「ネガティブな思いも、幸せへ変換できる存在になりたい」中島颯太が気づいた、聴いてくれる人たちに届けたいもの
ホビー・スタイル
インタビュー
(撮影/堺優史)
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すべて見る周りにいる人間を幸せにしてくれる、明るいオーラに満ち溢れた中島颯太は、柔らかい空気感が魅力的な人だ。FANTASTICSのボーカルで近年、俳優としての活躍も目覚ましい彼が2冊目となる写真集『THE SELF』を発売。音楽が大好きな中島にとって憧れの地・イングランドで撮影をした旅は、イギリスのアートや音楽のカルチャーに触れて自身の感性を研ぎ澄ますきっかけに。自分らしさを追求した一冊には、中島颯太が愛される理由が詰まっている。
ヨーロッパの街並みを歩いてみたかった

――まずは写真集「THE SELF」というタイトルに込められた想いから教えてください。
タイトルは撮影に行く前に決めずに帰ってきてから決まったんです。行く前にこれをテーマにしようと思っていたのが、インプットとアウトプット。自分自身を知ったり、表現したりっていうことを目標にしていました。初めてヨーロッパに行って、ギターを弾いてみたり、その場でセッションしてみたり、レコード屋に行ったり。やっぱり音楽が好きだなと思えるようなインプットができる時間になりました。
――自分が好きなものを再確認できたんですね。
そうですね。自分の中にある感情やポジティブな部分を改めて知ることができて。自分自身を愛すことや、自分っていうものを改めて知った撮影になったので、概念でもあり、形でもあり、感情でもありっていうのを表現できるものは何かと考え、いろいろ思いついた候補から「THE SELF」が1番いいんじゃないかなと。自分らしいものになったと思います。
――中島さんにとって2冊目の写真集となりますが、今回はこれをやりたいというご自身のアイディアはあったんでしょうか。
自分の趣味でもあるカメラを持って行って、写真を撮りたいと提案しました。写真集の中にも僕が撮った写真が掲載されています。自分のカメラで撮った景色が特別プレミアム版ではポストカードブックになっています。イングランドでのインプットを写真集にアウトプットすることを目標に写真を撮って、自分の写真を入れてみたいという想いが実現しました!
――特別プレミアム版のポストカードブック、すごくおしゃれですね。
何百枚も撮って、たくさんの候補がある中から絞りました。フィルムカメラで撮ったものは焼いてみて、写真が出来上がってから決めました。お気に入りの1枚は写真集の中からだと川にいるキッズと川の中にいるワンちゃんを撮ったもの。じつは、ワンちゃんも女のコもめちゃくちゃヤンチャで。その女のコの、ワンちゃんに石を投げようとしていたんですよ(笑)。ポストカードのほうでお気に入りは、オレンジのニット帽をかぶった人を後ろから撮らせていただいた1枚。どっちも偶然の出会いの中で撮ったものです。

――イギリスの素敵な街並みも切り取られていますが、撮影場所に初めて訪れるヨーロッパを選んだのは、憧れの地だったそうですね。
そうなんですよ。ヨーロッパの街並みを1回歩いてみたいっていう想いがありました。イングランドって、音楽の聖地じゃないですか。ロンドンはビートルズの本拠地で。70年代後半から30年代初頭のUKロックの歴史が詰まった地なので、音楽を本場で感じてみたかったんです。ロンドンにある「ラフ・トレード・ショップ」っていうレコード屋さんも行ってみたかった場所でそこでも撮影をしました。
――昔からあるラフ・トレードのレコードショップなんですね。イギリスのカルチャーを味わえる場所に行ってみていかがでしたか?
本当にめちゃくちゃ良かったです。店内が思っていたより広くて、見応えありました。最近は、家でそこで買ったレコードのターンテーブルマットを使って聴いてます。グッズもゲットしました。ラフ・トレード・ショップのトレーナーを買ったので、それを着て行ったら、お世話になっているラジオのスタッフさんやDJさんにめちゃくちゃうらやましがられました(笑)。音楽好きの方には、みんなラフ・トレード・ショップ人気がすごいので。レコードは、『ラフ・トレード・ショップ』とは別にアビーロードで厳選して買いました。
――写真集の中でアコースティックギターやドラムパーカッション、ピアノなど楽器演奏しているカットもあります。音楽とのふれあいの旅でもあったんですね。
そうですね。カメラもそうですけど、今までやってきた自分の好きなことをイングランドでも触れたいと思って。楽器もずっと好きだったので、ピアノ、ギター、ドラムを前に撮影しました。フリースタイルで、全部その場で生まれたものを撮っていただいて、めちゃくちゃ楽しかったです。即興で演奏したんですが、僕の楽器演奏とカメラマンさんのカメラでセッションしている…みたいな感覚でした。ドラムを叩きながら、全員で叫びながら撮ったりも(笑)。
ネガティブなものが自分の中になさすぎたことに気づいた

