飯島望未×井桁弘恵 バレエ漫画の金字塔『SWAN-白鳥-』初舞台化でともに演じるヒロイン・真澄への思い
ステージ
インタビュー
(左から)飯島望未、井桁弘恵 (撮影:石阪大輔)
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すべて見る連載開始から50周年を迎えるバレエ漫画の金字塔、有吉京子による『SWAN-白鳥-』が『SWAN -Ballet cross Reading-』として初めて舞台化される。小林香の脚本・演出、福田圭吾の振付で実現するのは、バレエ×リーディングのコラボレーション。国内最高峰のバレエ団のプリンシパル、国内外でキャリアを重ねてきた才能あふれるダンサーたちが、トリプルキャストでバレエシーンを展開。俳優たちのリーディングと交差しながら、役に命を吹き込むという新感覚の舞台だ。ヒロイン・真澄を演じるダンサーのひとり、ヒューストン・バレエ、Kバレエ トウキョウでプリンシパルとして活躍した飯島望未と、リーディングで真澄役を担う俳優の井桁弘恵が、『SWAN』の魅力、ともに演じる真澄への思いを語り合った。
――『SWAN-白鳥-』の連載が開始されたのは1976年ですが、その後も長く多くのファンに愛され続けてきた作品です。初舞台化に向けての思いをお聞かせください。
飯島 原作の『SWAN-白鳥-』のはバレエを始めた頃に読んでいました。独特の世界観がありますし、時代背景も違いますが、これをどう舞台化していくのかなというところに興味があります。
井桁 私は小さい頃にバレエを習っていたのですが、この仕事を始めてからは接点がなく、まさかこのタイミングでこんな大作に関わることになるなんて、このお仕事って面白いなと改めて感じています。『SWAN-白鳥-』については今回初めて知りました。描写がとても劇的で、生々しさもある。踊りとリーディングでどのように表現されるのか、まだ全然想像がつかないのですが、きっと素晴らしい舞台になると思います。

――おふたりが演じる真澄は、北海道から上京し、才能ある若きダンサーやロシアの優れた教師との出会いを通して才能を開花させていくバレエダンサーです。ダンサーとして、俳優として、共感されるところも多いのではないでしょうか。
飯島 原作には、先生に「出ていけ」と言われる場面があるのですが、大人になって読み返したとき、私も小学生の頃同じことがあったな、と思い出しました(笑)。真澄の、踊ることがひたすら好きなところにすごく共感します。未熟で精神的にも弱かった真澄が、まるでアヒルの子が白鳥になっていくように変わっていく。いろんな人と関わりながら変化していく真澄の成長物語でもありますね。彼女の踊りは人の心に刺さり、感動を与えたり、心を動かしたりできる。作中に登場するリリアナのような天才少女ではないとしても、やはり特別な存在で、人にはないものをたくさん持っています。とてもドラマティックな性格なので、すぐには共感しにくいところもあるけれど、自分との共通点を見つけていけたら。
井桁 真澄って、「私、いま悲しい」というように、感情をすべて言葉にするんです。とても素直で、自分の気持ちに嘘がつけない。悲しいとわかっていながら、その悲しみに引きずられてしまうところがあって、本当に応援したくなるし、とても魅力的。周囲のいろんな人から、さまざまなことをスポンジのように吸収し、自分の中で繋げてステップアップしようともがく姿は、今回の舞台でもどこか応援したくなるキャラクターになるのではないかと思っています。
素晴らしいダンサーが揃う、絶対に観る価値のある舞台
――原作の絵についてはいかがですか。何かインスピレーションを受けられましたか。
井桁 真澄の動きはとても大きいし、感情の幅も広く見える。それぞれの役にそれぞれの個性があるので、そこが爆発して、観ていて飽きない舞台になるのではないかと思います。
飯島 有吉さんの絵はとても神秘的。スタイルも含め、普通のリアルな人間ではありえないものを感じます。私が演じるのは畏れ多いくらいかけ離れていますが、有吉さんがお描きになったこの世界観、真澄の神秘性、透明感を表現できるよう、頑張りたいですね。演じるのはバレエシーンだけでなく、リーディングとともにお芝居をする場面もあって、(真澄が思いを寄せる)飛翔さんとデートするシーンも。
井桁 リーディングの真澄とバレエの真澄とがいて、台本上はカオスに(笑)。バレエはすでに完成されたアートですが、そこにあえてリーディングをつけるなんて、とても挑戦的。お客さまが作品に没入し、感情移入できるような空間を作り出すことができたらなと思います。
飯島 バレリーナってこういう存在だということ、バレエにはたくさんの素晴らしい作品があるということを知っていただくいい機会になると嬉しいです。
――演出の小林香さんにはどのような印象を持たれていますか。
飯島 以前、小林さんが演出された『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』を拝見しているのですが、大号泣して、大感動して──大好きでした!
井桁 舞台経験が少ないので、まずは小林さんの演出をしっかり受け止めて、自分の中から出てきたものも大切にしながら、皆さんとディスカッションをして創っていきたいと思います。人見知りなので、人がいっぱいいるところはちょっとドキドキしますが(笑)。
――振付には福田圭吾さんが参加されますが、リハーサルの感触はいかがでしたか。
飯島 常に何かを創っていて、彼の中の“熱”を優しく伝えてくれる方。私たちの身体とかいろんなことを考えながらリハーサルを進めてくださって、それがとても心地いいんです。バレエシーンでは皆さんがよくご存じの古典が踊られますが、それ以外の部分はもっとコンテンポラリーの振付に取り組んでいます。
――見応えある踊りが期待されますね。
井桁 お芝居の舞台とも違う、バレエのステージとも違う、まったく新しい試みですし、私たちもその初めての目撃者になりますので、ぜひ一緒に楽しんでいただけたらと思います。素晴らしいダンサーの皆さんが揃っている時点で、絶対に観る価値がありますし、盛り上げていただけたら嬉しいです。
飯島 どんな化学反応が生まれるか楽しみですし、お客さまも一緒に楽しんでいただける作品にしていけたらと思います。

取材・文:加藤智子 撮影:石阪大輔
<公演情報>
『SWAN -Ballet cross Reading-』
原作:有吉京子『SWAN─白鳥─』(平凡社刊)
【リーディングキャスト】
井桁弘恵 村川絵梨 東啓介 西野遼 福士誠治
【バレエキャスト】※バレエキャストはトリプルキャストもしくはダブルキャスト
秋元康臣 厚地康雄 飯島望未 今井智也(谷桃子バレエ団)
菊地研 木村優里(新国立劇場バレエ団) 塩谷綾菜(スターダンサーズ・バレエ団)
柴山紗帆(新国立劇場バレエ団) 関野海斗 中島瑞生(新国立劇場バレエ団)
中野伶美 成田紗弥 宮内浩之 山田夏生
米沢唯(新国立劇場バレエ団) 渡邊峻郁(新国立劇場バレエ団)
【特別出演】
倉永美沙(サンフランシスコ・バレエ団) 佐久間奈緒 中村祥子
※バレエキャストの組み合わせは公式ホームページより必ずご確認ください。
2026年9月4日(金)~9日(水)
会場:東京・新国立劇場 中劇場
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/swan-balletcrossreading/
公式ホームページ:
https://swan-balletcrossreading.com/
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