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『Grasshopper vol.39』最も激しく、最も自由な一夜――Dimrays、Earthists.、The Cards I Playが渋谷で共鳴した熱狂のライブレポート

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Grasshopper vol.39

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2月20日、渋谷Spotify O-Crestにてライブイベント『Grasshopper vol.39』が開催された。

チケットぴあの部署を越えた有志若手社員によって立ち上げられ、さらなるステップアップが期待される新鋭バンドをフックアップする対バンイベントとして開催を重ねてきた『Grasshopper』。これまではいわゆる「邦ロック」文脈で語られるバンドの出演がメインだったが、今回はどうやら毛色が違う様子。Dimrays、Earthists.、The Cards I Playとラウド〜ヘヴィなサウンドを武器にした3組が集い、『Grasshopper』史上最も激しい一夜が繰り広げられた。

■Dimrays

Dimrays

トップバッターは茜(Vo)と㮈灯(Ba)による大阪発のメタルコアバンド・Dimrays。『MIXED HELL 2025』や『Zephyren Presents A.V.E.S.T project vol.19』など注目イベントに続々出演している彼女たちだが、支持を集める理由はライブを体感すれば一目瞭然だった。

Dimrays

一曲目の「Fr」から、獰猛なシャウトに芯のあるクリーンボーカル、さらにはトラップビートに合わせたラップまで、自由自在のマイク捌きで場を掌握してみせる茜。続く「False Hood」では、ヘヴィなギターリフにアンビエントなシンセの音色、幻想的な歌メロを交錯させるなど、異なるエッセンスを巧みかつ貪欲に練り上げていく。しかし、何よりも印象的なのはその根底にあるエンタメ精神だった。シリアスな世界観を楽曲で表現しつつも、茜は最前列のオーディエンスのスマホを奪い取り気ままに動画を撮影、さらにクラウドサーファーとハイタッチを交わすなど、あくまでライブを楽しみ、楽しませる姿勢に一切のブレがない。

Dimrays

MCでは、この日『Grasshopper』スタッフがダイバーをキャッチするセキュリティを務めていることを明かし、「それなら激しいフロアにしないと意味ないから!」と煽り立てる。焚き付けられたオーディエンスは、投下された「Get Over」にモッシュとダイブ、ツーステップで応答。茜曰くメンバーは久々のライブで緊張していたそうだが、フロアとステージの相乗効果によって、パフォーマンスもみるみるうちにアグレッシヴさを増していった。

曲中にも茜と㮈灯はマイクを通して言葉を交わし、「Mr.Coward」のモッシュパートにて「誰が見してくれんねん?」という投げかけに反応したオーディエンスに「カッケーな!」とこぼすなど、Dimraysのライブは激しいはずなのにフレンドリーだ。「疲れたそぶり見せたら殺すからな!」というおっかない言葉にも、どこか信頼が滲む。

Dimrays

終盤には、曇り空から光が差すヘヴィバラード「Pain≒t」を披露。茜のクリーンボーカルがエモーションの頂点に達したその先で、シャウトとギターソロが交わる楽曲展開が秀逸だ。「しんみりと終わるわけないやろ!」と、ラストはシンガロングやブレイクダウンなどてんこ盛りの「Bad Taste」でもう一度フロアに火を点けた。

Dimrays

■Earthists.

Earthists

煌びやかなSEを背負って登場したEarthists.のライブは、独自の音楽性を開花させたEP『HYPERMETAL』と同じく「METAHOPE」からスタート。Yui(Vo)の高精度なメロシャウト、Yuto(Gt,Vo)の清涼感に満ちた歌声がキャッチーな旋律を紡ぎ、オーディエンスの拳が高く挙がる。プログレッシヴ・メタルコアバンドとしての出自を感じさせる複雑なブレイクも差し込んで、熱量は右肩上がりだ。

「全員で一つになろう!」という投げかけに続く「Yours」は、フロアを揺らすバウンシーな一曲。鼓膜を揺らす重低音と流麗なピアノサウンドが、既存のメタルの概念を覆すコントラストを描く。その後、ポップなSEに合わせたハンドクラップと声出しで準備運動を完了させると、「とっておきの地獄をプレゼント」と届けられた「HYPERHELL」でウォールオブデスが作られた。

Earthists

彼らの現在地を語る上で欠かせないのがクラブミュージックからの影響だろう。強烈なガバキックとメタルコアリフがラリーする狂気のミクスチャーナンバー「ACIDGLINT」は、モッシュピットをダンスフロアに塗り替える。一方、セットリストの要所で盛り込まれたKawaii Future Bass的なSEは、会場を野蛮さよりも多幸感で満たすためのバランサーとして機能。Yuiが語った「俺たちはお前たちと徹頭徹尾踊り狂いたいんだ!」という野望は緻密な計算の元で達成されていく。