――カフェでハンバーガー食べているカットやおしゃれなレストランのカットもありましたが、食事を含め、むこうでの生活はいかがでしたか。
いろんな方から「イングランドって食事は美味しいの?」って言われたんですが、何を食べても全部美味しくて、大好きになりました。毎朝、メイクを終えたら、まずパン屋さんのカフェに行っていました。撮影はなしで、チームの皆とコーヒーとパンの朝ごはんを食べる時間があって。それが本当に良いスケジューリングでした。
――カフェで過ごす一日の始まり、素敵です。
カフェのパンがめちゃくちゃ美味しくて。日本ではあまりないんですけど、クロワッサンの中にちょっと中に甘いペーストみたいなのが入っていて。アーモンドクリームなのかな? あれがめちゃくちゃ美味しかったです。クロワッサンの中にハムとチーズ挟んでも美味しいし。どれだけ食べるの?ってくらい、朝からみんなパンをガッツリ食べてました(笑)。食いしん坊が揃ったチームで、チームワークも良かったですね。撮影後の夜ご飯も楽しみでした。イギリスで食べる中華料理やスパニッシュも美味しかったです。1日目の夜に食べたスペイン料理は最高でした。
――写真集撮影では、食事制限をガッツリして挑む方もいますけど、気にされないんですね。
食事制限はまったくしていないです。普段からお菓子は食べないですけど、好きなものを好きな時に食べます。リハの時に差し入れのお菓子を皆でちょっと食べることはありますけど、あまり自分でお菓子を買うことがないかもしれません。でも、ジャンクフードは好きです。めっちゃラーメンを食べますし、ハンバーガーやポテトも大好きです。昨日も深夜にいっぱいパクパク食べたんですけど、顔には出ないタイプですね。

――うらやましいです。普段から身体作りをしているから、たまに食べても平気なんですね。先ほどカメラマンさんとの熱いセッションをした話もありましたが、撮影で印象的だったエピソードはありますか。
カメラマンさんは、本当に熱くてパワフルな方で「もっと来い!」って、正面からぶつかってきてくださいました。ただカッコいい瞬間を切り取るのではなく、ストーリーを求められました。「この1枚で見ている人にどういうことを伝えたいか、訴えかける感情がないといい写真集にならない」っていうのをイングランドに行く前から言って下さって。撮りながら、「もっと感情を見せて」とか、「もっと自由でいい」って言葉をかけてもらったので、本当にいろいろな感情になりました。最終的に、「もっとネガティブなものや、今までの辛いことを全部吐き出して来い」って言われた時、そういうものが自分の中になさすぎて……。それを確認した感じです。
――ネガティブなものが自分の中にないってすごいです。中島さんは天使なのでは(笑)。
いや、本当に自分の中にそういう感情がなさすぎて。ちょっと逆にイラついちゃったんです(笑)。あるのに「ない」って言っているんじゃない。本当にないんですよ。でも、無理して出すのは、もうお芝居になっちゃうし…。ないならないで、それでいいかってなりました。フォトセッションでは皆、感情をぶつけると思うんですけど、僕はネガティブなものがなくてもいいのかなって。というのは、それは自分だけの感覚だと思って。そこで自分の強さを知りました。
聴く人に元気になってもらいたいから、アーティストになった

