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音楽と色に包まれた2日間! “みんな”に優しいフェス『音市音座』をレポート!

音楽

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終演後ステージでの集合写真_DAY1

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『みんなのフェス 音市音座2026』が去る4月4日・5日、クロコくんホール(日本ガイシホール)にて開催された。

音市音座は2010年、名古屋開府400年の記念イベントとして愛知県清須市の野外特設会場で行われたのが始まり。その後、日本ガイシホールへ会場を移し、コロナ禍による無観客配信ライブや休止をはさみながらも継続され、今回が14回目を迎える。

結成45年を迎える、スターダスト☆レビューがホストを務める恒例イベントだけあって、集まったファンもさまざまな世代が混ざり合っている印象。スタ☆レビのメンバーと同世代も少なくない幅広い年齢層は、音楽フェスではちょっと珍しい光景だ。

「ほとんど毎回参加しています!普段はSNSでつながっている全国各地のスタ☆レビのファンと会えるのが楽しみなんです」という、北海道、埼玉、静岡、愛知から集結した女性グループ。こんな熱心な追っかけからライト層までを集め、アリーナから2階席まで会場はびっしり埋め尽くされた。

スタ☆レビ・根本要の「ピンポンパンポ~ン♪」が本編の幕開けを告げるとスターダスト☆レビューのメンバーがステージに。ヒット曲とともに観客にコーラスやジャンプを促し、早速会場の雰囲気を盛り上げる。

そこにゲストアーティストが順番に登場し、弾き語りやスタ☆レビとのコラボで3曲ずつ披露する構成だ。吉田山田は根本要と息の合ったかけ合いとともに新たな名曲誕生を思わす新曲「ピース」などを披露。

初出演の上白石萌音は「オリビアを聴きながら」を根本要とデュエットするなどのびやかな歌声と、「名古屋イケんのかーッ!」と、とても苦手だという“煽り”にも挑戦し盛り上げ、ステージから退いた瞬間に会場全体から「ほぉぉぉ~ッ」と圧倒されたようなため息が。

スキマスイッチは一曲目「ガラナ」のイントロでギターをジャン!と鳴らした瞬間に観客は総立ち。3曲ともスタ☆レビがバックバンドを務め、おなじみのヒットナンバーをいつもとは違う色合いで聴かせてくれた。

メインステージの休憩時間を利用したSHOW CASE STAGEも音市音座の特徴のひとつだ。会場外の屋外ステージにニューカマーがミニライブを行うのだ。この日ステージに立ったのは透明感ある歌声を聴かせる陽真(ひま)、骨太な男女フォークロックデュオのHONEBONE、80年代シティポップを彷彿させるペンギンラッシュ。春の嵐であいにくの悪天候だったにもかかわらず熱心なファンが声援を贈った。

その年のイベントの顔と位置づけられるバンドアクトの座を担ったのはウルフルズ。「ええねん」「笑えれば」「バンザイ~好きでよかった~」などヒット曲の数々に、彼ら目当てのファンのみならず観客全員が大盛り上がり。昭和世代も多い客層を意識してくれたのか、何とキャンディーズの「春一番」のブルースロック調のカバーも。スーツにちょんまげヘアのトータス松本の存在感も男の色気たっぷりで、パワフルな演奏と合わせて観客を酔わせてくれた。

そして『音市音座』の真骨頂が「夜のヒットスタ☆レビ」。その日の出演者が1組ずつステージに上がるスペシャルセッションのステージは、タイトル通り往年のテレビの歌謡番組を彷彿させる。冒頭では名古屋クイズで根本要がお得意のMC力を発揮して出演者のキャラクターを引き出し、観客と各アーティストの距離感をいっそう縮めていく。

そしてスタ☆レビが大ヒット曲「夢伝説」「木蘭の涙」を披露するといよいよセッション。吉田山田、上白石萌音、スキマスイッチ、ウルフルズが順に登場し、それぞれの代表曲をスタ☆レビをバックバンドにして熱唱する。ラストナンバー「今夜だけきっと」はボーカルをリレーしていき、最後はサビをアカペラで。各アーティストの豊かな歌の表現力、スタ☆レビの演奏力の高さに酔いしれた観客からは、当然アンコールの手拍子が鳴り止まない。

これを受けて再び全員がステージに戻り、さらにはSHOW CASE STAGEの出演アーティストも壇上に。一堂に揃ったところで歌うのは『音市音座』最多出演を誇ったKANの名曲「愛は勝つ」。大合唱によって、ステージもアリーナも2階席も歌によってひとつになったところで初日の幕を閉じた。

2日目は川崎鷹也、阿部真央、ゴスペラーズがまずスタ☆レビと共演。

川崎鷹也はギター弾き語りで、まっすぐに心に響く歌声で観客の心をわしづかみ。

阿部真央は練習中だというルーパー(奏でた音を再生しループさせる機材)を大観衆の前で初披露し、さらにはスタ☆レビをなぜか「スタダさん」と呼ぶ図太いキャラで今度は根本要のハートをわしづかみ。

