わたなべちひろ、14歳とは思えないパフォーマンスの完成度の高さ 初ワンマン公演レポ
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14歳のシンガー・わたなべちひろ初のワンマンライブ『Chihiro Watanabe Concert 2019 ~旅立ちの春~』が、4月5日にshibuya eggmanにて開催された。
わたなべちひろは、現在14歳、中学3年生になったばかりのピアノシンガー。2歳でキーボードと出逢い、4歳からクラシックピアノを習い始める。2013年にはヘレン・ケラー記念音楽コンクール「ピアノ低学年の部」で優勝。2016年12歳の時に、『第13回ゴールドコンサート』国際フォーラムにて、審査委員長で音楽評論家の湯川れい子氏と副委員長の吉岡正晴氏から大絶賛され「観客賞」を受賞。同年ニッポン放送『第42回ラジオミュージックソン』に史上最年少出演。2017年10月には、ダイアナ・ロスやジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーなど輩出したスターの登竜門と呼ばれるニューヨーク・アポロシアターのアマチュアナイトに出演し、多くの観客から称賛を浴びた。その勇姿は、2018年にNHKで放送された『イマジン そこに「境界」はない』というドキュメンタリー番組が作られるほど、注目を集めている。
同公演のチケットはソールドアウト。ステージに登場したわたなべちひろは、パーカッション、ベース、ギター、ヴァイオリンを従え、オリジナル曲「Life Is Beautiful」からライブをスタートした。YAMAHA CP4 STAGEから奏でられるノリの良いポップな楽曲を力強く歌い上げ、早くも観客たちは彼女の世界に引き込まれる。
1曲終えると嬉しそうに笑顔を見せ、続いて沖縄出身のシンガーソングライター・Anlyと一緒に初めて作った曲「愛すべき世界」へ。ピュアでキラキラと輝くサウンドは、彼女とって歌っていることそのものが喜びなんだと感じさせる。堂々とライブに挑んでいるように見えたわたなべちひろだが、そこは14歳。MCでわたなべちひろが「初ワンマンライブで、足が震えるぐらいものすごく緊張しちゃってて」と本音を吐露すると、客席から「頑張れ!」という温かい声が上がる一幕も。
オリジナル曲「You will always be the one」では、全編英語のバラードを歌い上げる。そしてわたなべちひろが「ものすごく大好きな2大女性アーティスト」と言うキャロル・キングの「You’ve Got a Friend」と松任谷由実の「ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ~」から、ヴァイオリンの徳島由莉と2人でThe Jackson 5の「I’ll Be There」と、ケルティック・ウーマンの「You Raise Me Up」を披露する。電子ピアノの演奏だがまるでアンプラグドライブのような雰囲気があり、ヴァイオリンの音色とわたなべちひろの歌声が共鳴しているかのような美しさを見せた。わたなべちひろの歌声は、パワフルでありながらも歌声に年相応の幼さがあり、例えて言うならシンディ・ローパーの歌声に近いものを感じた。その歌声は天使をイメージさせ、まさに天から光が差し込むかのような印象を受ける。その後はオリジナル曲が続き、最後はお客さんも加わりオリジナル曲「Sing a song」を、ビリー・ジョエルの「Piano Man」のごとくみんなで大合唱して本編は終了した。
アンコールは、坂本九「上を向いて歩こう」をスタンディングで披露した後、彼女を一躍有名にしたジョン・レノン「Imajine」へ。年齢やハンデなどは全く関係なく、完全に曲を自分のものにしているパフォーマンスには恍惚さえ感じてしまった。そして最後に、アポロシアターで大歓声を浴びた、ミュージカル『アニー』でお馴染みの「Tomorrow」をソロで披露。ベテラン歌手のように独自のアレンジを加え、テンポをアレンジしたり、ソウルフルにこぶしを回すなど、楽曲を自由自在に操りながらパワフルに歌い上げた。
彼女のワンマンライブは、まだ14歳という年齢が信じられないほど完成されていた。言葉にならないほどの感動を覚える、素晴らしいライブであった。
(取材・文=本 手)
■ライブ情報
わたなべちひろワンマンライブ第二弾『Chihiro Watanabe Concert 2019 Vol,2 ~思い出の夏~』
日時:2019年8月23日(金) OPEN 17:30/START 18:00
会場:Shibuya eggman (東京都渋谷区神南1-6-8 B1)
料金:前売り 2,500円(税込) ※ドリンク代別
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