没後初・17年ぶりの再会! 20世紀アメリカの具象絵画を代表する画家アンドリュー・ワイエスの回顧展が東京都美術館で開催
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《クリスティーナ・オルソン》 1947年 テンペラ、パネル 83.8x63.5㎝ マイロン・クニン・コレクション、ミネアポリス Myron Kunin Collection of American Art, Minneapolis, MN photo: Curtis Galleries, Inc. (C)2026 Wyeth Foundation for American Art / ARS, New York / JASPAR, Tokyo
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すべて見る20世紀アメリカの具象絵画を代表する画家アンドリュー・ワイエス。第二次大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義やポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けたことで知られる巨匠だ。その作品世界を紹介する回顧展が、4月28日(火)から7月5日(日)まで、上野の東京都美術館で開催される。2026年に開館100周年を迎えた同館の記念事業となる展覧会のひとつとなる。
アンドリュー・ワイエス(1917-2009)は、高名な挿絵画家だった父に学び、若くして水彩画家として評価を高め、緻密なテンペラ技法を究めた画家だ。1974年に東京と京都で開かれた日本初の個展は、33万人の観衆を集め、その後の展覧会を通じて日本での人気を不動のもとした。今回は、日本では17年ぶりとなる、画家没後初の待望の展覧会となる。

ワイエスの作品世界は、眼前にある情景の単なる再現描写にとどまるものではなく、画家自身の精神世界が反映されたもの。同展は、その彼の作品によく見られる窓や扉など、ある種の「境界」を示すモティーフとその表現に注目し、内的な精神世界と外の世界とのつながりや境目、あるいは彼自身の死生観などにも思いを寄せて、ワイエスの作品を見つめ直そうとするものだ。

ワイエスは、光と影を巧みに用いたことで知られるが、それは「生と死」という命題と向き合った結果として画面構成に表れたものだった。だが、彼自身は生と死を対立するものとしてではなく、つながっているものと捉えており、窓や扉のモティーフは生と死を結びつけるものでもあったようだ。その作品の根底に日本人にはなじみ深い「世の無常」という哲学が流れていたためだろうか、ワイエス自身も「日本人は自分の作品を深く理解してくれる」と語っていたという。

今回は、先天性の病で脚が不自由ながら、自立心をもって誇り高く生きた女性クリスティーナ・オルソンをめぐる一連の作品群をはじめ、約100点の作品が集結する。ニューヨークのホイットニー美術館やフィラデルフィア美術館、フィルブルック美術館など、海外からの招聘作も多く、10点以上が日本初公開。改めてワイエスの魅力にふれる機会となるだろう。
<開催情報>
『東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展』
会期:2026年4月28日(火)~7月5日(日)
会場:東京都美術館
時間:9:30~17:30(※金曜日は~20:00)、入室は閉室の30分前まで
休室日:月曜、5月7日(木)(※ただし5月4日(月・祝)、6月29日(月)は開室)
料金:一般2,300円、大学・専門学校生1,300円、65歳以上1,600円
公式サイト:
https://wyeth2026.jp/
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