Negicco、地産地消の朱鷺メッセ公演で16年目の第一歩
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Negicco「love my 15years at 朱鷺メッセ」の様子。
Negiccoの結成15周年記念ライブ「love my 15years at 朱鷺メッセ」が、昨日7月21日に新潟・朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 展示ホールBで行われた。
新潟産の「やわ肌ねぎ」PRキャンペーンを行うアイドルユニットとして、2003年7月20日に誕生したNegicco。活動は1カ月限定の予定だったが、“熊さん”こと熊倉維仁マネージャーをはじめとする周囲の人々の働きかけによりキャンペーン終了後も活動は継続し、今年ついに結成15周年を迎えた。地元新潟のアリーナ会場を舞台にした昨日のライブには全国各地から約2000名のファンが集い、Negiccoの15周年を祝福した。
ライブのオープニングは、Negiccoの3人が15年の歩みを記録したアルバムをめくる映像からスタート。Nao☆、Megu、Kaede、そして初期メンバーMikuやMisakiの懐かしく初々しい写真が次々とスクリーンに映し出される。そしてオープニングナンバー「Make Up Prelude」に乗せてステージに登場したNegiccoは、デビュー10周年の2013年にリリースされた1stアルバム「Melody Palette」から、メンバー3人で作詞した「ネガティヴ・ガールズ!」でライブの幕を開けた。前半は3人のみのステージで「アイドルばかり聴かないで」「サンシャイン日本海」「カリプソ娘に花束を」といったシングル曲と初期のナンバー「ネギさま!Bravo☆」の計7曲が連続で歌われ、Meguは「この景色……すごいよ」と2000人がずらりと並ぶアリーナを見渡しつぶやいた。
その後Negiccoは、sugarbeans(Key)、設楽博臣(G)、3人編成のネギホーンズ、ダブルカルテット編成のネギストリングスの計13名をステージに呼び込み、生演奏を交えたパフォーマンスを展開する。7月10日に発売された最新アルバム「MY COLOR」からの新曲「そして物語は行く」「Never Ending Story」「ノスタルジア」も、長谷泰宏(ユメトコスメ)によるストリングス編曲と演奏ディレクションでこの日限りのスペシャルバージョンに。ピアノとギターによるシンプルなアレンジの「Anniversaries」と「SKY」ではステージ上に本物の稲を敷き詰めたオブジェが運び込まれ、Negiccoは稲穂を前に優しい歌声を響かせた。Negiccoがステージに稲穂を持ち込んだのは、2015年8月の東京・日比谷野外大音楽堂公演「Negicco at 日比谷野外音楽堂 Road of Negiiiiii ~Negicco One Man Show~ 2015 Summer」以来2度目。この稲穂は今回のライブをサポートする地元企業・サトウ食品が用意した新潟産の稲で、新潟の風景を野音に持ち込んだ前回と、地元にファンを招いた今回との違いをKaedeは「地産地消? 自給自足?」と表現した。
中島愛が作詞、ミト(クラムボン)が作編曲を担当したバラード「硝子色の夏」で大人びた歌声を届けたNegiccoは、次の「グッデイ・ユア・ライフ(下り ver.)」ではNegiccoの楽曲を数多く手がけるconnieと共演。もともとNegiccoのいちファンだったconnieは現在、地元新潟のプレハブ建築会社で働きながらNegiccoの音楽プロデューサーを務めており、この日は午前中に建方現場での仕事を終えたあと朱鷺メッセでマイクを握った。connieがステージを去ると、Negiccoは「My Beautiful Life」の一節に「Negiccoから君へ」をつなげてconnieへの感謝を伝えた。スライド映像を挟んだ次のブロックでは「光のシュプール」「トリプル!WONDERLAND」「キミはドリーム」が生演奏を加えたアレンジで歌われ、ポップなアップテンポナンバーの連続でアリーナの熱気は急上昇。Kaedeは「暗くなったときに光るNegiライトがすっごいきれいなんですよ。