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ぴあ 総合TOP > 峯田和伸がサプライズ登壇!構想から11年、全世代へ贈る青春群像劇まもなく公開!映画を100倍楽しめるトークショー付き試写会の模様をレポート!

峯田和伸がサプライズ登壇!構想から11年、全世代へ贈る青春群像劇まもなく公開
映画を100倍楽しめるトークショー付き試写会の模様をレポート!

音楽
PR 2026年3月24日
メイン画像

Text:兵庫慎司

2026年3月21日、東京・渋谷LOFT9 Shibuyaにて、映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の、スペシャルトークイベントが行われた。招待制で、試写のあと、監督・田口トモロヲ、脚本・宮藤官九郎、原作・地引雄一と、MCとして高木完が登壇。本作を「100倍楽しめる」トークを行う、という趣旨である。

MCの高木完は、日本のヒップホップの先駆者のひとりとしてよく知られる存在だが、それ以前の10代の頃、東京ロッカーズのバンドたちのライブに通っていて、地引たちとは当時からの付き合い。ミラーズのヒゴヒロシが立ち上げたゴジラレコードから、FLESHのボーカルとして、シングルをリリースしている(当時16歳)。
店の外には映画で使われた新宿ロフトの看板が展示され、店内で映画のオフィシャルグッズの販売も行われているLOFT9で、20時10分に試写が終わると、田口トモロヲ、宮藤官九郎、地引雄一、高木完、だけでなく、予告なしのサプライズ・ゲスト=主演の峯田和伸もステージに現れ、トークがスタートする。
「基本的に、この映画の内容って、ほぼ事実なんですよね。後半は物語性が強くなるけど、前半は実際に自分が見たことが再現されていて。自分の記憶と映像が一緒になって、それをどう捉えていいのかわからない不思議な感情になっちゃって、自然と涙が出てきた」

最初に高木完に映画の感想を問われた地引雄一は、こう答えた。

2015年に前の映画を撮り終えて、次は自分が撮るべきテーマを見つけたいと考えている時に、この原作を読んで、これしかないなと思った。自分はこの本に出てくる人たちの背中を見て活動を始めたので──と言う田口監督は、「この本、映画にするって思えるぐらいの感じなんですね」と訊いた高木完に、「すごい失礼だな。気が狂ってるみたいに言うじゃないか!」。しかし、脚本を依頼された宮藤も、「読んで、どこを映画にするんだろうな? と思った」。一本の物語として書かれた本ではなく、その瞬間瞬間を写真と文章で記録した本なので、そのような疑問が湧いたのだと思われる。
「だから最初は、もっとドキュメンタリー・タッチの映画にする、という話だった。で、峯田くんが地引さん役で、地引さんの目線で描いていく、とトモロヲさんから聞いて、それならイメージできるな」と宮藤。
その段階では、作品内に多数登場する、地引が撮った当時の写真と映像が地続きになるように、全編モノクロの映画にする、と田口監督は言っていたそうだ。「撮影現場に行ってモニターを見たら『あれ、モノクロじゃない!』って気がついたんですけど」と言う宮藤に田口監督、「その頃にはもうすっかりそんなこと忘れてました。まあ10年経ってますからね」。
FRICTIONのレックもザ・スターリンのミチロウも、「俺はこれをやる!」という確固たるものがある人だから、映画の主人公にするには超越しすぎている。でもリザードのモモヨは葛藤がある感じがして、そこにドラマがあると思ったので、彼をまんなかに持ってきた。DEEPが「みんなそれぞれやってるけど、心配なのはモモだよ」と言うのは、自分がそんなふうに感じていたから、入れたセリフです──と、宮藤。

