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【ライブレポート】Geloomy、Jeremy Quartusとの競演で示した現在地 初のフルアルバム&ワンマンツアー開催も発表

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『Geloomy presents 「TABLE for TWO」』 Photo:Rintaro Miyawaki

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Text:沖さやこ Photo:Rintaro Miyawaki

メンバー全員が臓器名を冠し、食をモチーフにした“ミールミュージック”を掲げる4人組ネオディスコバンド、Geloomy。彼らが2026年6月5日、自主企画ツーマンライブ『Geloomy presents 「TABLE for TWO」』を代官山UNITにて開催した。“2名用の席=相席”という意味が込められた同イベントのゲストに招かれたのは、NulbarichのJQによるソロプロジェクト・Jeremy Quartusである。世代は違えども両者ともにブラックミュージックなどをルーツに持ち、さらにGeloomyが今年4月から所属しているインディレーベル「sen records」の設立者であるLee Sangwoo(イ・サンウ)はNulbarichのメンバーとしての活動歴もあるなど縁も深い。2010年代のシーンを切り開いた立役者と、2020年代のシーンを牽引する脂の乗った若手の競演は、完全ソールドアウトのフロアを大いに沸かした。

◼︎Jeremy Quartus

Takeru Yamazaki(key)、Yuki "Lin" Hayashi(b)とともにステージに現れたJQは、おもむろにギターをつま弾き、「よろしく」と一言告げて「HOLY」を歌い始める。空間系のエフェクターを用いたエレキ弾き語りにサポートメンバーが音を重ねると、感傷性の高いメロディがより生々しく立ちのぼった。繊細なタッチのピアノと、ボトムの太いベースの音色は、美しくもいびつな、物悲しくもたくましいサウンドを作り出す。JQの内面の奥深くへといざなわれるようだ。

ギターを置いてハンドマイクスタイルになると「Back To Paradise」を披露する。リラックスするように落ち着いたメロディを歌い、アッパーなビートと浮遊感が両立したサウンドは彼の持つ光と影を映し出した。「Relapse」ではシンセやキーボードの音色が清涼感を、ヘヴィで躍動感のある低音が生命力を作る。そこに余裕のあるJQのボーカルが乗ることでより風通しのいい音像が生まれていた。

JQはホストのGeloomyのために会場をあたためると宣言し、ドラムボーカルスタイルにチェンジする。「Knife & Fork」で心地よく会場を揺らすと、「Beat Tub」では笑顔を浮かべながらサポートメンバーのふたりの音色に自身の歌とビートを乗せる。フックとなるフレーズのリフレインが、バンドのグルーヴをより増幅させた。「Deep End」は新アレンジで披露され、より生楽器主体となったサウンドメイクはピュアでピースフルなムードが立ち込める。メンバーとともに音を重ねるJQの表情は柔らかく、彼が等身大で音楽を楽しむ様子も会場の空気を和らげていた。

Geloomyの腎臓(b)が手掛けたバンドグッズの“Tomato Towel”を掲げたJQは、「かっこいいアーティストはこれをフロアに投げたりするんですよ」と言い、過去に客席に向かって投げ入れようとしたものの全然遠くまで飛ばずに笑われたエピソードを明かす。さらに「タオルの一部分を結んでボール状にするといい」と遠くに投げ飛ばすためのコツを伝授し、「あの方々が大きいステージに立ったときは、それを覚えておいていただければ」とGeloomyに呼び掛けてフロアを笑いに包んだ。

最新シングル曲「STILLNESS」でポップネスとディープネスを往来するように様々な情景を描き出し、「自分の中の悪魔をあっちへポイっとする曲です」と告げ「BIG BUG BEAR」で自身のステージを締めくくる。心を解き放つような晴れやかな音色と、JQのエモーショナルなドラムは、新しい未来を切り開くポジティビティを感じさせた。JQがステージを去る際、フロアにタオルを投げ入れる仕草をするものの投げ入れないという、天邪鬼なラストも彼らしかった。

◼︎Geloomy

えずく声を合図にハウスミュージック調のSEが流れると、それに乗せて流れた「もうお腹いっぱいなんて言わせないよ、1回吐き出して胃のスペースを空けときな」「どこまでいってもビートミュージックは鳴りやまないよ」「こっちに来てみない?」というボイスチェンジャーによる変声アナウンスがフロアを盛り上げると、サングラス姿のGeloomyが登場。ステージ背景一面にグラフィックが施され、最新シングル曲「vetsuvara(sweet)」でライブをスタートさせた。

堂々としていてスマートながらに豪快な腎臓と肺(ds)によるリズムワークと、スタイリッシュな音色を黙々と奏で音に奥行きを作り出す肝臓(key)によるアンサンブルがフロアを揺らし、小腸(vo/g)のハンドマイクでのパフォーマンスに導かれるように観客は“まわれ右”とコールする。小腸がアウトロでギターを持って演奏に加わると熱はさらに上がり、サイケデリックなムードは観客一人ひとりの心を突き動かした。

その後もクラシカルなビートルズを彷彿とさせる繋ぎで鮮やかに煌びやかなファンクナンバー「p.h.p」へ、楽曲単体はもちろん音楽の振れ幅の大きさでもグルーヴを作り出す。飄々としているのに隙がなく、スタイリッシュでありつつも泥くさい。そんな絶妙な均衡が取れた4人の音楽は観客を開放感で包んだ。

