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NODA・MAP第28回公演『華氏マイナス320°』ついに開幕! ゲネプロの模様をレポート!

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NODA・MAP 第28回公演『華氏マイナス 320°』より (撮影:岡本隆史)

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阿部サダヲ、広瀬すず、深津絵里らが出演するNODA・MAP第28回公演『華氏マイナス320°』(作・演出:野田秀樹)が4月10日(金) より東京芸術劇場(東京・池袋)にて開幕する。前日にゲネプロがおこなわれ、関係者、報道陣に向けて公開された。

阿部、広瀬、深津、野田に加えて、大倉孝二、高田聖子、川上友里、橋本さとし、橋爪功、さらに16名にもおよぶアンサンブルキャストが出演する。野田は本作を「正しくない科学に基づいた、正しくないSF(サイエンス・“フェイク”ション)」と語る。レイ・ブラッドベリが1953年に発表したディストピアSF小説「華氏451度」のタイトルは紙が燃える温度のことだが、“華氏マイナス320℃”とは何を意味するのか?(ちなみに華氏32℃=摂氏0度、つまり水が凍る温度であり、マイナス320°はその10倍)

開演前からステージ上には複数の人々がおり、黙々と発掘作業を行なっている様子が見られる。どうやらそこは化石の発掘現場のよう。物語が進む中で、裏ヶ有(うらがある)助手(川上)、表無(おもてなし)助手(野田)、バイオテクノロジーを専門とする新任の教授でノーベル賞に最も近いと言われる窮理(きゅうり)教授(深津)、そして、助手ならぬタスケテと呼ばれる男性(阿部)が登場する。

窮理教授が到着すると、現場のあちこちから恐竜の骨の化石、人魚の骨の化石が発見される(これらの化石の骨格を、深津とアンサンブルキャストたちが、腕を組み合わせ、肉体を駆使して見事に表現!)。だが窮理教授はそんな化石には目もくれようとしない。彼女が探し求めているのはただの化石ではなく、人類の“夢”を叶えるのに必要な「謎の骨」だという。

さらに、この研究をビジネスチャンスと見てスポンサードしている製薬会社の会長ウーロン・チャー(高田)、彼女の弟で会社の実権を狙っているウーロン・デスマスク社長(橋本)らも登場し、「謎の骨」を巡る骨肉の争いが展開していく。

タスケテは、自身が科学のおかげで命を長らえることができたとして、科学への恩返しをしようと「謎の骨」の起源を求めて現代から中世、古代へと旅立つ。中世では、命を巡る研究に没頭する老研究者・ファウスト(橋爪)が若さを求め、メフィスト(広瀬)と取引を行なう。さらに、ファウストが実験に使用しているネズミたちを解放しようとするハーメルンの笛吹き男(大倉)も現れ……。

これまで、さまざまな歴史上の出来事や事件を作品のモチーフとしてきた野田だが、本作でも実際に起こった、社会に衝撃を与えた事件を扱っている。そこで描かれるテーマは「命」。科学が目覚ましい発展を遂げ、人類はより良い社会を築こうと前へと進み続けるが、進歩とは何なのか? “より良い”とはどういう意味なのか? 登場人物のひとりが「人類がいつのまにか神様よりも高いところに住んでいる」というセリフを口にする。“最高”を追求し続けた、その先にあるものは――? 野田の“命”に対する問いかけは、科学の発展を享受した生活を送っている我々に、凄まじいまでの重みをもって跳ね返ってくる。

“衝撃”と言うにふさわしいクライマックスが待ち受ける本作だが、それぞれの役柄を演じる俳優陣がいずれも最高の演技を見せている。阿部は「科学への恩返し」という思いを研究者や企業家たちに利用され、科学の犠牲となり、翻弄される素朴な男性・タスケテを好演。

野田の『Q』:A Night At The Kabuki以来、2度目の舞台出演となる広瀬は、阿部が演じるタスケテと“対”の関係にあると言えるメフィストを演じるが、「悪魔で(あくまで)天使」というセリフの通り、声のトーンから表情まで、時代やシチュエーションによって多彩な変化を見せる。舞台上では身体性の高さを存分に発揮し、まさに体を張った演技で見る者を魅了する。

久々のNODA・MAP出演となった深津は、クールな力強さを見せつつも、研究者としての欲求と倫理、そしてビジネスのはざまで揺れ動き、葛藤する窮理教授を見事に演じ、堂々たる存在感を発揮している。

大倉、高田、川上、橋本、橋爪ら脇を固める実力派のキャストが、ひびのこづえによる独創的な衣装に身を包みながら見せる、時にコミカルで時に重厚な演技合戦も必見! もちろん、野田自身もどのキャストよりも若々しく、舞台を縦横無尽に駆け回る。

「謎の骨」とは何なのか? 華氏マイナス320°が意味することとは?

なお、本作は東京公演ののち、北九州公演を経て、7月2日から11日までロンドンでの公演も開催。その後大阪公演を予定している。

取材・文:黒豆直樹 撮影:岡本隆史

<公演情報>
NODA・MAP第28回公演『華氏マイナス320°』

作・演出:野田秀樹

出演:
阿部サダヲ 広瀬すず 深津絵里
大倉孝二 高田聖子 川上友里 橋本さとし
野田秀樹 橋爪功

【東京公演】
2026年4月10日(金)〜5月31日(日)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス

【北九州(福岡)公演】
2026年6月6日(土)〜14日(日)
会場: J:COM北九州芸術劇場 大ホール

【大阪公演】
2026年7月22日(水)~8月2日(日)
会場:新歌舞伎座

【ロンドン公演】(英語字幕あり)
2026年7月2日(木)~11日(土)
会場:サドラーズ・ウェルズ劇場
※『-320°F』として上演。
※日本国内でのチケット取り扱いなし。

関連リンク

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/kashi/

公式サイト:
https://www.nodamap.com/

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