咲妃みゆ×小関裕太、『レッドブック~私は私を語るひと~』初演への意欲を語る
ステージ
インタビュー
(左から)咲妃みゆ、小関裕太 (撮影:岩村美佳)
続きを読むフォトギャラリー(4件)
すべて見る2018年に韓国で初演、大ヒットを記録しているミュージカルが日本に初上陸、小林香の演出・上演台本・訳詞により『レッドブック~私は私を語るひと~』として上演される。官能的な小説を書くことで社会と闘うヒロイン、アンナを演じる咲妃みゆと、真面目一筋で“紳士”であることしか知らない新米弁護士ブラウンを演じる小関裕太に、作品の魅力、日本版初演への思いを聞いた。
私は私のまま、取り繕わずに飛び込みたい(咲妃)
咲妃 他者を理解し、尊重しながら、自分を見つめて生きていくというメッセージに強く共感し、携わりたいと思いました。演出の小林(香)さんと、またご縁があったらなと願い続けていたことも大きかったです。韓国で舞台を拝見しましたが、俳優さん方の技術力は言わずもがな、作品そのものが持つエネルギーにも圧倒され、『レッドブック』が大切に守り継がれていることに感銘を受けました。
小関 僕はもともと『メリー・ポピンズ』が好きだったのですが、『レッドブック』の舞台は1800年代後半のロンドン、『メリー・ポピンズ』は1910年のロンドンと、時代は少しずれていますが被る部分があり、まずそこに惹かれました。配信されていた楽曲を聴くと、どれも共通して耳心地良く、言葉がわからなくても感情がすごく伝わってくる。その後、咲妃さんとは別のタイミングで韓国に行って舞台を拝見したのですが、やっぱり素晴らしい。クオリティがとても高く、グサッとくる部分がありつつ、日本の方にもこの物語を知っていただきたいと思いました。
──先に配信されたプロモーションビデオでのおふたりの歌唱がとても素敵でした。
咲妃 小林さんがお書きになられた歌詞は無理がなく、日本語で届けるべき言葉が、ちゃんとメロディにそっている印象を受けました。きっと熟考して、あの言葉を紡いでくださったはずです。日本語バージョンも、皆さまにスムーズに受け入れていただけるのではないかなという期待を抱いています。

──おふたりは舞台初共演となりますが、お互いにどのような印象を持たれていますか。
咲妃 全部を受け止めてくださるような、すごく広い心をお持ちのお方な気がして、勝手に安心しています。私は本当にどんくさいし、何でも時間がかかるし、不器用な面をたくさんお見せすることになると思いますが、役柄としても、私は私のまま、取り繕わずに飛び込ませていただこうって思います。
小関 僕も同じタイプです(笑)。同じと言うのは恐れ多いですが、昨年ドラマでご一緒したときも同じようなことをおっしゃっていて、びっくりしたんです。これまでずっと咲妃さんの完璧な姿を拝見してきましたから。
自分らしさってなんだろう? と思うきっかけを与えてくれる(小関)
──女性が固定観念や偏見に立ち向かい、自らの人生を切り拓くというテーマながら、コメディ要素もたっぷりです。コメディ作品への取り組みについては、どのようにお考えですか。
小関 咲妃さんのコメディはもう最高ですよ! 『最後のドン・キホーテ』を拝見してびっくりしました。
咲妃 ありがたいことに、最近ぶっ飛んだお役をいただくことが多くて(笑)。これまでご一緒した諸先輩方の光るセンスを近くで学ばせていただき、いろんな知識を応用して取り組んでいます。あとはやはり、呼吸が大切だなと。今回、私たちにもいっぱいコメディ系のやりとりがありますが、そうしたシーンに限らず、その場の呼吸、瞳と心でしっかりと対話をしていくことで生まれるものを大切にしたいなと。お客様が笑ってくださったらラッキー! くらいに思って、自分から笑いを取りに行かないようにします(笑)。
小関 昨年夏に出演した、鴻上尚史さんの『サヨナラソング –帰ってきた鶴-』がコメディでした。とにかく声を張って身体を使ってという経験で、非常に鍛えられました。相性、呼吸感みたいなものは人それぞれ。咲妃さんとの舞台は今回が初ですが、昨年『波うららかに、めおと日和』というドラマ作品のサブストーリーで初めてお芝居を交わしたとき、すごく目を合わせてくださって、安心感がありました。
咲妃 なぜかというと──ひとりじゃできないから(笑)! 不安しかないんです。

──女性の生き方にまつわる物語は多くの女性の共感を得ていますが、では、男性ならどのような受け止め方をすると思われますか。
小関 男性代表として言えることはあまりありませんが、単純なラブコメというより、登場人物それぞれの思いが散りばめられている物語なので、ご覧になる方によって見方は違ってくるのではないかと思います。みんなキャラクターが濃いゆえに、何か愛おしく見えてきて、「うわ、こういう人いるよね」と笑ってしまいます。
僕が演じるブラウンも、紳士でいようとしているのに女性にペースを崩されてうまくいかなくなり、恋なのか何なのかわからない感情が湧いてくる。これは、自分らしさってなんだろう? 自分がいままで信じてきたものがすべてじゃないかも? と思うきっかけを、押し付けることなしに与えてくれる作品だと感じます。あくまでコメディでライトな作品ですが、そのきっかけが、少しでもお客様に刺さったらと思います。
咲妃 この作品は決して男性を悪として描きたいわけではなく、時代背景に男尊女卑に通ずるものがあっただけ。世の中の流れに影響を受け、自らの思考も傾いてしまう、ということは多々あります。この物語は、女性どうこうの話ではなく、人間の話。シンプルに、ストレートにお届けできたらなと思っています。

取材・文:加藤智子 撮影:岩村美佳
<公演情報>
『レッドブック〜私は私を語るひと〜』
脚本:ハン・ジョンソク
作曲:イ・ソニョン
演出・上演台本・訳詞:小林香
音楽監督:桑原まこ
出演:
咲妃みゆ 小関裕太 花乃まりあ エハラマサヒロ
中桐聖弥 加藤大悟 伊東弘美 KENTARO
可知寛子 栗山絵美 高井泉名 井上花菜
伊藤広祥 感音 坂元宏旬 シュート・チェン
鈴木大菜 米良まさひろ 池田航汰(Swing) 石田彩夏(Swing)
/田代万里生
【東京公演】
2026年5月16日(土)~31日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】
2026年6月27日(土)~30日(火)
会場:森ノ宮ピロティホール
【愛知公演】
2026年7月4日(土)・5日(日)
会場:御園座
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/redbook2026/
公式サイト:
https://redbookjp.com/
フォトギャラリー(4件)
すべて見る
