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【レポート】鈴々舎美馬、二ツ目で紀伊國屋ホール満席の快挙!『芝浜』ネタ下ろしで迫真の高座を披露

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鈴々舎美馬 撮影:橘蓮二

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6月12日(金) 東京・新宿紀伊國屋ホールにて、演芸写真家 橘蓮二プロデュース『鈴々舎美馬独演会 真・美馬劇場、開幕!』が開催された。

本公演は、鈴々舎美馬が二ツ目としては異例となる新宿紀伊國屋ホールでネタ下ろしをする独演会。助演に柳家喬太郎師匠を迎え、大ネタ『芝浜』を口演する。当日は、400席以上ある客席が埋め尽くされ、満員御礼となった。

(左より)鈴々舎美馬、柳亭市助

開口一番で柳亭市助さんが会場を温めると、JUDY AND MARYの「Over Drive」の出囃子に続いて美馬さんが登場。まずは観客に感謝を述べると、同級生であるボクシング世界王者の井上尚弥が中谷潤人と戦ったタイトルマッチ「THE DAY」を引き合いに「あの試合のような真剣勝負を見せたいと思います」と宣言。会場からは拍手が沸いた。

また、出囃子で使用しているジュディマリのボーカルYUKIについても言及。子どもの頃から大ファンで、自身と同じく元エステティシャンということで共感していると語ったその流れで一席目にかけたのは、初めて創作した新作落語『エステサロン』。主催の橘蓮二との知り合うきっかけとなった噺だ。

『エステサロン』は実体験を下敷きに、ちょっとサイコパスな主人公の愛(ラブ)ちゃんが入ったエステ業界の裏側をコミカルに描いた作品。寿退社する同僚への妬みから、朝礼でのトンデモ発声練習などの業界あるあるネタ、そして店長をはじめとした様々なクセの強いキャラクターが登場する。

話は中盤、店長との会話の流れで愛ちゃんがサイコパスであることが明らかに。さらに、死んだと思ってたお父さんとの再会で、まさかの朝の発声練習が活きてくる展開に客席は爆笑。そして、最後はほのぼのとした結末を迎える人情噺のような余韻でサゲとなった。

続いて、登場したのは喬太郎師匠。一礼をしてふと一言「やる気ないんですよねぇ」と呟き笑いを誘う。そして、「美馬の2.5次元落語でした」と言ってみたり、大入りの観客をいじるなどやりたい放題。「自分の会じゃないのがこんなに気楽なんて」と魂を開放させていた。

柳家喬太郎

すっかり会場の空気を掴んだところで、話題は美馬さんがエステティシャンだったことに絡めて自身の就職&社会人時代の話に。「書店をいっぱい回りましたけど、紀伊國屋さんには落とされました」と、ここでもジャブを打つことを忘れない。そして、昔を懐かしみながら新作落語『路地裏の伝説』を口演。

『路地裏の伝説』は、お父さんの命日に集まった幼なじみが、子どもの頃に流行った都市伝説の話題で盛り上がるノスタルジックな噺だ。「ネッシー」や「口裂け女」など昭和感満載の物事が出てくる随所でくすぐりを入れつつ、オチである「風邪ひくなおじさん」の正体に迫る流れは圧巻の一言だった。

仲入りを挟んで、いよいよ美馬さんが長講『芝浜』のネタ下ろしへ。二ツ目昇進時の記念公演では『文七元結』をかけたので、その時の自分を超えるには『芝浜』しかないと決めた演目だ。

『芝浜』は、大金を拾ったことをきっかけに人生を改め、夫婦の絆を深める魚屋の成長を描いた人情噺。序盤、魚屋の亭主が芝の浜辺で一服し、日の出を眺めるなど、その情景を丁寧に描いていく。財布を見つけるまでの描写が事細かに思い浮かぶ語り口が印象的だった。

仲間と大酒を飲み二日酔いになった亭主が、女房から諫められる場面では、亭主の頬を叩く所作から言葉のコントラストが鮮明に。本気で怒っていつつも、惚れている相手への想いが伝わる緩急入り混じった台詞回しで観客を物語に引き込んでいた。

そして白眉だったのは終盤、女房が嘘をついていたことを謝るシーン。このまま飲んだくれてしまうことを恐れていたと、胸の内を語るその台詞と台詞の間のブレスまでが会場に響き渡る迫真の演技で魅せる。その吐息まで聞こえるほどの静寂が、美馬さんの『芝浜』に観客が聞き入っていた証だった。

終演後、美馬さんは「これでぐっすり眠れます」と一言。由緒ある紀伊國屋ホールで独演会を開くことは相当なプレッシャーだったはずだが、しっかりと会場の空気を自分のものにしていた。開幕したからには今後も続けてほしいと思う独演会だった。

なお、美馬さんと喬太郎師匠は、8月12日(水) 東京・有楽町朝日ホールで開催される『演芸写真家 橘蓮二 30周年記念公演 柳家喬太郎トリビュート 続・柳家の一族 最終回』でも共演。美馬さんは喬太郎師匠の新作落語『母恋いくらげ』を口演する予定だ。

撮影:橘蓮二

<公演情報>
『演芸写真家 橘蓮二 30周年記念公演 柳家喬太郎トリビュート 続・柳家の一族 最終回』

8月12日(水) 東京・有楽町朝日ホール
開場 18:30/開演 19:00

【出演・演目(予定)】
柳家喬太郎「お楽しみ」
鈴々舎美馬『母恋いくらげ』
柳家小太郎『ハワイの雪』
寒空はだか「漫談」
柳亭市助『饅頭怖い』(開口一番)
お囃子:森吉あき

【チケット】
全席指定-4,800円

チケットはこちら:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2668726

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