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ミュージカル『レッドブック』が開幕 咲妃みゆ「この作品を大切に愛し、守ってこられた方々への敬意を胸に」

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ミュージカル『レッドブック』より 左から)小関裕太、咲妃みゆ (撮影:田中亜紀)

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2025年5月16日、東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にてミュージカル『レッドブック〜私は私を語るひと〜』が開幕した。2018年に韓国で初演され、大ヒットを記録している作品の日本版初演だ。初日前日に実施された取材会では、咲妃みゆ、小関裕太、花乃まりあ、エハラマサヒロ、中桐聖弥、加藤大悟、田代万里生ら出演者と演出の小林香が登壇、作品への思いを語った。ゲネプロの模様を交えてレポートする。

ミュージカル『レッドブック』囲み取材 左から)小林香(演出)、エハラマサヒロ、花乃まりあ、咲妃みゆ、小関裕太、田代万里生、中桐聖弥、加藤大悟

『レッドブック』の舞台は、ビクトリア朝のロンドン。小説を書くことで自分自身を表現する女性が、社会の偏見などと闘いながら「私」として生きる道を見つけ出す姿を、数々の美しいナンバーとともに描き出す。取材会の冒頭、ヒロインのアンナを演じる咲妃は「(脚本の)ハン・ジョンソクさん、(作曲の)イ・ソニョンさん、韓国でこの作品を大切に愛し、守ってこられた方々への敬意を胸に、劇場にお越しくださるお客さまへの感謝を込めて、務めさせていただきます」と挨拶した。

ゲネプロでの咲妃は、その透き通るような声と可憐なオーラで魅力的なヒロイン像を体現。19世紀の保守的な社会で、自分らしく生きるべく全力で歩み続ける女性を生き生きと演じる姿が眩しい。情感たっぷりに歌い上げる「愛は天気のように」は、旋律の美しさも相まって、彼女の歌声がいつまでも記憶に刻まれることを予感させる。

アンナと出会い、衝突しながらもやがて惹かれ合う新米弁護士・ブラウンを演じる小関は、「この作品と向かい合う中で、本当にたくさんの学びとエネルギーと笑顔を得ることができました。最後はハッピーになっていただける作品になると思います」と訴える。舞台では、アンナとの交流の中で、徐々に自分らしく生きることの大切さに気づかされてゆく青年を、爽やかに表現する。

なかなか進展しそうでしないアンナとブラウンのロマンス、そのじれったさにドキドキさせられるのも本作の大きな魅力。「私は少々年上なので、当初は頑張って引っ張っていくんだという気持ちがありましたが、助けていただくことばかりでした」と咲妃はいう。その言葉を受けて小関は、「役柄では自分の方が1歳上という設定。お互いに対等にという流れで、ゆうみちゃんと呼ばせていただいています。1秒も無駄にせず突き進み、休むことなくずっと歩み続ける姿を見せてくださいました」と咲妃への敬意を表す。

花乃が演じるドロシーは、女性文学会「ローレライの丘」の会長。夫に息子を奪われるという辛い状況にも屈せず、ローレライの丘の女性たちに寄り添い、前向きに生きる姿が心に響く。知性とガッツを感じさせるコミカルな演技も鮮烈だが、「あの濃厚な稽古が終わってしまうんだなと、ちょっと寂しい気持ちに。自分にとって新境地だなと思う役と出会えましたが、小林さんから、“新境地というのは自分の持つ引き出しの中からやっても新境地にはならず、中身から何か新しいものを生み出さなければ”というお話をいただき、新しい自分を引き出すために、とても丁寧に、時間を使ってくださいました」と振り返る。咲妃と花乃は宝塚での同期という間柄。今回のミュージカル初共演が注目される。