出演6回目のゴスペラーズは、スタ☆レビメンバーとのアカペラセッションのハーモニーがとびきり美しいビリー・ジョエルの「The Longest Time」、超ゴージャスなソウルナンバー「1, 2, 3 for 5」など、息の合いまくったステージ で、観客1人1人の気分を最高潮に高めてくれた。

SHOW CASE STAGEの出演者はこの日も3組。aug.1020はキュートだがパッションあふれる女性ボーカルを中心としたギターロックトリオ。TRAёLLは、流麗な中に苦味も秘めたメロディが胸に響く、元Aqua Timezベーシスト、OKP-STARのソロプロジェクト。ピウムジカは透明感とパワフルさを兼ね備えた女性ボーカルを力強いドラムが支えるキーボード&ドラムのこちらも男女デュオ。いずれも観客から自然と手拍子が起こり、それぞれの個性を印象づけた。

バンドアクトはHY。ボーカル&キーボードの仲宗根泉が観客に尋ねると、生HYは初めてという人が多くを占めたが、大ヒット曲「366日」や沖縄の伝統楽器・三線や琉球太鼓でも盛り上げる「帰る場所」などで聴く人の心をつかんでアウェー感を一挙に払拭。しめくくりの「ホワイトビーチ」では腕ぐるぐるの振り付けやジャンプで盛り上がり、観客にとって最も運動量があるライブとなった。

そしてメインイベントともいうべき出演者全員参加の「夜のヒットスタ☆レビ」。この日もまずは名古屋クイズで会場の空気をほぐすと(ピカイチの創業年、ぴよりんの総累計販売数など、なぜか初日と比べて難易度が爆上がり(笑))、スタ☆レビがヒット曲「木蘭の涙」「夢伝説」で貫禄を見せつけ、川崎鷹也、阿部真央、ゴスペラーズ、HYがスタ☆レビの演奏とともにそれぞれのヒットナンバーを披露。「今夜だけきっと」を全員で歌い上げると会場のボルテージはマックスに。

アンコールでは初日と同様にSHOW CASE STAGEのメンバーも登場してKANの「愛は勝つ」を観客も含めた全員で熱唱。まさに「みんなのフェス」にふさわしい、ステージも客席もひとつとなっての大団円で幕を閉じた。

2日間を通して感じたのは、みんなに優しいフェスであること。公演時間は約6時間で出演アーティストは両日とも8組。ステージは屋内外2カ所で移動も最小限。何よりメインホールはすべてイス席だ。バンドのキャリアとともにファンも年齢を重ね、大規模な音楽フェスへの参加は体力的に厳しくなってくるが、これくらいの時間と規模であればハードルはグッと低くなる。ミドル~シニア世代でも参加しやすいのはもちろん、子ども連れも少なくなかったのは、このフェスが多くの世代に開かれたものであることの証だろう。

地域との一体感も『音市音座』の大きな特徴だ。メインステージのオープニングアクトを務めたのは地元高校の吹奏楽部。初日は名古屋南高校、2日目は大同大学大同高校。フレッシュな演奏に観客も温かい拍手を贈り、アットホームな雰囲気でイベントの幕開けを飾る。2日目は名古屋グランパスステージも設けられ、華麗なチアダンスが披露された。

キッチンカーブース『食市食座』も2023年から始まり今や名物企画に。味噌カツ、手羽先、あんかけスパ、台湾ラーメンなど地元の有名店が集結し、どの店の前にも長蛇の列ができていた。「名古屋に勤めていた時にヨコイのあんかけスパをよく食べていて、今日は久しぶりに食べられると思って並びました」とは豊川市の男性。名古屋めしも音市音座の楽しみのひとつになっているのだ。

すっかり名古屋に定着した感のある『音市音座』。最後にスターダスト☆レビューの根本要に、このイベントを続ける意義とこの先の未来について尋ねた。

「普段は見られないアーティストの魅力をお客さんに観てもらおう、というのが『音市音座』の原点。自分の出番が終わったらおしまいじゃなくて、コーラスに加わったりして最後までずっとイベントに参加してもらう。何度も出てもらっているアーティストもいるけど、毎年組み合わせが変わるから、一度として同じ演奏にはならないからね。名古屋でしかできないことをしたいという思いもあって、だからこそ地元の高校生のブラスバンドに出てもらったり、キッチンカーで食べ物も合わせて楽しんでもらったりしてるんです。名古屋と言えば『音市音座』だよね、といってもらえるように20年後30年後にも受け継がれていくフェスにしたいですね」

次回の開催は2027年3月6・7日に既に決定。名古屋が誇るロングライフなフェスとして来年、さらには再来年以降の開催が今から待ち遠しい。



撮影/新澤和久、@_hikari_iro_、三浦知也
取材・文/大竹敏之

※セットリストは公式ホームページで公開予定です。
https://www.sundayfolk.com/info/otoichiotoza/

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