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明日海りお×霧矢大夢インタビュー~“ダンヴァース夫人”が導くミュージカル『レベッカ』の魅力

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左から)明日海りお、霧矢大夢 (撮影:近藤誠司)

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『エリザベート』『モーツァルト!』などを生んだゴールデンコンビ、ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)とシルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)によるミュージカル『レベッカ』が、山田和也演出の日本版として上演されたのは2008年のこと。東京・シアタークリエのオープニングシリーズながらたちまち大ヒットを記録、2010年と2019年にも再演を果たした本作が帰ってくる! 7年ぶり4度目となる今回は、キーパーソンであるダンヴァース夫人に明日海りおと霧矢大夢を迎えてキャストを一新。ふたりが口を揃えて“挑戦”と語るダンヴァース夫人役について、さらに本作の魅力について聞いた。

圧倒的な“圧”の奥にある心情を、楽曲で届ける

英国の貴族で広大な土地と屋敷“マンダレイ”の主であるマキシム(海宝直人)は、モンテカルロに滞在中、NYから来たヴァン・ホッパー夫人(生田智子)の話し相手兼世話係として雇われている「わたし」(豊原江理佳・朝月希和/Wキャスト)と出会う。ふたりは恋に落ちて結婚、ハネムーンを終えて“マンダレイ”に到着する。そこにはマキシムの前妻で事故死したレベッカ付きの使用人で、家政婦頭として君臨するダンヴァース夫人(明日海りお・霧矢大夢/Wキャスト)がいた。海岸沿いに建つ壮麗な館と使用人たち、さらにレベッカの従兄弟ジャック(石井一彰)や不動産管理人のフランク(俵和也)、マキシムの姉ベアトリス(彩乃かなみ)といった面々に戸惑いながらも、女主人としてふるまうことに努める「わたし」。だが完璧な美しさと佇まいを持っていたというレベッカの影は屋敷中にあふれ、彼女を崇拝するダンヴァース夫人によって「わたし」は次第に疲弊していく。そんな中、ヨットの事故死とされていたレベッカの死体が発見されたという知らせが入り……。

黒い服に身を包み、その存在感で「わたし」を圧倒するダンヴァース夫人。出演が決まった時にまず「大役だ」と感じたというのは霧矢だ。
「ウィーンでの初演をはじめ世界各国で上演されている人気作で、しかもカギになる役どころ。宝塚の大先輩でダンヴァース夫人を演じていた涼風(真世)さんが、劇中の曲を歌われているところも拝見していたので、あの役をやるのかというプレッシャーがあります」と率直に心境を明かす。

明日海も「物語はマキシムと『わたし』の恋模様がメインですが、ダンヴァース夫人が担う役割はすごく大きいです。お稽古に入っても“自分はまだまだだな”と思うことが多いです」とうなずく。一方で、「実は個人的に大好きな作品で、韓国公演の際は現地に飛んで観劇したほど。国によって少しずつ演出が違うのを観るのも楽しみにしていました」と本作に参加できる喜びもにじませる。

レベッカに幼少時から仕え、彼女が亡き後もまるで生きているかのように崇拝し続けるダンヴァース夫人は、世にある名作ミュージカルの中でも特異なキャラクターだ。
「ダンヴァース夫人が登場するときは、曲からしてもう怖い(笑)。ただ、彼女は“圧”がすごくて実際に強い人だとは思うんですが、その内側にはレベッカに対する想いや囚われている過去、新たな女主人を迎える複雑な心情もある。そこを丁寧に埋めていきたいですし、そうやって作らないと出来ない役なのだなと感じています」と霧矢。

「ダンヴァース夫人が募らせる情念のようなものは出せるように……というのは思っているのですが、セリフの量は意外に少なくて、その心情は劇中のナンバーを通してお客様にお届けしないといけない。いくらダンヴァース夫人の気持ちを理解して芝居を作っていても、それが出来なければ役そのものが弱まってしまうと思うんです。だから(シルヴェスター・)リーヴァイさんの素晴らしい楽曲をきちんと自身に落とし込んで、世界観を表現しつつ演じたいと思っています」と明日海も語る。

互いに刺激し合う、ふたりのダンヴァース

Wキャストだけに、稽古場では互いの“ダンヴァース夫人”を見て刺激をもらっているというふたり。過去には同時期に宝塚歌劇団月組に所属していたことから、単なる共演者以上の感慨があるようだ。「霧矢さんの、家政婦頭としての……」と明日海が言いかけると、霧矢が「貫禄がある?」と笑うなど、和やかな空気が漂う。

「それもなんですが(笑)、ダンヴァース夫人独特の、なんというか“整ってます!”という空気感ってありますよね。自分の意思や立ち位置を把握している人だというのが一瞬で伝わるあの感じ。霧矢さんのダンヴァース夫人を見ていると、『私はまだホワッとしていたな』とハッとさせられます」と明日海。

その言葉に霧矢は、「元々私が英国のマナーハウスなどの世界観が大好きというのがあるかもしれない。ダンヴァース夫人はまずプロの、パーフェクトな使用人であるという点をちゃんとお見せしたいなという気持ちがあって」と返す。続けて「みりお(明日海)は宝塚を退団して6年ほどだけど、宝塚時代の華やかさがそのまま残っている雰囲気。稽古場でも綺麗だなと思って見ているし、同じダンヴァース夫人にしても表現の方向が全く違うものになりそうだなって」とWキャストを楽しんでいる様子だ。

