ブレッド&バター×GOOD BYE APRIL、念願の初共演!今夏開催『Live Light Mellow』に向けて特別インタビュー「年の差なんて関係ない、音楽が好きならみんな一緒」
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インタビュー
左から 岩沢二弓(ブレッド&バター)、岩沢幸矢(ブレッド&バター)、倉品翔(GOOD BYE APRIL) Photo:吉田圭子
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Text:栗本斉 Photo:吉田圭子
“湘南サウンド”と言われるアーティストの代表的存在であり、昨今はシティポップの文脈で再評価されているブレッド&バター。岩沢幸矢、岩沢二弓の兄弟で1969年に結成されたデュオは、57年もの歴史を誇るレジェンドだ。一方、シティポップやニューミュージックの正統的後継者とも言えるバンド、GOOD BYE APRILも結成して15年のキャリアがある実力派であるとはいえ、メンバーはまだ30代半ば。この世代の違うふたつのグループが、名物イベント『Live Light Mellow』で共演を果たす。しかも、これまでのようなオムニバス形式のイベントではなく、2組ががっぷり四つに組むツーマン・スタイルという初の試みだ。
8月30日(日)のイベント共演を前にブレッド&バターとGOOD BYE APRILのボーカル・ギター、倉品翔による初顔合わせが実現。お互いの音楽観や、普遍的なポップスの魅力、そしてイベントに向けての抱負などを語り合ってもらった。
── 今回のイベントに向けて、ブレッド&バターのおふたりと、GOOD BYE APRILを代表して倉品さんにお集まりいただきました。おふたりと倉品さんは、今日が初対面なんですね。
倉品翔(GOOD BYE APRIL) そうなんです。一昨年の5月に茅ヶ崎のビーチで開催されたイベントに、僕らのバンドのベース(延本文音)が純粋なファンとして普通に観に行ったりしていて、昨年はご挨拶したみたいですが、僕自身は初めてです。ずっと一方的にライブを拝見していたので、今日こうしてお会いできてとても光栄です。
岩沢幸矢(ブレッド&バター) どうもありがとう。若い人たちが僕らの音楽を聴いてくれているなんて、うれしいよ。
岩沢二弓(ブレッド&バター) とてもありがたいね。
── GOOD BYE APRILは、ブレッド&バターの名曲「ピンク・シャドウ」をカバーされています。ブレッド&バターのおふたりはお聴きになりましたか?
幸矢 はい、聴かせてもらいました。僕たちのオリジナルとはまた独特の雰囲気があって、驚きましたね。「こんな歌い方、こんなアプローチができるんだな」って。
倉品 ありがとうございます! 「ピンク・シャドウ」は、バンド内でも他のメンバー含めて全員が大好きな曲なので、一昨年あたりに8センチCDを出すという企画が立ち上がったとき、満場一致で「ピンク・シャドウ」をカバーしたい、と決まりました。
── この曲はいろんな方が歌っていますし、ブレッド&バターのおふたりによるセルフカバーもあり、特別な存在だと思いますが、どのような背景で生まれた曲なのか覚えていらっしゃいますか?
幸矢 実はね、アメリカの若い連中が平和を願うために、ピンクのチョークで地面や壁に絵を描くという活動をしていた時期があったんです。そのことを聞いて「なんていい話なんだろう」と思って作った曲なんですよ。だから当時はそこまで深く考えずに、自然と歌いやすい感じで出来上がった。
倉品 実はその由来を、僕らがカバーしてリリースするときに知って、すごく素敵なエピソードだなと感動しました。ベースの延本が配信用ジャケットのイラストを手掛けたのですが、まさにそのエピソードをモチーフにして、アメリカ人がピンクの背景にチョークでイラストを描こうとしている瞬間をデザインしたんです。
── 倉品さんから見て、この「ピンク・シャドウ」の音楽的な魅力はどこにあると思われますか?
