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アラン・エイクボーン「Private Fears in Public Places」日本初上演! 鈴木壮麻×樋口麻美インタビュー

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チケットぴあ

(左から)鈴木壮麻、樋口麻美

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2019年の舞台が好評だった「嘘と勘違いのあいだで」と同じく、英国の劇作家アラン・エイクボーンの作品で、2004年イギリスで初演、2006年には名匠アラン・レネ監督により『六つの心』(邦題)として映画化され、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞(監督)を獲得した戯曲、『Private Fears in Public Places』が日本で初めて上演される。除隊させられた元軍人で酒浸りの生活を送るダン、その婚約者で彼と暮らす部屋探しをするニコラのふたりを、それぞれWキャストで演じる鈴木壮麻と樋口麻美が、出演への意気込みを語ってくれた。

――戯曲を読まれての印象をお聞かせください。

樋口 映画は拝見していませんでしたが、戯曲はとてもシーンチェンジが早く、まさに映画のようだと思いました。約20年前の話ということで、いまコンプライアンス的に判断すると結構ギリギリなことが多いな(笑)、とも思いました。登場人物一人ひとりがカット割りされていて、それぞれの人生をものすごく生々しく描いているという印象で、こちらも心を脱がないと表現できない作品だと思いました。

鈴木 本当に麻美ちゃんが言ったようにシーンの数が多く、しかも「え!? ここはそんな風にピンポイントなんだ!?」みたいなシーンも多くあり。6人での一幕ものはなかなか大変そうですけど、本邦初演ということですごく楽しみです。

――登場人物たちが、それぞれに人生のままならなさを抱えて、すれ違いがあったり、孤独を感じていたりしますが、共感する部分はありましたか?

樋口 ニコラは自分と感覚が似すぎていて、ちょっと怖いくらいでした。「ああやって一人になることあるよなぁ」って。でも、そういう女性、実は少なくないと思います。女性が3人出てきますけど、(世の中の女性の)誰かしらにフィットするよう書かれているのではないかと。この作品以外もアラン・エイクボーンの戯曲を何作か読ませていただきましたが、女性の描写に関して、男性が書いているのにグーっと女性の心に迫ってくるところがあって、女性なら誰でも共感できることが描かれていると思います。

――特にどういう部分で近いと感じたんでしょうか?

樋口 孤独ですね。ダンと出会ってどんどん深みにはまっていきそうになるけど、すれ違いが生じて離れていく――そこでも孤独がゆえにダンにすがるけど、どこか自分の中の空洞に入っていってしまうようで、誰と一緒にいても常に孤独、誰かと結ばれたとしても孤独で、一人になった時のどん底に落ちていく感じ、ドツボにはまっていく感じですね。

鈴木 言葉は悪いけど、ある種の“メンタルポルノ”なんじゃないかと思いました(苦笑)。しかも、お客様との距離感がとても近い劇場。この距離感でお客様の前ですべてをさらけ出していくのか……? と。
演じるダンについては、「これはあて書きですか?」みたいな部分がたくさんありました。女の子と部屋探しをしたり、バーでの「もう一杯だけ……」というやりとりだったり、「え!? 俺のこと見てた?」って思うくらい(笑)。英国で将校というのはエリートですし、そんな彼が同じく上流階級の彼女と出会って、倦怠期も乗り越えて、と思ったらすべてを失ってしまう。その喪失感の中で彼女とすごすのは、どんなにつらいことかと思います。僕もここまで生きてきて、それなりに喪失感を味わったこともあるし、その時に飲んだお酒の味も覚えているし……どこか演じながら、自分たちの私生活を切り売りするような感覚に陥るのではないかと危惧しています(苦笑)。

樋口 本当にそう思います(笑)。

鈴木 普段、SNSで仕事以外のプライベートを見せるようなこともしてないのに、お金をいただいて舞台上でやることになるとは……。ある意味、順風満帆で平穏無事な人生を歩んでこなくてよかったのかもしれません。

――元吉さんが会話劇をどのように演出するのかも楽しみですが、元吉さんについてはどのような印象をお持ちですか?