小腸が「JQさんかっこよすぎてお腹いっぱいなってんちゃいます? でもGeloomyは別腹としてお楽しみください」と敬意を表し、「airam」では憂いと潤いを含んだ浮遊感のあるうわものと、緩急の効いたビートのコントラストで音の中へと引き込む。不穏でスリリングなインタールードから「Black Cinema」につなぎ、ステージバックには4人のシルエットを切り取った黒背景に白線の線画や、音声波形のグラフィックが映し出された。ミステリアスでありながらも遊び心が効いたサウンドは観客を高揚させ、ギターソロ時には映像に“guitar solo”の文字が躍るといった茶目っ気もアクセントとなっていた。歪んだ音像でこちらの脳天を揺らしたところで、ユーモラスなリフがシンボリックな「The Mint Robbery」へと切り替わる。ダークと言うには湿度は低く、ハッピーと言うにはメランコリックなサウンドは、4人が秘めている心の奥底を覗き込むような感覚を与えた。

「unknown」で心地よく会場を包み込むと、一転「bubblegum」ではエッジの効いた音色とリズムで会場を突き動かす。1stシングル「Vagi@」でポジティブな高揚感を生み出した後は、映像とともに展開されたインタールードから颯爽と「Shock!!中毒」へとなだれ込んだ。軽やかなビートがフロアを揺らすなか、巻き起こる食中毒コールもシュールでありながら痛快で、その屈託のないムードは本編ラストの「hey!!!!!」まで華やぎ続けた。

アンコールで「おなかいっぱいになりましたか?」と呼びかけると、2026年秋に初のフルアルバム『MENU』をリリースすること、東名阪+台北を回る「1st one-man tour『FULL-COURSE』」の開催、6月10日にアルバムから「ibaraki(otefuki)」を先行配信することを発表する。タイトルの“ibaraki”は上京前の4人のたまり場となっていた肺の家があった大阪府茨木市に由来し、以前よりライブで披露されていた大阪時代の思い出が詰まった楽曲だ。最後に同曲を披露し、スウィーティーで愛に溢れた空間を作り出した。

「本当にありがとうございました。ワンマンツアーで会いましょう」と呼びかけると、肝臓と腎臓はフロアにタオルを投げ込み、肝臓が「JQさんの伏線回収!」と笑いながらステージを後にする。するとエンドロールとして、映像面やビジュアル面を担当する肺が手掛けた「ibaraki(otefuki)」のミュージックビデオが流れた。ハイエースで旅をする4人のキャラクターが効果的に使われたポップな映像で、秘密基地の肺宅で宅録をしていた彼らが、そのときの無邪気さを保ったまま新たな世界を自分たちのペースで回遊することを示唆するようだった。

上京、レーベル所属、初のスタジオレコーディングに続き、初のフルアルバムに初のワンマンツアーと、より活動の規模を広げていくGeloomy。今後も4人でGeloomyならではのクリエイティブを突き詰めることに変わりはないだろうが、これまで以上にGeloomyの活動にギアが入ることは間違いない。様々な要素を盛り込んで音楽を作り続けてきた彼らが振る舞うフルコースとはいったいどんなものなのか、夏を越えた先の未来へと思いを馳せる。

<公演概要>
Geloomy自主企画ツーマンライブ
『Geloomy presents 「TABLE for TWO」』
6月5日代官山UNIT
出演:Geloomy / Jeremy Quartus

【Jeremy Quartus Setlist】

1,HOLY
2,Back To Paradise (Prod. Chaki Zulu)
3,Relapse
4,Knife & Fork
5,Beat Tub (Prod. STUTS)
6,Deep End
7,STILLNESS
8,BIG BUG BEAR

【Geloomy Setlist】

1,vetsuvara(sweet)
2,p.h.p
3,airam
4,Black Cinema
5,The Mint Robbery
6,unknown
7,bubblegum
8,Vagi@
9,Shock!!中毒
10,hey!!!!!
EN1. ibaraki(otefuki)

ibaraki(otefuki) / Geloomy Official MusicVideo

<リリース情報>
「ibaraki(otefuki)」
6月10日(水) 配信リリース

▼配信リンク
https://Geloomy.lnk.to/ibaraki_otefuki

<公演情報>
『Geloomy 1st one-man tour FULL-COURSE』
10月2日(金) 大阪・梅田Shangri-La
開場 18:00 / 開演 19:00

10月18日(日) 台北・Pipe Live House
開場 / 開演 未定

10月25日(日) 愛知・UPSET
開場 18:00 / 開演 18:30

10月28日(水) 東京・Shibuya WWW X
開場 18:00 / 開演 19:00

【チケット情報】
オールスタンディング 4,500円
※ドリンク代別途必要

▼オフィシャル先行(抽選)
6月21日(日) 23:59まで
https://w.pia.jp/t/geloomy

<ライブ情報>
『TiDE presents Blend Your Mode』
7月3日(金) 大阪・Yogibo HOLY MOUNTAIN
開場 18:30 / 開演 19:00
出演:TiDE / Geloomy

Geloomy オフィシャルサイト

https://geloomy.com/

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