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『杉本博司 絶滅写真』東京国立近代美術館で 約20年ぶりの大規模個展で銀塩写真の“絶滅”に向き合う

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杉本博司 《相模湾、江之浦》 2025年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm (C) Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

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写真、建築、書、陶芸、舞台芸能の演出など様々な領域で活動する現代美術作家・杉本博司の原点となる「銀塩写真」に焦点をあて、初期から現在にいたる作品を展観する個展が、6月16日(火)から9月13日(日)まで、竹橋の東京国立近代美術館で開催される。写真作品で構成する美術館での個展は、国内では2005年の森美術館以来、約20年ぶりの開催となる。

杉本博司 《サヴォア邸》 1998年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm
(C) Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

1948年生まれの杉本は、1970年に渡米後、1974年からはニューヨークと日本を行き来しながら制作活動を展開。当初から確たるコンセプトに基づいて制作を続けてきた杉本の作品はまた、銀塩写真の技術としても頂点を極めるものだ。だが、21世紀に入り、写真が急速にデジタル化し、いかようにも変換可能なデジタル画像に置き換わった今、写真からは「真を写す」という証拠能力が失われ、また銀塩写真の技法自体がまさに「絶滅が危惧されるもの」となっている。同展タイトルの「絶滅写真」には、銀塩写真全盛の頃に生を受け、その終焉の頃に人生の幕を下ろそうとしているという杉本の作品世界を通して、「絶滅」をめぐるヴィジョンに注目する意図が込められている。

杉本博司 《パレス・シアター、ゲーリー》 2015年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm
(C)Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

出品作は、初期の代表作である三部作〈ジオラマ〉〈劇場〉〈海景〉から、〈建築〉〈観念の形〉〈スタイアライズド・スカルプチャー〉、そして終焉を迎えつつある銀塩写真というメディアの始原にさかのぼる〈前写真、時間記録装置〉〈フォトジェニック・ドローイング〉〈肖像〉、さらに近作の〈Opticks〉まで、全13シリーズ、約60点に及ぶ。ゆるやかに時系列に沿いながら、杉本作品の展開をたどっていく同展はまた、〈ジオラマ〉〈海景〉などの4シリーズで初公開の新作が展示されるのも見どころだ。

杉本博司 《ポコット族》 2025年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×185.4cm
(C)Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

展覧会全体に通奏低音として示されている「絶滅」のヴィジョンに向き合いつつ、半世紀にわたって写真というメディアによる表現の可能性を拡張・深化させてきた杉本の作品世界を堪能したい。なお、同展に合わせ、所蔵品ギャラリーの3階で、同館が所蔵する杉本作品の全点と、その制作の秘密を明かす未公開資料「スギモトノート」のサテライト展示が行われる。こちらもお見逃しなく。

<開催情報>
『杉本博司 絶滅写真』

会期:2026年6月16日(火)~9月13日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
時間:10:00~17:00(※金・土曜は~20:00)、入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜、7月21日(火)(※ただし7月20日(月)は開館)
料金;一般 2,300円、大学生1,200円、高校生700円
公式サイト:
https://art.nikkei.com/sugimoto/

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