ボーカロイド楽曲からの影響が色濃いピアノリフと16ビートで彼らの掲げる“HYPERMETAL”の原点を示す「Lost Grace」から、ライブはクライマックスに。「何よりも熱い火の色をお前たちは知ってるか?」と問い「ULTRABLUE」、「心の殻をブチ壊す曲を持ってきたぜ」と宣言し「SHAPEBREAKER」と、Yuiはオーディエンスの心をガッチリ掴んで離さない。彼が迫るダイバーに向けて繰り返し親指を立てていたのも印象的だった。

Earthists

締めくくりに演奏された「SAYYOUKILL」はオリエンタルな旋律を取り入れた昨年6月リリースのシングル。筆者がライブで目撃するのはこの日が初めてだったのだが、高まっていく緊張感を一気に解き放つようなサビのカタルシスは生で味わうと格別で、4月10日にリリースされるEP『GRANDRAY』とその先の地平への期待を膨らませてくれた。

Earthists

■The Cards I Play

The Cards I Play

「Crestの床がブチ割れるくらい、跳んで遊んで暴れたいと思います!」。転換中にセッティングを終えたdaiya(Ba)がそう告げた通り、のっけから気合十分だったThe Cards I Play。Joji(Vo)は現れるや否やフロアを闊歩し、「生ぬるいぞお前ら!ライブ始めんぞ!」とオーディエンスのスイッチを強制起動させる。

一曲目は最新アルバム『DIAMOND AVENUE』のオープニングトラック「RAINBOWS」。首を振らずにいられないグルーヴの上をエモーショナルなメロディが貫き、Daniel(Gt)のラップや挿入されるスクラッチとキルビルサイレンが、HIPHOPからの影響を大胆に取り入れた彼らの音楽性を指し示した。

The Cards I Play

「ONE LAST RIDE」は、ルーズなノリとツービートの疾走感をハイブリッドさせた一曲。佇まいはスタイリッシュながら肉体的なヘヴィネスやスピード感も操る彼ら。ストリートの軽やかな風通しとライブハウスでしかできないやんちゃな遊びを良いとこどりした最新型ミクスチャーロックに、オーディエンスは早くも魅了されていた。「THE SUN」ではスラップを駆使したdaiyaのフレーズが冴え渡っていて、同期を交えつつも生音のうねりがボルテージを高めていく。

00年代ニューメタルへのリスペクトを感じさせるリフから突如ドラムンベースへと変貌する「DEAD INSIDE」、ハードテクノ&高速ラップの意表を突く楽曲展開が印象的な「FACE THIS」とセットリストは変幻自在。重心の低いナンバー「STAY AWAY」で宙を舞ったダイバーにdaiyaは「そういう曲じゃないけど最高!何やってもいいや」と開き直る、その余裕が頼もしかった。

The Cards I Play

「BLACK AND BLUE」でこの日最大のモッシュピットを作り上げ本編を終えると、アンコールに応え再登場したdaiyaがカズーとギターによるLinkin Park「Numb」の弾き語り(?)カバーを披露。Jojiは『Grasshopper』に感謝を伝えたかと思えばチケットぴあの“手数料”をイジるなど、遊び心は尽きない。「まだ有り余ってるならこれが本当のラストチャンス。行けますか、渋谷!」と、破壊力抜群の「MADNESS」で『Grasshopper vol.39』を締め括った。

The Cards I Play

それぞれが自身のスタイルを確立しつつ、攻撃的な音のみならずライブハウスを徹底的に楽しみ尽くすアティチュードでも共鳴し合った3組。『Grasshopper』のニューチャプターにふさわしい満足感が会場を包んだ。

(サイトウマサヒロ)

<公演概要>
『Grasshopper vol.39』

2026年2月20日(金) Spotify O-Crest(東京都)
開場 18:15 / 開演 19:00
出演:Earthists. / The Cards I Play / Dimrays

<次回公演情報>
『DaisyBar 21st Anniversary × チケットぴあ presents. Grasshopper vol.41』

2026年4月27日(月) 下北沢DaisyBar(東京都)
開場 18:15 / 開演 19:00
出演:HONEST/May Forth

【チケット情報】
前売:3,400円(一般)/2,900円(学割)
当日:3,900円(一般)/3,400円(学割)
※1ドリンク別途必要
発売中: https://w.pia.jp/t/grasshopper/

公演などに関するお問い合わせ先:下北沢DaisyBar 03-3421-0847
主催:チケットぴあ
企画・制作:チケットぴあ

■『Grasshopper』公式サイト:https://fan.pia.jp/grasshopper/

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