【インタビュー】本物であり続けるために──飯田洋輔、20年越しの夢の単独フルオーケストラコンサート開催!
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飯田洋輔
この夏、飯田洋輔が自身初となる『billboard classics YOSUKE IIDA Premium Symphonic Concert -MAESTOSO-』を東京、京都で開催する。
劇団四季に20年在籍し、『キャッツ』や『オペラ座の怪人』など数々のミュージカル作品で主要キャストを務めてきた飯田。退団後も『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役をはじめ、ミュージカル、ストレートプレイ、コンサートと、表現の幅を広げている。そんな彼が今回、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団というフルオーケストラを背に、名作ミュージカルのナンバーやディズニー楽曲などを届ける。
タイトルの「MAESTOSO」は、音楽用語で“堂々とした”を意味する言葉。飯田はこのコンサートに、どんな思いを込めているのか。オーケストラと歌う夢、劇団四季で培ったもの、そして現在の声について語ってくれた。
20年越しの夢が実現!
――初の単独フルオーケストラコンサートです。開催が決まった時のお気持ちから聞かせてください。
オーケストラをバックに歌うということは、音楽をしっかりやり始めた頃からの夢でもありました。それが形になるということで、すごく嬉しかったです。同時に、自分がフルオーケストラの前で歌ったらどうなるのかなという、少しの不安も感じました。でも、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団の皆さんが紡ぎ出す音楽の中で、自分がどういうふうに表現できるのか。そこを突き詰めていきたいと思っています。
――どのような構成をお考えですか?
音楽やオーケストラの良さ、ミュージカル楽曲、そしてミュージカルとポップスの間にあるクロスオーバーのような楽曲の魅力が一番よく伝わるようプログラムを組みました。そこに自分の声がどう乗っていくのか。楽曲は、自分がこれまでやってきた曲や、『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』などの大ナンバーと呼ばれるものを中心に据えています。ディズニーの楽曲も少し入れるなど、曲順にもこだわっています。また、オーケストラの演奏を聴いていただく時間も設けました。オーケストラの響きを存分に楽しんでいただくことが前提としてあるので、そこに僕の歌が乗っていくという、そういうコンサートにしたいと思っています。
――オーケストラ公演は長年の夢だったということですが、何年越しの夢になりますか?
20年くらいですかね。20年越しに叶った夢という感じです。いただいたチャンスに対して自分が納得のいく歌唱を披露したいと思いますし、来てくださった方に喜んで帰っていただくことが一番の目標です。
――飯田さんにとって、理想とする歌とはどのようなものですか?
ミュージカルの中で理想とする歌は、歌が歌に聞こえない、セリフのように聞こえる歌です。それが僕の目標でもあります。今回はコンサートなので、そこの目盛りは少し抑えつつ、歌として成立するものを目指したいと思います。海外に行くと、とんでもない歌唱力を持ったミュージカル俳優がたくさんいます。同じくらいの年齢層なのに、こんなにも魅力的な人がいるんだなと感じると、負けていられないと思いますし、世界に負けない歌というか、本物であり続けることにこだわっていきたいです。
タイトル「MAESTOSO」に込めた思い
――タイトルの「MAESTOSO」は、“堂々とした”という意味を持つ音楽用語です。飯田さんにとって、この言葉はどのような意味を持っていますか?