“ちゃんとお芝居をすること”にこだわったミュージカル

“変に優雅で気品のある女装男性”ローレライを演じるのは田代。劇中、スカートの裾を翻してエレガント、かつダイナミックに歌い踊る姿が客席を虜にするが、「稽古初日からマニキュアをし、ハイヒールを履いて稽古をさせていただきました。小林さんの演出はとても凝ったシーンがたくさんあります」とアピールする。ローレライの丘の顧問として、アンナを迎え、小説を書く場を与える頼もしい人物だが、第2幕では彼の過去、女装の理由にも光が当てられる。ローレライという名は実は彼の名ではなく、彼が20年前に出会った女性の名。「花乃さんが演じる元祖ローレライへの愛が、僕が演じるローレライの土台に。青年時代のシーンは、そこを大切に演じたいと思っております」。

アンナの前に立ちはだかる強烈キャラ、文芸評論家のジョンソンを演じるエハラは、「本当に今まで自分がやってきたどのコントよりもクセがすごい。 ぜひ千鳥さんに観てほしいです(笑)。楽しんでいただけたら」。アクの強さは断トツだが、どこか憎めない人物を作り出した。第2幕のナンバー「立てよ、ジョンソン」の体当たりの演技に熱い視線が集まる。

中桐と加藤が演じるのは、ジャックとアンディという双子の兄弟。ブラウンとつるんで歌い踊る「紳士の流儀」は大きな見どころの一つだが、全力で人を助け、淑女に手を差し伸べる様子、その滑稽味もポイントだ。中桐は、「皆さん、お芝居に対しての探求心がすごい。演出の香さんはお芝居がやりやすいよう一人ひとりに寄り添ってくださいました」。グランドミュージカル初挑戦という加藤は、「稽古の段階から小林さんのエネルギーと私たちのエネルギーがぶつかり合っていった。そういった瞬間一つひとつが、思い出の1ページになりました」と明かした。

「皆さんが芝居に真摯に向き合ってきたプロセスがあり、それが確実にエンターテインメントになっていると実感しています」と自信をのぞかせるのは、演出の小林。「出演者21人、本当に全員が輝ける上演になるのではないか。こだわったのは、 “ちゃんとお芝居をすること”。お客さまお一人おひとりが、 “レッドブック”は自分にとって何なのかを、見出していただける作品になれたら、と思っています」。

劇中では、自分らしさとは何かということに向き合い、思い悩み、決断する登場人物たちそれぞれの姿が描き出される。「稽古をしながら、感動し、涙が流れる瞬間が何度もあった」と語ったのは花乃。小関は、「最初は女性を応援する物語だと思っていましたが、読めば読むほど、性別も年齢も関係なく、それぞれに胸に刺さるものがある作品だと思います」と、その魅力を訴えた。

取材会の最後を締め括ったのは咲妃。「他者を思いやる気持ち、自分自身の心と向き合うことがどれほど大切かということを、この作品は教えてくれました。愛を込めて、取り組んでいきたいと思います」と、尽きせぬ思いを言葉にのせた。

取材・文:加藤智子 撮影:田中亜紀

<公演情報>
『レッドブック〜私は私を語るひと〜』

脚本:ハン・ジョンソク
作曲:イ・ソニョン
演出・上演台本・訳詞:小林香
音楽監督:桑原まこ

出演:
咲妃みゆ 小関裕太 花乃まりあ エハラマサヒロ
中桐聖弥 加藤大悟 伊東弘美 KENTARO 可知寛子 栗山絵美 高井泉名 井上花菜
伊藤広祥 感音 坂元宏旬 シュート・チェン 鈴木大菜 米良まさひろ 池田航汰(Swing) 石田彩夏(Swing)
/田代万里生

【東京公演】
2026年5月16日(土)~31日(日)
会場:東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

【大阪公演】
2026年6月27日(土)~30日(火)
会場:森ノ宮ピロティホール

【愛知公演】
2026年7月4日(土)・5日(日)
会場:御園座

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/redbook2026/

公演オフィシャルサイト:
https://redbookjp.com/

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