芳根京子×渡辺翔太が挑む、現代版『ウェンディ&ピーターパン』。正解のない「大人の物語」
ステージ
インタビュー
左から)芳根京子、渡辺翔太 (撮影:興梠真帆)
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すべて見る世界的名作『ピーターパン』をウェンディの視点から大胆に翻案し、ジョナサン・マンビィの演出で2021年に日本初演を果たした『ウェンディ&ピーターパン』。芝居はもちろん、ダンスやフライング、映像、美術などを駆使した美しい舞台で、多くの観客を魅了した。その5年ぶりとなる再演では、キャストをほぼ一新。タイトルロールのウェンディとピーターパンを、新たに芳根京子と渡辺翔太が演じる。そこで現在プレ稽古中の芳根と渡辺に、ここまでの稽古の感触、作品や役への想いを訊かせてもらった。
「ウェンディにとってのピーターパンは常に特別な人」

――脚本を読まれての感想、作品としての魅力をどんなところに感じられましたか?
芳根 この作品をやるにあたりアニメの『ピーターパン』を観直したんです。でもこの『ウェンディ&ピーターパン』はそれとはまたひと味違うと言いますか、大人な『ピーターパン』だなという印象を受けて。おしとやかなイメージが強かったウェンディも、すごく勇ましい女性として描かれている。だからこそこの現代において、幅広い方に楽しんでもらえるのではないかなと思いました。
渡辺 僕は少しめまいがしました(苦笑)。あんなに分厚い台本を見たのも初めてでしたし、僕の中ではまだお芝居の世界にお邪魔している感覚があって。台本を解読するのもひと苦労ですし……。
芳根 たぶん渡辺さんは、まだこのお話のことがわかっていないと思います(笑)。
渡辺 理解できている自信はまだないです……(笑)。ちょっと代わりに答えてもらってもいいですか?
芳根 台本を読んですごく難しいなと思ったのですが、これから演出のジョナサン・マンビィさん含め、カンパニーの皆さんと一緒にこの物語をしっかりと理解し、皆さんに楽しんでいただけるような時間を作りたいなと思っています
渡辺 はい、まさしくこれが言いたかったんです!
芳根 (笑)
渡辺 いや本当に難しくて……。
芳根 わかります。シンプルじゃないからこそ私たちも読みがいがありますし、読めば読むほど解釈が変わっていく。だからスルメですよね。噛めば噛むほど、みたいな(笑)。
渡辺 まさしく!
芳根 本稽古が始まってから、今の自分の考えがどう変わっていくのか。それも含めてすごく楽しみです。
渡辺 しっかりしてる! 心強いわ~。
――(笑)。先ほど「大人な『ピーターパン』」というお話もありましたが、本作におけるピーターパンにとってのウェンディ、ウェンディにとってのピーターパンとは、どういった存在なのだと思いますか?
芳根 冒険の中で感情の上がり下がりはありますが、ウェンディにとってのピーターパンは常に特別な人、大切な人っていう軸は絶対にブレたくないなと思っています。どんなにひどいことをされても、どんな目に遭っても、それでも自分の中では大きな存在である。そしてその先にどんな感情が生まれるのか。それはこれからお稽古を進めていく中で楽しみにしていることです。
渡辺 先ほども言ったようにまだきちんと読解できていないのが正直なところですが……、ウェンディはすごく強い女子だと思います。だから恋模様うんぬんというよりも、ピーターパンとしては尊敬の気持ちのほうが強いのかもしれないなと。そしてウェンディだけでなく、ティンクも、タイガー・リリーも、出てくる女子がみんな強い。それはすごく今の時代に合っていると思っていて。
芳根 しかもそれぞれ違う強さですもんね。
渡辺 そうそう!逆に男がちょっと弱々しいというか、なよなよしている感じもまた面白くて。でも今言ったことすべて、演出家に言わせれば「全然違うよ」ってことかもしれないですけどね。ワークショップの時も「なんでも言っていいよ」と言われたので話したら、「いや、それは違うな」と言われたので(苦笑)。
芳根 あれめちゃくちゃ面白かった!(笑) でも今のお話はすごく素敵だと思いますし、一緒に稽古で探っていきましょう。
渡辺 はい!

高所恐怖症も役に活かして。
フライング稽古では恐怖と余裕が交錯
――現在はプレ稽古の段階で、フライングのトライアルなどをされているそうですね。
渡辺 (芳根を見ながら)キャーキャーうるさかったー!(笑)
芳根 そういうのだけ先に発言するんですね(笑)。
渡辺 そう、自分ができるやつだけ(笑)。芳根さんは高所……?
芳根 そう、私、高所恐怖症なんですよ。
渡辺 でもそれが逆にいい、みたいな感じでしたよね? 上がった時のリアクションがすごくピュアで。
芳根 ウェンディも飛ばされている身ですからね。
渡辺 うん、すごくキュートでした。
芳根 渡辺さんはストレッチの時にすごく苦しそうな顔をされていて、「え、Snow Manさんだよね?」と思ったんです(笑)。でもフライングになった途端、余裕の表情でクルクル回り出して、「やっぱりSnow Manさんだ!」って(笑)。もう足の角度とか、すでにピーターパンなんですよ。
渡辺 飛ぶと足が勝手にシュッとなるんですよね。あれはうちの事務所で刷り込まれています(笑)。
芳根 さすが! 私はジムのトレーナーさんにも「メンタルの問題」と言われているので、なんとか本番までには楽しんで飛べるようになったらいいなと思います。

取材・文:野上瑠美子 撮影:興梠真帆
ヘアメイク:(芳根京子)KUBOKI(aosora)・(渡辺翔太)TAKAI(undercurrent)
スタイリスト:(芳根京子)道端亜未・(渡辺翔太):櫻井賢之[casico]
衣装協力(渡辺翔太):ジャケット¥121,000・ベスト¥55,000・パンツ¥55,000/すべてSUBLATIONS(サブレーションズ 問い合わせ先https://sublations.jp/)、シャツ¥25,300/Juha(ユハ 問い合わせ先 info@juha_tokyo.com)
<公演情報>
Bunkamura Production 2026
DISCOVER WORLD THEATRE vol.16
『ウェンディ&ピーターパン』
作:エラ・ヒクソン(J.M.バリー原作より翻案)
翻訳:目黒条 髙田曜子
潤色:山本卓卓
演出:ジョナサン・マンビィ
出演:
芳根京子 渡辺翔太
鳥越裕貴 松岡広大 富山えり子 天野はな
玉置孝匡 池谷のぶえ
石丸幹二
山本圭祐 小日向春平 富永海仁 木村風太
宮下雄也 富川一人 坂本慶介 粕谷吉洋
宮河愛一郎 乾直樹 小川莉伯 木原萌花 吉﨑裕哉 渡辺はるか
【東京公演】
2026年6月12日(金)~7月5日(日)
会場:THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
【大阪公演】
2026年7月13日(月)~20日(月・祝)
会場:フェニーチェ堺 大ホール
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