins2026.jp/
SNS公式アカウント:
公式X:https://x.com/marypoppinsjp
公式Instagram:https://www.instagram.com/marypoppinsjp/
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