唐十郎の代表作『ジャガーの眼』を唐組が11年ぶりに上演
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アングラ演劇の旗手・唐十郎が〈状況劇場〉を解散後の1988年に立ち上げ、2012年に唐が病に倒れてからは座員の久保井研が座長代行を務める劇団〈唐組〉。状況劇場時代と変わらず紅テントで興行を打ち続けている彼らが、2019年は“唐十郎’85傑作選”と銘打ち、1985年に初演された唐の戯曲を連続上演する。その1本目となる『ジャガーの眼』は、状況劇場による初演後、唐組や他劇団によっても上演が重ねられてきた人気作。唐組としては11年ぶりの再演となる今回、初めて久保井が演出を手がける。
寺山修司の演劇論集『臓器交換序説』にヒントを得て創作されたと言われる本作は、青年しんいちが肉体市場で角膜を購入し、移植したことから始まる冒険物語。平凡な幸せを手にしつつあったしんいちのもとに、角膜の前の持ち主のフィアンセを名乗る女が現れてからというもの、その眼はまるで意志を持つかのようにしんいちの身体に反逆し始めて……。秋に上演される『ビニールの城』と共に、劇団が「エンタテインメント重視の演劇が多い中、高い文学性と芸術性を持つ」と胸を張る作品。すでに大阪・南天満公園での公演を終え、5月4日(土)より新宿・花園神社にて東京公演を行っている。ほかに、雑司ヶ谷・鬼子母神、宮城・石巻市中瀬公園、長野・長野市城山公園 ふれあい広場でも公演を行う。
文:町田麻子