川島如恵留主演『惰性クラブ』開幕 復帰から1年「グループにいられることに心から感謝」
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『惰性クラブ』取材会より
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すべて見る川島如恵留主演、松本哲也による新作書下ろし作品『惰性クラブ』が、2026年6月8日に開幕。初日前日の7日にゲネプロ取材会が行われ、作・演出の松本哲也、出演の川島如恵留、中村まこと、村田秀亮、那須佐代子が登壇し、作品への想いや公演への意気込みを語った。
本作の舞台は、とある田舎の倉庫。高校時代からなんとなく集まり続けている仲間たちが、代わり映えのない日々を過ごしている。そこへ「町に不審な男が現れた」という噂や、東京で就職した仲間の帰郷が重なり、止まっていた時間が少しずつ動き始める。
描かれるのは、「なんとなく続いている関係」と「理由はないけれど集まってしまう場所」。夢を語るでもなく、かといって諦めきることもできない若者たちの“惰性”の時間と、その静かな日常に差し込む小さな揺らぎが、観る者の胸をじわりと締め付ける濃密な会話劇として展開される。また、宮崎弁による会話劇で注目を集めてきた劇団「小松台東」主宰の松本が、夢や将来への不安、過去の挫折を抱えながら生きる等身大の人々の姿を、宮崎弁ならではの温度感とリアリティで描き出す。
主人公の直哉を演じる川島(Travis Japan)は、「(稽古は)十分にできています! 楽しみにしていてください」と胸を張る。

その言葉を受けて、村田も「1カ月半くらい、毎日、(稽古場のある)新大久保に来ています。人生でこんなに来たことがないくらいなので、完璧に仕上がっていると思います」と続く。さらに、那須も「稽古は、じっくりじっくりやりました。なので、満を持して観ていただける、面白い作品になっていると思います」と話し、中村も「僕は前のお芝居の関係で遅れて稽古に入らせていただきましたが、その時にはすでに、『なんだこの稽古は』と驚いたくらいびっしりやられていました。しかも、僕はここで4月にもお芝居をやっていたので、またここにいるなと興味深いです」と稽古を振り返った。

今回の脚本は、松本自身の20代の頃を投影して描かれたものだというが、松本は「僕が20代の頃はうだつの上がらない生活をして、毎日テレビゲームばかりして過ごしている人生でした。自分が何をしたいのか、やりたいことが見つけられない20代でしたが、そういう人たちはたくさんいると思います。そうした人が、この舞台を観て、如恵留くんが演じる直哉という人物を通して、小さな一歩を踏み出そうと思っていただけたらと思います。小さな一歩かもしれませんが、それは大きな一歩につながるということを伝えられたらいいなと思います」と本作への想いを語った。
川島が演じる直哉は、過去の挫折経験から“惰性”で日々を過ごす人物だが、「仲間に恵まれているところに共感しました。やっぱりひとりじゃないからこそ踏み出せた一歩があることを感じますし、挫折をしたとしても周りに大切な仲間がいれば、再起しようという気持ちになれる。それは似通っているところだと思います」と自身との共通点についても言及した。
「挫折したことはあるか?」という質問には、「ないです」ときっぱり。「挫折したなと思う瞬間はありますが、振り返ってみるとそれも必要な経験値だったと思います」と語った。また、川島は「実はゲネプロを行っている今日6月7日は、僕が昨年Travis Japanに復帰したコンサートの日でもあるんです。ちょうど1年になりますが、改めて僕自身、Travis Japanでいられることに心から感謝しています。良い仲間に恵まれ、今こうしてまたステージに立たせていただいていることを実感しています。そうした期間があったからこそ、直哉も仲間に恵まれ、また一歩を踏み出すという舞台をお届けできているのだと思います」と感慨をにじませた。
また、本作について川島は「松本さんがおっしゃっていましたが、会話劇でありながら“視線劇”でもあります」と紹介した。この“視線劇”について松本は、「舞台上で視線がどのように交わされているのかを大切に演じてほしいと、役者の皆さんに伝えています。視線にはたくさんの情報が込められているので、田舎の倉庫の空気感も含め、セリフではない部分も視線で伝えられたら」と説明。那須も、視線での芝居について「難しかった」と明かし、「どれくらいの知り合いなのか、あるいは知り合いではないのかを探りながら演じていたので、それを視線で表現するのはとても難しい芝居でした」と振り返った。

中村は川島とは2年ぶりの共演。今回は親子という役柄を演じるが、川島の成長について聞かれると「以前からクレバーな人だなと思っていましたが、2年経って少したくましくなったように思います。大人になった。僕は電気工事などをする設備屋という設定なので、仕事をする息子(川島)に叱ったりするシーンがあるんですが、(川島は)電気工事士の資格を持っているので、素人の私に怒られてもな……と思いながら芝居しています(笑)。お芝居も素敵です」と川島を絶賛した。

今回は、全編宮崎弁での舞台。宮崎出身の村田は「稽古が始まった当初は、やっぱり全然、宮崎弁じゃないなと思いましたが、皆さんどんどん方言がしっかり入ってきて。今は僕の地元の友だちが聞いても『宮崎人じゃないかな』と思うくらいナチュラルです。全員がすごくきれいな宮崎弁です」と太鼓判を押した。
最後に、川島は改めて「この素晴らしい舞台が開幕できることをとても嬉しく思っています。劇場にお越しくださる皆さまの人生が少し変わる、そんな素敵な瞬間をお届けできるのではないかと信じて演じさせていただきます。公演を通して、また一味変わった自分と出会っていただけるように、そして宮崎弁も必死に頑張って演じたいと思います」と意気込みを述べて、取材を締めくくった。
直哉をはじめ、登場人物たちはそれぞれに悩みや葛藤を抱え、一歩を踏み出せずにいる。そんな等身大の人物像が物語に深みを与え、観客の共感を呼ぶ。中でも印象的なのは直哉だ。高校時代にサッカーの道を諦め、上京後も挫折を経験したことで、前向きな気持ちを失っている。夢を追うことの苦しさや、思うように前へ進めないもどかしさに、自身を重ねる観客も多いのではないだろうか。川島はそんな直哉の人間らしい弱さや揺れる感情を、丁寧かつ繊細に表現していた。
また、取材会で松本が語っていた"視線の演技"も見どころのひとつ。登場人物たちの目線やほんのわずかな動きによって、その場の空気が大きく変化する様子が印象に残った。若者たちだけの場面では複雑な感情がありながらも比較的穏やかな空気が流れる一方、見知らぬ人物が加わることで一転緊張感が生まれる。言葉のやり取りだけでなく、そうした空気の変化にも注目しながら楽しみたい作品だ。
<公演情報>
『惰性クラブ』
作・演出:松本哲也
出演:
川島如恵留(Travis Japan)
広田亮平
富田健太郎
金澤美穂
見津賢
瑞生桜子
佐藤達
中村まこと
村田秀亮
那須佐代子
【東京公演】
2026年6月8日(月)~28日(日)
会場:東京グローブ座
【大阪公演】
2026年7月3日(金)~5日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
関連リンク
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/dasei-club/
公式サイト:
https://dasei-club.com/
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