――怒りとか、悲しみとか、負の感情がないというのは、普段、溜め込まないからですか?
違う形でアウトプットをしているのかもしれません。何かあってもそれを幸せの方に変換するので、嫌な感情が残らない。楽しいことに変換しています。例えば、ちょっとネガティブなことがあっても、これは試練だって逆に燃えるタイプです(笑)。何か起こっても、それで落ち込んだり、短気になったりするのは、“そんな次元には自分はいない!!”と思っているので、感情を安定させます。ネガティブな感情に支配されているのは、もったいないことだと個人的には思います。たとえば、嫌な感情にしてくる人がいたらその人を変えるぐらい自分がいい人であれば、そういう人も嫌なことをしてこないはず。そう両親から教わってきたので、無意識で自分にとって心地良い感情でいられます。
――無意識に嫌な気持ちを幸せになれる方向に変換できるからこそ、ポジティブにいられるんですね。中島さんから放たれる明るいオーラの理由が分かった気がします。
いえいえ。カメラマンさんからは「今までいろんな人を撮ってきたけど、負の感情がない人は初めて。大体、みんな泣いちゃったり、悔しかったり、感情を爆発させるけど、笑い始めたからビックリした」って言われて。僕は他の人と違う感覚を持っていてもいいんだと思えました。そう思えたのは、イングランドという場所だったからっていうのもそうですし、いいチームだったから、というのもあると思います。そんな想いも伝えたいなということで、最後に綴っている文章はイングランドの夜に書いたものも掲載しています。
――お話されるときの言葉選びもポジティブで前向きな中島さんですが、ポジティブとかネガティブとかカテゴライズせず、自分をしっかり持つことが大事とコメントされていますよね。
でも、「こうなった方がいいよ」と伝えたいわけではないんです。多分、みんな辛いこともあるし、ネガティブな感情があると思うけど、それがない僕に頼ってくださいっていう感覚で書きました。
――受容力が半端ないです(笑)。
そもそもアーティストになりたいと思ったのは、聴く人に元気になって欲しいという気持ちが大きいので。皆がネガティブな想いもいいものに変換できるような存在になりたいです。

――写真集は、ファンの向けて綴った短いフレーズもあって、本当に中島さんらしさが詰まった一冊になっていますね。自分の個性をどう伸ばして自分らしさを見つけたらいいのか分からない若い世代の人たちにアドバイスをお願いします。
自分らしさっていうものが何なのか見つけようとすると難しいと思うので、まずは自分を好きでいることを大切にして欲しいです。僕は今回の写真集で旅をしながら、やっぱり自分のことが好きなんだなと思えました。自分が好きだとどんな自分も否定しない気がします。例えば、たった1ヶ月しかカメラが好きじゃなくて興味を失ってしまったとしますよね。それで続かなかったなと落ち込むんじゃなくて、1ヶ月間カメラが好きだったのも自分らしいと思う。自分を好きだと、どんな形であれ自分のことを認めてあげられる。今のこの形が自分なんだって胸を張って言えるようになると思います。
――なるほど。
まず、自分で好きでいること。自分が好きってことを隠さず、肯定してあげてほしいなと思います。そういう生き方をしていたら、それが自分らしさに繋がっていくのかなと思います。
――自分のことを好きになるために、好きな自分でいようとすることも大事ですね。
そうですね。こういう自分が嫌って嫌いになるのではなく、そういう部分も結局自分だなって思いながら笑ってあげてほしい。僕はその感覚がもう身に染みついているから言えるのかなと思います。
――自己肯定感、高めるのが幸せの秘訣ですね。自分らしくいるために疲れた時、どうやってリフレッシュされていますか。
やっぱり音楽を聴くことですかね。5分の空き時間に、1曲聴くだけでも、一気に違う世界に誘ってくれるのが音楽。時間も超越しますよね。昔、よく聴いていた曲を久々に聴くと当時の情景が浮かぶとか。音楽っていろんな力を持っていて、ホントにすごい。前向きな歌詞の曲を聴くと、僕も誰かを支えられるように曲を歌えたらいいなって常に思いますし。誰かの気持ちを変えられるような歌を届けられるようになりたいです。

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中島颯太 2nd写真集『THE SELF』
【発売日】
2026/6/12(金)発売
https://m.tribe-m.jp/ldh_page/discography_gl9_fantastics_books_nakajimasota_2nd_photobook_theself_index

◆通常版
仕様:A4判並 / 160頁予定
価格:¥3,000+税
◆特別プレミアム版
仕様:A4判並 / 160頁予定
価格:¥8,000+税
予約開始:2026/1/29(木)23:00~
※3/12(木)以降は各書店なくなり次第終了となります。
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撮影/堺優史、取材・文/福田恵子
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