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『アベンジャーズ/エンドゲーム』一体どこで見れば良い? 映画館の選び方を解説

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リアルサウンド

 いよいよ待ちに待った『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開が迫っている。大作映画が公開されるたびに考えるのが、「どこで見るか問題」。今やIMAXやDolby Atmos、4D上映など様々な上映形態が存在しており、「楽しみにしている映画をどこで見るのが正解なんだろう?」と頭を悩ます方も多いのではないだろうか?

参考:『アベンジャーズ/エンドゲーム』への期待 MCUの一大シリーズ10年の歩みを総括する 

 結論から言ってしまえば、どの劇場にも一長一短あり、どこが最高の体験を得られるのかという問題は、作品と劇場の相性や個人の感じ方によって変わってくる。

 では正解がないのなら一体どう選べばいいのだろうか。その最適解を得るには、自分の好みと作品の特質を把握するほかない。今回は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』と映画館の相性を分析していく。ちなみに、あくまで本記事は主観記事。『エンドゲーム』の公開に合わせて全国の映画館を飛び回るような映画”館”マニアの同志に向けた記事ではないことをご容赦いただきたい。

■IMAX
 日本国内でも随分と認知度を増したIMAX。カナダのIMAX社が開発したプレミアムシアターフォーマットだ。「IMAXは画面が大きくて音が良いらしいから間違いない」と考え劇場に足を運ぶ方も多いのではないだろうか。『エンドゲーム』をIMAXで見るメリットは、通常より約26%大きな映像が楽しめる点だろう。

 『エンドゲーム』はIMAX社のカメラによって撮影されているため、元の映像がIMAXスクリーンに適した画角で作られている。そのため他のスクリーンで上映する際はスクリーンの上下をトリミングした状態での上映となるのだ。アンソニー&ジョー・ルッソ監督が本来意図した状態での上映はIMAXなのかもしれない。

■Dolby Cinema
 昨年秋に、T・ジョイ博多に上陸し、本作公開に合わせてMOVIXさいたまに導入されるのがDolby Cinemaだ。詳しい特徴は、以前行ったレポートを参考にしてほしいのだが、本作との相性を考えると、黒の表現力が非常に重要になるのではないだろうか。これは体験してみないことにはイメージしづらいが、Dolby Visionにより、暗所の映像の鮮明さ、明るさ、色彩の情報量が段違いに引き上げられるのだ。

 アクション映画の夜間での戦闘シーンで、真っ暗で何が起こっているのかよくわからないと感じたことのある方は多いだろう。Dolby Cinemaでは、黒の微細な違いをも表現するため、そのような”わけのわからない”状態が発生せず、ストレスフリーな映画体験が堪能できる。『インフィニティ・ウォー』の際は、スコットランドを舞台に3次元空間を存分に活かした夜間戦闘が繰り広げられた。本作でもDolby Cinemaにマッチした映画体験が期待できる。

■追加料金なしで、少しでもいい環境で見たい方へ
 ここまで、プレミアムシアター2つを紹介したが、次は通常劇場でのコツを紹介。どの劇場も実際に自分で鑑賞しないことには良さがわからないが、情報からある程度の指標をつけることもできる。

 劇場のHPには、施設案内という形でスクリーンの情報、たとえば、スクリーンサイズや座席数、音響システムなどが記載されている。予約を取る前にそのシアターがどのくらいのサイズなのか把握しておくのがポイント。当然収容人数が多ければ多いほど、大きなスクリーンでたくさんの観客と映画を共有することとなる。『エンドゲーム』は話題作であるため通常であれば最大箱が当てられるが、今年のゴールデンウィークのライバル『名探偵コナン 紺青の拳』の存在も懸念しておいたほうがいい。ファミリー層が多い劇場では、動員を考慮して『エンドゲーム』を2番手3番手の箱に回す可能性も十分に考えられる。

 その上、スクリーンの画面比率にも気を遣うと良い。本作は、通常上映ではシネスコサイズ(2.35:1)での上映となるため、ビスタサイズ(1:1.85)のスクリーンでは上下に余白が生まれる。スクリーンマスクを使って余白を隠す劇場は現在はめっきり減ってしまったため、フルスクリーン感を味わいたいのであれば、作品の画角に対応したシネスコスクリーンを選ぶのも重要だ。

 さらにこだわりたいという方は、スクリーンの生地も気にしてほしい。これはHPなどには公開されていないのだが、スクリーン生地には、大きく分けるとシルバースクリーンとホワイトスクリーンが存在する。シルバースクリーンはRealDなどの使い捨て3Dメガネのシステムに対応しているため、多くの劇場に採用されているのだが、ホワイトスクリーンと比べ画質が低く、スクリーンの中心と端での輝度の差が著しく、映像にムラが出やすいと一般的に言われている。映写技師や劇場関係者もホワイトスクリーンによる上映に重要性を感じており、立川シネマシティは2017年にシルバーからホワイトスクリーンへ張替えを行った。先日オープンしたUPLINK吉祥寺も全館ホワイトスクリーンでの開業となった。

 劇場に直接問い合わせない限り、スクリーンの生地を確認することは難しいのだが、簡単な指標も存在する。3D上映に対応しているスクリーンなら、3D方式によってある程度判別が可能だ。基本的にはRealDやIMAX 3Dなど使い捨てのメガネを使う方式はシルバースクリーンを採用しており、XpanDなど貸出の電池式のメガネを採用している劇場はホワイトスクリーンが多いのだ。使い捨てメガネを使用した3Dシステムがシルバースクリーンでないと効果が出ないため、このような差異が生まれる。

 その他にも、前述の立川シネマシティをはじめとする音響システムにこだわった映画館など、映画体験を向上させる上映はいくつも存在する。近くの映画館を調べてみると、力の入った上映を企画しているところも多いだろう。この2019年に映画館で『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見る体験こそが素晴らしい映画体験であり、未来の子どもたちに自慢できるであろう一瞬に違いはないのだ。どんな映画館であれ個人個人にとってかけがえのない体験になることを祈ろう。

(文=安田周平)