オーケストラのサウンドの中で、堂々と自分が歌っている様子を想像して、僕の大好きな音楽用語から「MAESTOSO」と名付けました。堂々とした姿で舞台に立つことが僕の理想です。そういった思いから、このタイトルを付けさせていただきました。
――そのようなお姿は、日々の積み重ねがあってこそでしょうか。
やっぱりそうだと思います。日々の積み重ねですよね。ミュージカル作品なら稽古場、コンサートなら練習の時間があります。僕たちはそこでいろいろな経験や思いを積み重ねていくし、その楽曲の声や役の声を探し続ける。相手役と声を合わせる時間もあります。お客様に見えている部分は本当に一部分ですが、ステージで一番いいパフォーマンスをするということは、プロとしてこだわっていきたいところです。
新妻聖子氏とは「Beauty and the Beast」、佐野正幸氏とは「The Music of the Night」を
――7月3日(金)の東京公演のゲストは新妻聖子さんです。昨年のミュージカルコンサートで共演されて、早くもデュエットが実現します。
昨年の共演では、新妻さんとデュエットする機会には恵まれなかったのですが、MC中にいろいろなお話をして、「いつか一緒に立たせてください」というお話もしました。新妻さんは、パワフルな中にもかわいらしい声があるなど、いろいろな色を持った歌手であり、女優さんです。そのお力を借りながら声を重ねたら、すごく楽しく歌えるだろうなと思います。今回、『美女と野獣』の「Beauty and the Beast」を歌えることも、めちゃくちゃ楽しみです。新妻さんはトークも炸裂するので、そこも期待しています(笑)。
――8月8日(土)の京都公演のゲストは佐野正幸さんです。劇団四季時代には同じ役を演じてこられたそうですね。
佐野さんとは同じ役もやらせていただきましたし、大学の先輩でもあるので、いろいろな場面で支えていただいたり、アドバイスをいただいてきました。佐野さんとこうして一緒にできる機会は貴重だと思うので、とても楽しみです。劇団四季時代は一緒に歌ったことはほとんどありませんでした。今回、ついに一緒に歌える機会が来ました。
――『オペラ座の怪人』の「The Music of the Night」を披露されます。
「The Music of the Night」は佐野さんが演じてこられた怪人の代表的なナンバーであり、僕も怪人を演じてきました。お互い、レパートリー曲だと思うので、今回はデュオという形で、パートを分けたり、ハモったりして歌いたいと思っています。ふたりの怪人役がこの曲を一緒に歌うことはなかなかないと思うので、レアな共演になると思います。
劇団四季での20年が俳優としての核に
――劇団四季を退団されて約2年半が経ちました。20年在籍された時間を、今、改めてどのように感じられますか?
劇団四季では、俳優としての基礎や心構えを、すべて叩き込んでもらったと思います。創始者の浅利慶太さんが現役の時に指導を受けましたし、そういった経験がすべて僕の財産となっています。基礎力や精神力、芝居に対する考え方、劇団四季の方法論から学ぶものも多く、ただの大学生だった僕を育ててくださり、いろいろな役を託してくれたので、劇団には恩があります。退団して活動の場は変わりましたが、「演劇で世の中を元気にしたい、いいものを届けたい」という思いは変わらず持ち続けていますし、その教えは体の中に刻まれていて、自分の核になっています。
「声は今が一番いいかもしれない」
――年齢を重ねることで、ご自身の声の変化は感じていますか?
元々、重たい声だったのですが、最近は地声自体が少しどっしりしてきました。その一方で、発声の研究をしたり、海外の先生のレッスンを受けたりする中で、上の音域も少し伸びた気がして、使える音域が上下に少し広がった感覚があります。声の出方も、40代に入った頃が一番魅力的に響くのではないかなと思います。自分で「いいな」と思いながら歌っているわけではないですが、今が一番いいかもしれないな、とうっすら思いながら歌っています。
――声のケアで一番大切にしていることは何ですか?
吸入ですね。本番後に喉を加湿することが、一番重要かもしれません。筋肉をアイシングするような感覚で、吸入器でしばらく吸入すると喉が休まりますし、回復も早くなる気がします。健康な体が資本となって声が出るので、パーソナルトレーニングをするなど基礎体力や免疫力を上げたり、マッサージなども取り入れたりして、体のケアも大事にしています。
――音楽のことを一旦置いて、リフレッシュできる時間はありますか?
釣りをしている時と、阪神戦を見ている時はあまり考えていないですね。自然の中の釣りは、脳を空っぽにするような時間かもしれません。阪神戦は勝ち負けがあるのでストレスに変わる可能性もありますけど(笑)、一生懸命に立ち向かう阪神を応援できることが僕の幸せです。
劇場でしか感じられない空気を体感して
――最後に、東京・京都公演を楽しみにしている皆様へメッセージをお願いします。
オーケストラの重厚なサウンドや豊かな響きの中で、自分の声の魅力を最大限に出してお届けできることを、僕自身すごくワクワクしています。物語が動き出すような瞬間を、ぜひ現地で目撃してほしいですね。劇場でしか感じられない空気感もあると思うので、それらをぜひ体感してください。
取材・文:岩本和子
<公演情報>
『billboard classics YOSUKE IIDA Premium Symphonic Concert -MAESTOSO-』
2026年7月3日(金)開場17:30/開演18:30
東京・東京芸術劇場 コンサートホール
出演:飯田洋輔
ゲスト:新妻聖子
指揮:高井優希
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
2026年8月8日(土)開場17:00/開演18:00
京都・京都コンサートホール 大ホール
出演:飯田洋輔
ゲスト:佐野正幸
指揮:高井優希
演奏:大阪交響楽団
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/yosukeiida-bbc/

