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杏、3人の子を連れフィンランドへ! 共同製作ドラマの裏側にあった母の決意と新境地への挑戦

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杏 撮影:シン イシカワ(Sketch)

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日本×フィンランド共同製作による『連続ドラマW BLOOD & SWEAT』がWOWOWにて放送・配信されている。日本とフィンランド両国を舞台に、連続猟奇殺人事件の行方を描く本作。主人公の警視庁捜査一課の刑事・涼宮亜希を杏が演じる。放送・配信開始を前に、杏がオンラインでのインタビューに応じ、3人の子どもたちを連れて、3カ月にわたりフィンランドに滞在して臨んだ撮影の様子や、亜希の相棒の刑事・ヨンを演じたフィンランドの国民的俳優ヤスペル・ペーコネンとの共演などについて、たっぷりと語ってくれた。

――日本とフィンランドの共同製作という本作の企画を聞いて、杏さんが「出演したい」と思えたポイントを教えてください。

 海外作品に参加したいという思いは、以前からあったのですが、やはり映画であれば約1カ月、連続ドラマとなると3~4カ月はかかるということで、たとえ日本に住んでいて日本国内での撮影だったとしても、子どもを育てていく上で、どうしても(出演には)ハードルがあると思うんです。今回はもう本当に懐に飛び込んでいくという感じで、子どもたちを連れてフィンランドに行けるように、手はずを整えてくださるということでしたので、状況として恵まれていました。それから、ふたつの国を結ぶミステリーという部分で興味深いエッセンスがたくさん入っているなというふうに感じました。

――演じる亜希というキャラクターに関して、ご自身と重なる部分はありましたか?

 思い立ったら居ても立ってもいられなくなってしまうところであったり、すごくせっかちなところ、やりたいと思ったらまずやってみようと思ってしまうところは、亜希と近いのかもしれないなと思います。

ただ、亜希に関しては殺人事件を担当する捜査官であり、そういう立場を考えたら、さらに大胆だなって思います。

――最近、やりたいと思い立ったらすぐに行動に移してしまうという気性が発揮されたエピソードはありますか?

 (現在、居住している)フランスはバカンスがすごく多くて、明日から冬休みなんですけど、子どもたちひとりずつと旅行がしたいなと思い立って、(旅行中に残される)2人を見ていてもらえる手はずが整ったので、すぐに1日のうちに予定を3つ組みました(笑)。

――今回、英語での芝居が多くを占めていましたが、苦労された点などを教えてください。

 やはり半分以上のセリフで英語を使うということで、また捜査の推理をする際に使うというのが、日常会話に全く出てこないような言葉ばかりなんですよね。発音もそうですし、言葉に感情を乗せるときに、ただセリフを覚えて言うだけでなく、どこで区切り、どこを強調するかによって全然ニュアンスが違ってくるということもあって、セリフの指導をしていただくときに、シェイクスピアの「To be, or not to be,」(「ハムレット」)の話を伺いました。「not」を強調するのか? 「be」を強調するのかでニュアンスがガラッと変わってしまうということだったんですが、日本語の感覚、これまでやってきた演技の感覚でも、たしかにそういう部分はあって、「これ“が”」と言うのと「“これ”が」で変わってきます。

もちろん、英語にもいろんなニュアンスがあって、言葉が変わっただけで、こんなに分からなくなっちゃうのかという不安はひとつひとつありましたし、そこはこれからの課題でもありますし、今回取り組んだ上での大きな学びとなりました。

――フィンランドでの撮影の感想、ヨン役のヤスペル・ペーコネンと共演されての印象などを教えてください。

 フィンランドの言葉は、発音がすごく日本語に近いなと思ったのですが、言語自体は英語とも全く違う言語らしく、現場ではどんな感じで交流するんだろう?と思いました。ただみなさん、現場に限らず、街の人々も、本当に流暢でキレイな英語をお話しておられて、すごく聞き取りやすいし、「寒くない?」と優しく気遣ってくださりました。