上演のたびに話題となり、今回が4度目の再演となる本作。これほど多くの観客を魅了する理由として、明日海は「お客様が『わたし』の気持ちで物語に入っていけることじゃないでしょうか」と話す。

「両親を亡くして心細い思いをしながらヴァン・ホッパー夫人に雇われている身だったのが、マキシムに見初められて結婚する。ふたりは愛し合っているんですが、“マンダレイ”の主で貴族の彼とは全てがすんなりいくわけじゃない。それでもいろいろなことを乗り越えて絆を深めていくという王道のラブストーリーと共に、登場人物がみんな怪しくてミステリーを解いていくような面白さもある。素晴らしい楽曲はもちろん、海の波の音が静けさと臨場感を高めていたりと、とても大人なミュージカルだなと感じます」(明日海)。

霧矢も「謎多き屋敷の謎多き人々の中に新参者である『わたし』が入っていくことで、『わたし』の視点がそのまま観客の見ているものに重なるところ。ダフネ・デュ・モーリアの原作小説ともヒッチコック監督の映画版とも異なる、ミュージカル版ならではの演出がたくさんありますし、それはシアタークリエの濃密な空間(座席数約600席)で特に堪能していただけるのでは」と話す。

クンツェ&リーヴァイというゴールデンコンビが贈る本作は、ウィーンミュージカルらしい味わいも人気のひとつ。
「パァッと明るいミュージカルのように登場人物がオープンに感情を表すのではなく、繊細で少し奥ゆかしい部分があるのが日本人には合っていて、そこが愛されているように思います。それには、みりおも言ったように、歌での説得力をもたせることが不可欠なんですよね」と霧矢が言うと、明日海も「表現だけでなく、エネルギーもすごく要りますよね」と隣で表情を引き締める。

懐かしさと新しさが同時に生まれる稽古場

稽古場では、細かな点について話し合うこともあるという。
「宝塚に在団中は男役の霧矢さんが作品に向かわれている姿を見てきたわけですが、久しぶりに稽古場でご一緒していると、声の響きや仕草に懐かしい霧矢さんらしさを感じつつ、女優として新たに作られていった部分にも気づいて、今の私にとってすごく学びがあります。ちょっとしたミザンス(立ち位置や段取り)とか小道具の使い方とか、そういうことについても意見交換させていただく時間が貴重だなと感じています」と語る明日海。
霧矢も「かつては上級生と下級生だったかもしれないけれど、今はもうそれは捨ててほしいという気持ちがあるから。せっかくのWキャストだし、お互いの芝居を見ることで『こういう風に出来るのか!』という発見があるのがいいよね。その部分を大切に、それぞれのダンヴァース夫人を探求していければ」と話す。

「お稽古場では、『どちらが先にやる?』というときにじゃんけんで決めたり、ここは少し不安だなというところはすぐ相談しに行ったりと、もうだいぶ“捨てて”しまっている気が!」という明日海に、「大丈夫だよ」と笑う霧矢。異なる色合いのダンヴァース夫人を目撃できる今回の上演。それぞれのダンヴァース夫人を通して広がる景色を、ぜひ劇場で受け取ってほしい。

取材・文:藤野さくら 撮影:近藤誠司
ヘアメイク:山下景子(明日海)、寺岡ふう子(霧矢)
スタイリスト:長谷川綾(eleven.)(明日海)、山下明子(霧矢)
衣装協力:アビステ(明日海)、Dress、Blouse/VIVIENNE TAM(ヴィヴィアンタム) Skirt、Boots、earrings/スタイリスト私物(霧矢)


<公演情報>
ミュージカル『レベッカ』

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
原作:ダフネ・デュ・モーリア
翻訳・訳詞:竜真知子
演出:山田和也

【キャスト】
マキシム・ド・ウィンター:海宝直人
「わたし」:豊原江理佳/朝月希和(Wキャスト)
ジャック・ファヴェル:⽯井⼀彰
フランク・クロウリー:俵和也
ベン:吉⽥広⼤
ベアトリス:彩乃かなみ
ヴァン・ホッパー夫⼈:生田智子
ダンヴァース夫人:明日海りお/霧矢大夢(Wキャスト)

ジュリアン⼤佐:中⼭昇
ジャイルズ:港幸樹

天野朋⼦ 彩花まり 植⽊達也 岡崎⼤樹 奥⼭寛 ⾦⼦桃⼦
神⼭彬⼦ 吉良茉由⼦ 後藤晋彦 ⼩林⾵花 ⽥中秀哉 ⽶澤賢⼈

中嶋尚哉 渡辺七海(Swing)

【東京(シアタークリエ)公演】
2026年5月6日(水・休)~6月30日(火)
会場:シアタークリエ

【福岡公演】
2026年7月10日(金)~12日(日)
会場:博多座

【大阪公演】
2026年7月17日(金)~19日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【愛知公演】
2026年7月24日(金)~26日(日)
会場:御園座

【東京(シアター1010)公演】
2026年8月1日(土)・2日(日)
会場:シアター1010

関連リンク

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2666345

公式サイト:
https://www.tohostage.com/rebecca/

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