樋口 ミュージカル『ジェイミー』に出演した時、元吉さんが演出補をされていて、役についてたくさん調べて、深掘りをしてくださって。そのお話がすごくためになったんです。ですから深く信頼させていただいていいますし、委ねたいと思います。

鈴木 僕は、板垣恭一さんに演出助手として付いていた時の元吉さんとご一緒する機会が多かったんですが、何度か再演もあって、気心も知れていて信頼しているので今回、直接演出していただけるのがすごく楽しみです。

デリケートな男女の関係
微妙な距離感を二人で

――お二人は劇団四季の先輩・後輩の関係でもありますが、退団後にコンサート以外の作品でご一緒されるのはこれが初めてだそうですね?
お互いの印象についてお聞かせください。

樋口 私はお顔を直視できないくらい、震えあがっております。

鈴木 なんでよ(笑)?

樋口 もう大大大先輩ですから。雲の上の方です。ダンとニコラの関係までたどり着けるのか? と不安しかありません。

鈴木 こう言っていて、彼女はパンっと役に入っちゃうんです。僕は劇団にいた頃からバレエが苦手で、レッスンをいつもサボっていて(苦笑)。そこにある日、鳴り物入りですごい子が入ってきたんです。何から何まで完璧で「こういう子いるんだよなぁ」って思いながら見ていたんですが(笑)、あれよあれよと重要な役を任されるようになって、歌も張りのある声がすごく素敵で……。“大大大先輩”である僕らはそんなことを話しながら麻美ちゃんを見ていました。2018年頃かな? 一度コンサートでご一緒したら、やはり「さすが!」という感じで、本当に尊敬している女優さんです。

樋口 何をおっしゃいますか! いまの部分の音声、コピーをいただいてもいいですか(笑)?

鈴木 劇団を離れてからも、地に足をつけて活躍されているって本当にすごいことです。特に30代、40代って激戦区ですから。

――そんなお二人がこの役柄で共演されるのが楽しみです。

鈴木 二人だけの会話って、そんなに滑舌よくハッキリ話すものじゃないですよね、普通。とはいえ、お客様が「何をしゃべっているのかわからない」という状態にはしたくない。そのデリケートな関係性、微妙な距離感を麻美ちゃんとどうやってつくっていくのか? すごく楽しみです。劇団時代、フランスの戯曲をやる時などに浅利慶太さんから「世の中の人は、男女の恋愛の姿が見たいんだ。そこをちゃんと見せてくれ!」と言われましたけど、まさにそんな戯曲だなと思います。

樋口 すごく自分と重ね合わせやすいと思いますし、一方でお客様の感性や想像に委ねる部分も多いと思います。想像力をかき立てられる準備をして、劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

鈴木 「こういうことあった……」と思い出しながら、「観ていてつらいなぁ……」と思いつつ、観終わったらスッキリしていただけると思います。

取材・文/黒豆直樹
撮影/矢野智美

〈公演情報〉

『Private Fears in Public Places(プライベート・フィアーズ・イン・パブリック・プレイシーズ)』

日程:2026年4月24日(金)~5月24日(日)
会場:シアター代官山

[脚本]アラン・エイクボーン
[翻訳]小田島創志
[演出]元吉庸泰
[出演(すべてWキャスト)]
ダン役:駒田一・鈴木壮麻
ニコラ役:彩輝なお・樋口麻美
アンブローズ役:原田優一・塩田康平
シャーロット役:増田有華・音くり寿
スチュワート役:稲垣成弥・田中尚輝
イモージェン役:冨川智加・山本咲希

※Wキャストの出演回、およびアフタートークの実施予定は下記よりご確認ください。

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/privatefears/

公演オフィシャルサイト:
https://private-fears-in-public-places.studio.site/

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