『ときめきのヘッドライナー』のMVではこういう景色を人工的に作ってもらったんですけど、まさか本当の人たちが……」と、2013年のシングル「ときめきのヘッドライナー」のミュージックビデオでCG合成したペンライトの海を再現したかのような光景に大喜び。ここで3人はその「ときめきのヘッドライナー」を歌い、観客はネギ色のペンライト“Negiライト”を高く掲げてMVそっくりの景色を作り上げた。「ねぇバーディア」で会場をさらに沸かせたNegiccoは、最後に最新アルバム「MY COLOR」から、冨田恵一が提供した神秘的なバラードナンバー「雫の輪」を披露して穏やかに本編を終えた。
アリーナに反響する2000人の「アンコール、ネギ!」の声を受け、Negiccoは再度ステージへ。リーダーNao☆は改めて15年間の活動を支えてくれたファンやスタッフ、そして地元新潟に感謝の言葉を述べ、3人は15年分の思いを詰め込んだNao☆作詞の新曲「はじまりの場所」、メンバーとファンとの関係性を描いた堀込高樹(KIRINJI)提供のバラード「愛は光」を熱唱した。「ネギのPRから始まって、誰一人アイドルになろうと思っていなかった3人が15年もアイドルをやってるなんて不思議だよね」としみじみ語った3人は、connieの作詞作曲でNegiccoの原点を歌った新曲「15」(いちご)をここで初披露。間髪入れずに15年前のデビュー曲「恋するねぎっ娘」のイントロが流れると客席から大歓声が湧き、さらに「ねぎねぎROCK ~私もお家に連れてって~」とネギをモチーフにした初期楽曲2連発で大盛り上がり。アンコールはNegiccoが活動を始めたスタートラインである古町商店街をイメージした「Falling Stars」で締めくくられたが、観客の「アンコール、ネギ!!」は鳴り止まない。三たび登場したNegiccoは「さよならMusic」で声援に応え、代表曲「圧倒的なスタイル」ではNegicco、バンドメンバー、観客が隣同士肩を組んでのラインダンスで一体に。広大なアリーナ会場で2000人が肩を組んでジャンプする圧巻の光景が広がった。客席をバックに記念撮影を行ったNegiccoは最後に1人ひとり、ライブの感想と感謝の言葉を伝えていく。
Kaedeは「Nao☆ちゃんとぽんちゃ(Megu)がいなかったら本当にここまで続けてこれなかっただろうし、熊さんがいなくても、connieさんがいなくても……そういう人たちがNegiccoにはいっぱいいるんです。ファンの方も貴重な1日に朱鷺メッセに来てくださって本当にありがとうございます。まだできることはたくさんあるなと改めて思ったので、これからもぜひ応援よろしくお願いします」とこれから先の活動にも思いを馳せ、Meguは「Negiccoに人生と青春を重ねてきたので、こうして活動してきたことを形にできたことがうれしいです。『自分なんかNegiccoにいていいのかな』と思ったり、悔し涙もたくさん流してきましたけど、1人ひとりの個性と色がなければNegiccoはなかったという『MY COLOR』のコンセプトを聞いて、まだまだがんばりたいと思いました」と改めてNegiccoに賭ける思いを語った。最後にリーダーNao☆が「私たちの大切な新潟に来てくれた皆さんに感謝しています。これからもみんなと一緒に見たことない景色を見ていけたらなと思います。15年経ちましたけど、また今日から新たなスタートということで……みんな付いてきてくれるかなー?」と呼びかけると、アリーナには申し合わせたように「いいともー!」の声がこだまする。そしてNegiccoはさらにもう1曲、connieが初めて楽曲提供した「トキメキ★マイドリーム」を歌って16年目の第一歩を踏み出した。
Negiccoは続いて7月27、28日に東京・浅草ROX まつり湯6F食事処「かんぱい」大入り広間で結成15周年記念イベント「まつり湯特別企画(祝)15周年おめでとうNegicco大生誕祭 其の壱」を開催。10月13日には新潟・北方文化博物館 西門広場 野外大ステージにて、KIRINJI、サニーデイ・サービス、YOUR SONG IS GOOD、CRCK/LCKSを迎えて主催イベント「NEGi FES 2018」を行う。