ヤスペルさんは、フィンランドでサウナレストランを経営されていて、おすすめのサウナを教えてくださったりとか、日々の暮らしの部分について、心配してくださったりしました。

逆に彼やフィンランドのチームが日本に来て撮影を行なった際は、私が「大丈夫?」とか「こういったものがあるよ」というお話をしたり、お互いが異文化の環境で過ごす際に、サポートするという感じの現場でした。

フィンランドに行くと、必ずヤスペルさんのポスターを見かけるし、私が日本で友だちとサウナに行って、ちょうどフィンランドの話をしていたら、横にいた方がフィンランドのタンペレの方で「ヤスペルさんと一緒に仕事したよ」と話したら「もちろん知っている!」と言われました。

――フィンランドにお子さんも一緒に約3カ月にわたって滞在する中で、印象的だったことや驚いたことはありましたか?

 ヨーロッパおよび日本以外の国では、基本的に親が小学生の子の送迎をする決まりになっているんですけど、フィンランドの子どもたちは自分たちで通っているんです。しかも、冬は日が差さないので、朝は真っ暗なんですけど、その中で小さい子もリュックサックを背負って、通っていたりするんです。

それから、給食の時間が午前中の10時半だったのは結構、カルチャーショックでした。そのかわりご飯のタイミングが4~5回あるんです。夕ご飯を食べた後、寝る前に食べたり、そうやって刻んで食べる習慣があったりして、おそらくすごく寒いので、(エネルギーを)消費しちゃうからだと思いますが、文化の違い、気候の違いで、生活習慣も違っていて、全てがとても面白かったです。

――日本をフィンランドから見たらこうなんだ、というのを実感したエピソードや、日本とフィンランドの共通点を感じた部分があれば教えてください。

 日本ではサブカルも注目されますが、フィンランドも、エアギターの世界大会が開催されたりとか、あとはフィンランドの人たちはカラオケが大好きで、レストランの2階でカラオケができるようになっていたり、サウナとカラオケが一緒になっていたりして、国民性が似ているのかなと感じました。普段は静かにしているけど、そういう場を与えられたら思いきりはしゃぐという(笑)。

日本でもカラオケに行くと思い切り歌う人がいますけど、フィンランドにも同じくそういう人がいます。雪国で人口も少なく、密度も小さいので、普段は積極的に交流をしないけれども、でも何となく、誰かが来たら嬉しくて……という部分があって、そこは日本とフィンランドで共通しているのかなと感じました。

――実際に共演者やスタッフの方たちとカラオケに行く機会はありましたか?

 劇中でカラオケのシーンがあったので、その場所で中打ち上げみたいな感じで、みんなで歌ったりしました。日本の最新のJ-POP、優里さんとかAdoさんとかも入っていて、ただ(歌詞の字幕が)日本語ではなくてローマ字なので、読むのが大変みたいな(笑)。意外とみなさん、日本の曲を知っていました。

――雪景色が印象的な作品で、極寒の中での撮影もあったかと思いますが、肉体的、精神的に過酷で印象的だったシーンを教えてください。

 話の流れで、裸足で雪の上に立った瞬間は結構「冷たいな……」と思ったんですけど、ただ第1話の冒頭でヤスペルさんが氷の湖に入られていて、そこまでは私はなかなかできないなと思いました…(笑)。

フィンランドの方たちはみなさん「マイナス5度からマイナス10度ぐらいがちょうどいい」みたいなことをおっしゃっていて、「うそ!?」と思っていたんですけど、実際に何日もいると、たしかにマイナス5度からマイナス10度が一番景色がきれいで、雪も溶けないんです。マイナス5度から0度、さらに気温が上がると、どんどん雪が溶けて、滑ったりしちゃうんですよね。「だからか」と合点がいきました。