倉品 本当に名曲なので魅力はたくさんありますが、何よりまず美しいハーモニーですね。おふたりの声が頭からずっと重なって続いていく。僕らのバンドもコーラスワークをすごく大事にしているので、「自分たちもこういう風にハモってみたい」と思ったのがカバーした最初のきっかけです。それから、コード進行自体はすごくシンプルなのに、曲が展開していく中でどんどんグルーヴがうねっていく。演奏していると、内なる熱い炎のようなものが湧き上がってくるんです。演奏すればするほど「なんてかっこいい曲なんだ」と思い知らされますね。
二弓 実は、あの曲自体は兄が作ったのですが、16ビートのサウンドに仕上げたのは僕のアイデアなんです。当時はまだ日本に16ビートのポップスというのがあまり出ていなかった時代。だから、まだ世の中にない新しいリズムを見つけたと思って、とにかく楽しかった。
幸矢 その二弓のアレンジに、ドラムの林立夫くんや、彼が紹介してくれた鈴木茂くんや細野晴臣さんといったティン・パン・アレー周辺の連中が加わってくれて、譜面もコードが書いてあるくらいだから、スタジオに入ってそれをもとにみんなで探りながら形にしていったんです。だから、あの時代の空気感が詰まっているよね。
── 今回のイベントは、おふたりのような大ベテランのレジェンドと、ずいぶん下の世代であるGOOD BYE APRILが本格的にタッグを組むわけですが、世代間の壁のようなものは感じますか?
二弓 いや、そんなの全然ないですよ。時代や世代なんて音楽を演奏するということに関しては関係ないですから。昔は確かに“若い世代の音楽”と“大人の音楽”みたいな断絶が多少はあったけれど、最近はそういうのをまったく感じないよね。若い子たちも古い曲をよく知っているし。
幸矢 国境も世代も関係なく一緒にできるというのは、純粋にうれしいですよ。僕からしたら、彼らは自分たちの子供よりも若いくらいの世代。そんな実力ある頼もしいミュージシャンたちが僕らの曲をやってくれるんだから、ついていけるように頑張らないと(笑)。
倉品 とんでもないです(笑)。僕らが胸をお借りする気持ちです。僕たちの世代って、20代を過ぎてからは、サブスクリプションなどのインターネット上で音楽を聴くのが当たり前の環境でした。だから、70年代の洋楽も、ブレッド&バターの楽曲も、現代の最新の海外ポップスも、すべて同じタイムラインに並列で並んでいるんです。そこに“古い音楽”という感覚は一切なくて、むしろ今聴いても新鮮でかっこいいものとして普段から楽しんでいます。
幸矢 具体的にどんな音楽が好きなの?
倉品 そうですね。洋楽だとソウルミュージックが好きなので、アース・ウィンド&ファイアーや、ソウルっぽいエッセンスのあるドゥービー・ブラザーズなども聴きます。それと同時に、ザ・ウィークエンドのような現代のR&Bやヒップホップも分け隔てなく聴いています。
幸矢 なるほど。僕は大学生くらいの頃にサイモン&ガーファンクルを初めて聴いて、「これだ! こういうのをやりたい」って震えて、それで弟を誘ってブレッド&バターを始めたんです。音楽をやりたいと感じるきっかけや気持ちは、きっと変わらないね。
倉品 本当にそうだと思います。実は、僕が3歳くらいの頃、父親の影響で最初に好きになったのがサイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」だったらしいんです。3歳なのでまったく覚えていないんですけど(笑)。幼少期はずっとその曲を口ずさんでいたらしく、ブレッド&バターの音楽にどこか懐かしさと強い憧れを抱くのは、その根底にあるアコースティックやハーモニーを無意識に感じ取っていたからかもしれない。
幸矢 へええ、そうなんだね。それなら、今度のライブでサイモン&ガーファンクルも一緒に歌っちゃおうか。
倉品 えっ! 本当ですか!? そんなのが実現出来たら最高です!
── ブレッド&バターといえば、神奈川県茅ヶ崎市出身ということもあって湘南の海のイメージが強いですが、一方で倉品さんは海のない長野県佐久市のご出身なんですよね?