なお、彼は、撮影現場に二度行ったそうで、一度目は「どうしても見たかったので」、解剖室のライブで未知ヲ(仲野太賀)が全裸で暴れ回るシーン。二回目は、軋轢とユーイチが銭湯に入るシーンだそうだ。宮藤「裸が見たい人みたい」と自らにツッコミを入れる。
なお、前者に関して、「現場に行ってびっくりしたのは、今時、本物じゃなくてもいいんじゃない? って物まで本物が用意されていて」。未知ヲが投げまくる豚の頭や臓物のことである。峯田「すぐハエがたかるんですよ」。
そのほかも、衣装、TOKAGEや軋轢のアルバム・ジャケット、チラシなど、わずかしか画面に映らないものまで含めて再現度がすごかった、と、それぞれが称賛。美術や装飾や小道具の若いスタッフたちの、そんな熱心な仕事ぶりを見て、「この映画はいける」と、田口監督は思ったそうだ。

新宿ロフトのセットは、地引が撮った当時の写真を元に作ったが、元のロフトを設計した建築家も見学に来て、その再現度に驚いていたという。「最初に見た時、思ったのは、こんなすごいものを作れるんだったら、まず俺の家を立ててくれよ!」と、田口監督。
原作のライブ写真の客の中に、若き日のECDさんが写っている。僕の友達にそっくりな奴がいるから、エキストラで呼んだんだけど、仕上がりを観たらちゃんと映っていてホッとした──と、峯田。高木完と同じく日本のヒップホップの先駆者で、その後は作家としても活躍したが、2018年に亡くなったECDも、東京ロッカーズに影響を受けた表現者のひとりである。

原作者として印象に残ったシーンは? と高木に問われた地引、「峯田くんと吉岡さんが、でき上がったばかりのレコードを持って夜の街を走るシーンは、ジーンとしました」。

高木「あんなことやらないですよね?」

地引「あ、絶対やってない」

田口「やったって言っとけばいいのに!」

というやりとりに、客席は爆笑。峯田は「人生で最初で最後、初めて女の子と一緒に走りました。宮藤さん、(あのシーンを)書いてくれてありがとうございました」とお礼を言う。
それまで自分たちを「自主製作」とか「マイナーレーベル」と呼んでいたが、映画の中のイベント『DRIVE TO 80s』の2年後、同じ新宿ロフトで7日間のイベントをやった時に、初めて「インディーズ」という言葉を使った。イギリスのロック雑誌でその言葉を知った──という逸話も、地引は明かした。
なお、地引と高木の企画で、今年の4月30日(木)・5月6日(水・振休)・7日(木)に、新宿ロフトで、『DRIVE FROM 80s』というイベントを企画することも、ここで改めて告知された。「『DRIVE TO 80s』に出ていたミュージシャンで、今も現役の人たちに声をかけたら、それだけでメンバーが揃った」とのこと。NON BANDやS-KEN、リザード・トリビュート・バンドのほか、突然段ボールやヒカシュー、戸川純や立花ハジメ等も出演する。

自分たちの手でレコードを作ったり雑誌を作ったりする当時の若者達を描いたこの映画は、SNSやYouTubeで誰もが情報をアウトプットできる、つまり「自分で作って自分で発信できる」現在と地続きなのではないか、という、高木と監督の話をきいて、「この時代を知らない若い人たちがどう思うか、そこがいちばん大事なところだと思う」と答える地引。
「観る人を限定する映画にはしたくなかった。あらゆる世代の人に観てもらいたいので、苦心して、なるべくポップに、観ている目が楽しいように作りました」と、田口監督は言葉を足した。

ミュージシャンをメインにせず、演奏しないユーイチをメインにしたことで、ロックの映画なのに発散しない映画になった、という良さがあると思う。だってみんな、やりたいのにできない人たちの目線で観ると思うから。ユーイチが「俺もバンドやろうかな」と言って、「やめなよ、ユーイチまでこっちに来なくていいよ、まともな奴がいなくなるから」と言われる、という、原作にはないセリフを入れたのも、そのためです──という、とても重要な話も、宮藤官九郎から出た。