それと、私は寒さがすごく苦手なんですけど、ちゃんと装備をしていれば、意外と大丈夫なんだなと実感しました。特に北欧ブランド、フィンランドのスノーブーツや服を着ていると、用途がこの気候に合っているので、あまり寒さを感じなくてすごいなと思いました。

――フィンランドの撮影の中で目にした光景や景色の中で、忘れられないという瞬間があれば教えてください。

 すごく感激したのは、私が訪れた時期はだいたい湖がどこに行っても凍っているんですが、よく見ると、さざなみのまま凍っているんですね。目に見えない風が固まっているような――そういった、ただの平面の氷ではなくて、本当に動画を一時停止したような景色が目の前に広がっていました。

雪の雲というのは、少し重かったり、真っ白だったりして、本当に時が止まったかのように見えるんですね。青空に雲が浮かんでたら動きを感じるんですけど、それが全くない、真っ白な世界の中で、波が波の形のまま残っているという景色がすごく印象的でした。

インプットとアウトプットを常にし続ける自分でありたい

――以前から海外制作の作品に参加したいと思っていたとのことですが、実際に経験されてみて、ご自分の中で新しい経験として確実に得られたと感じること、逆に次またやるのであれば、こういう部分をより大事にしたいと感じたことなどを教えてください。

 外国語でお芝居や仕事をするということに関しては、やはりいくら突きつめても、先は長いなと感じました。もちろん、母国語でもまだ「もう自分はできます」というところまで到達はしていないんですけど、外国語となると、さらに先は長いというか、尽きないなというふうに感じています。そこにワクワクする部分もあるし、「よし、頑張らなければ!」と思う部分がありますね。

――実際、外国語で演技をする際、もちろん発する言葉が違うというのはありますが、思考回路みたいなのがチェンジされる部分、スイッチが切り替わるようなところもあるんでしょうか?

 おそらく、表現の部分で、表情やしぐさと言う部分で、英語で話したり、お芝居しているときは、日本語のときとは変わってくるのかなというふうに感じました。

――現在、日本とフランスを拠点にお仕事をされていますが、いま現在、仕事に関して「この仕事はやってみたい」と思うポイント、仕事をされる上で、大切にされている軸となっていることなど、仕事選びに関してのスタンスを教えてください。

 今回は、フィンランドで本当に恵まれたというか、みなさんにご協力をいただいて、家族を連れて行けることになり、ロケが行われたタンペレという街に、幸い、本当にたまたまフランス語の学校があったりもして、いろんな条件が重なって行けた部分が大きいと思います。やはり親として、子どもたちをケアできることが最優先であって、その上で、どこまで自分が思い切りできるか?とかやりたいことをやれるか?ということが、いま現在、あるいは今後10年ぐらい大きな課題となってくるのかなと思っています。

――興味という部分に関して、ご自身の中で「こういうことをやりたい」、「こういうことに惹かれる」ということはありますか?

 やはり、私は仕事のオファーをいただく立場であり「自分がどんな役をやるか?」ということは、いつも分からない状態ですし、例えば半年後に自分が何をやっているのかも全く読めないですね。それは、不安でもあるのですが、逆にいつ何が来ても応えられるように、興味を持てるような心の余裕みたいなもの、あるいは下地というものを構築していけるように、インプットとアウトプットを常にし続ける自分でありたいなと思っています。

<作品情報>
日本×フィンランド共同製作ドラマ『連続ドラマW BLOOD & SWEAT』

毎週日曜午後10:00 放送・配信中(全8話)
第1話無料放送【WOWOWプライム】/第1話無料配信【WOWOWオンデマンド】

取材・文:黒豆直樹
撮影:シン イシカワ(Sketch)
ヘアメイク:高桑さとか
スタイリスト:中井綾子(crêpe)

●4_JK×ロングスカート
L’UNE
ジャケット:126,500円(税込)
スカート:93,500円(税込)

【問い合わせ先】
ラトリエ・エム 03-6805-1215

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