倉品 そうなんです。佐久市は軽井沢の隣町で、山に囲まれて育ちました。子供の頃の遊びといえば海には縁がなくて、カブトムシ捕りや野鳥観察くらい(笑)。だからこそだと思うのですが、自分が曲を書くとき、無意識に海辺の景色をイメージすることがすごく多いんです。僕にとって海は日常ではなく、映画や小説のようなロマンティックなイメージで、あくまでも憧れなんです。ブレッド&バターの音楽から感じるあの心地よい空気感は、僕にとっての永遠の憧れそのもの。いつか湘南みたいな海辺の町に住んでみたいという夢もずっとあります。
二弓 だったら一度住んでみるといいよ。僕はずっと地元から動かずに今も海のすぐそばにいるけれど、海辺にいるといい意味で“バカ”になれるというか(笑)、無心になれるんだよね。サーファーなんて、みんな何も考えずにプカプカ漂っているでしょう。最近は暖かくなってきたから、朝にビーチまで犬の散歩に行って、午前中なのに帰りにビールを1杯飲んじゃったりしてね(笑)。
倉品 それ、最高ですね(笑)。山にいると午前中からビールを飲もうという気分にはなかなかならないですから(笑)。毎日、夕日が沈む海を眺めながらビールを飲む暮らし、本当に憧れます。
幸矢 僕らは海が庭の砂場みたいな環境で育ったから、それが当たり前だったけれど、海のない場所で育った若いあなたが、海を思ってあんなに素敵な音楽を作っているというのは不思議だけれど、それが面白いしうれしいね。
── GOOD BYE APRILは最近、EPOさん、南佳孝さん、林哲司さんといった、いわゆるニューミュージック/シティポップの黄金期を築いたレジェンドたちとの共演や楽曲制作を次々と行っていますが、若いアーティストで、ここまで深く上の世代と交わっている存在は非常に珍しいです。
倉品 シティポップ・リバイバルの影響で、当時のビートやグルーヴのかっこ良さに着目してアプローチする同世代のバンドはたくさんいるんです。でも、僕らがそれ以上に惹かれたのは、当時の楽曲が持っているメロディの美しさと言葉の響きなんです。ギター1本で弾き語りしても成立する、曲そのものの強さがあるんです。
幸矢 それはポップスにとって一番ベーシックで、最も大切なことだよ。今の音楽は、まずビートやリズムがあって、そこに言葉を乗せてメロディを構築していく順番が主流だけれど、僕たちの時代は完全に逆。言葉とメロディが真ん中にドンとあって、そこから初めてリズムが生まれる。それを今の世代の彼らが理解して、大事にしてくれているというのは、僕らにとっても非常に心強いね。
倉品 僕らがブレッド&バターの楽曲を今聴いても、普遍的に感じるのは、まさにその言葉とメロディという柱が真ん中に一本通っているからだと思うんです。僕たちのバンドも15年間、同じメンバーでやってきましたが、「曲の言葉とメロディのために尽くして演奏する」というテーマは変わっていません。
── こうやって共感できる2組が、8月30日(日)のステージでどのように共演するのかとても楽しみなのですが、それぞれの抱負をお聞かせください。
二弓 今回は、個別のステージをそれぞれやるというよりも、極力ステージ上にみんなで一緒にいる時間を長くしたいですね。がっつりセッションをして、お互いの曲を一緒にハモったり、リードボーカルを分け合ったりして、僕らの曲も一緒に歌ってもらえたら楽しそうだし、今から色々とアイデアを練りたいと思います。
幸矢 とにかく、来てくれたお客さんが喜んでくれるようなステージにしたい。さっきからずっと話していたことと同じで、年の差なんて関係なく、音楽が好きならみんな一緒なんだなという空気が、歌だけでなくトークも含めて客席に伝わったら最高だね。そして、帰りにはみんなが笑顔でレコードをしっかり買って帰ってくれるような(笑)。とにかく若いみんなと一緒にやれることが、本当に楽しみです。
倉品 僕たちがどれだけブレッド&バターの音楽を愛しているか、そのリスペクトと愛情のすべてを演奏に乗せて皆さんに届けたいです。世代や環境を超えて、同じ音楽の感動を共有できるということを、このステージで体現できたら素晴らしいなと思っています。心を込めて演奏しますので、ぜひ楽しみにしていてください!
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<公演情報>
交感ひろば@SPACE ZERO Part30
『LIVE Light Mellow Vol.9』
8月30日(日) 東京・こくみん共済coopホール / スペース・ゼロ
開場 15:30 / 開演 16:00
出演:ブレッド&バター / GOOD BYE APRIL
演奏:GOOD BYE APRIL with はらかなこ(key・サポート)
【チケット情報】
全席指定:7,800円(税込)
※未就学児入場不可
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▼公演詳細はこちら
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ブレッド&バター オフィシャルサイト
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