演奏しない、歌わない役を峯田くんがやるというのもいい。最初は「歌わないの?」ってびっくりした、と高木完。峯田も浜野謙太も渡辺大知も、ミュージシャンは誰も歌わないのは? と問われた田口監督は、「あえて、です」と答える。
あえてミュージシャンを出しつつ、歌わせない。俳優さんが全部バンドのパフォーマンスをやって、それを目撃する峯田くん、という構造がおもしろい。自分の映画全部に峯田くんに出てもらったが、登場人物みんなの芝居を受ける役はなかった、次はそれをやればおもしろくなると思った、と、田口監督は解説した。「それで最後、『宣戦布告』で思いっきり歌う、という」。
高木完は、先にも書いたFLESHのオリジナルの7インチを、ミニコミ「CHANGE 2000」のスタッフからもらってきたそうで、宮藤・田口・峯田にプレゼントし、3人とも大喜び。高木「地引さんは?」地引「持ってるよ」。

そして最後に、それぞれからメッセージが。宮藤官九郎は、「ほんとに本、買った方がいいと思う」と、3月27日(金)に再編集の上で復刻刊行される、原作本『ストリート・キングダム 最終版 東京ロッカーズと80’sインディーズシーン』(SLOGAN/indies press刊・税込3,960円)を、来場者たちに推薦する。
こんなに時間をかけて作るつもりはなかった、最終的に公開まで11年もかかってしまった、でもそれだけ時間があったことによって、このリスペクトすべきキャストとスタッフが揃った。この時間はこの作品にとって必然だったんだなと思う──と、田口監督。
自分が初めて演技をした映画『アイデン&ティティ』の20周年記念上映会が、3年前にここであった。その時、原作のみうらじゅんと田口監督と自分のトークが終わったあと、映画のプロデューサー小西啓介に「『アイデン』を大好きな、会わせたい人がいる」と言われて初めて会ったのが、若葉竜也だった。その時はまさか若葉くんがモモヨ役をやるとは思っていなかった──と、峯田。
『ストリート・キングダム 最終版』のあとがきにも書いたが、50年近く前に始まった物語が、この映画で大団円を迎えた気がしている。次はこの映画を観た人たちが、新しい物語を始めるんじゃないかな、そういう期待を持っています──原作者・地引雄一は、そう締めくくった。

『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』の公開日の翌日である3月28日(土)には、TOHOシネマズ日比谷で二回、そしてこの日グランドオープンになるTOHOシネマズ大井町で二回、舞台挨拶が行われる。
日比谷には峯田和伸・若葉竜也・吉岡里帆・仲野太賀・間宮祥太朗・宮藤官九郎・田口トモロヲ監督が、大井町には峯田和伸・若葉竜也・吉岡里帆・宮藤官九郎・田口トモロヲ監督が、登壇する。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』映画を100倍楽しむ深掘りスペシャルトークイベント付き試写会

3月21日 東京・渋谷LOFT9
登壇:地引雄一(原作者)、田口トモロヲ監督、宮藤官九郎(脚本)、高木完(MC)
サプライズゲスト:峯田和伸

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』本予告

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』

3月27日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
出演:峯田和伸 / 若葉竜也
吉岡里帆 / 仲野太賀 / 間宮祥太朗 / 中島セナ
神野三鈴 / 浜野謙太 / 森岡龍 / 山岸門人
マギー / 米村亮太朗 / 松浦祐也 / 渡辺大知
大森南朋 / 中村獅童
監督:田口トモロヲ
原作:地引雄一「ストリート・キングダム」
脚本:宮藤官九郎
音楽:大友良英
エンディング曲:「宣戦布告」(峯田和伸/若葉竜也)
企画製作・配給宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
©2026映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』製作委員会

『ストリート・キングダム 最終版 東京ロッカーズと80’sインディーズ・シーン』

地引雄一 写真・文
判型:A5判
ページ:約350ページ
発売日:2026年3月27日(金)
発売:SLOGAN / indies press

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』サウンドトラック

音楽:大友良英
発売日:3月20日(祝・金)
価格:3,500円(税込)
仕様:CD 1枚組(23曲収録)
Licensed by ハピネットファントム・スタジオ
Ⓟ2026 Distributed by ディスクユニオン

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