Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > マギー(演出)×柄本時生インタビュー&稽古レポート 「KERA CROSS」最新作『シャープさんフラットさん』6月19日(金)開幕!

マギー(演出)×柄本時生インタビュー&稽古レポート 「KERA CROSS」最新作『シャープさんフラットさん』6月19日(金)開幕!

ステージ

ニュース

チケットぴあ

KERA CROSS7『シャープさんフラットさん』稽古場から

続きを読む

フォトギャラリー(6件)

すべて見る

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)の過去作を、新演出で上演する人気シリーズ「KERA CROSS」。その第7弾は、08年にナイロン100℃で上演された『シャープさんフラットさん』。
演出のマギーと出演の柄本時生に話を聞くとともに、開幕間近の稽古の様子も覗かせてもらった。

――ナイロン100℃版の初演にはマギーさんも出演されていますが、作品としての魅力をどんなところに感じていますか?

マギー KERAさんの半自伝という謳い文句から、すごく個人的な話だって先入観もあるかもしれません。でももう一度この戯曲と向き合ってみて思ったのは、すごく普遍的な作品だと。いつの時代でも通用する、強度のある戯曲だと、今回のキャストが演じることで改めて感じています。

柄本 僕は初めてKERAさんの作品に参加しますが、すごく面白いし、好きです。群像劇としてとても秀逸な作品。あと思いのほか泣かされるのでびっくりしています。

マギー それは今回登場人物に合った、年齢的にもリアリティのあるメンバーを集められたことが大きいだろうね。そしてそれぞれのキャラクターを、きっちり時間をかけて造形してきた結果、おかしなことをやっているのにジーンとしたり、ヒリヒリしているのに笑えたり。そういう複雑で、重層的な作品に仕上がってきていると思います。

――舞台は1990年代初めのサナトリム。柄本さん演じる辻煙はそこの入所者で、とある劇団の主宰者です。柄本さんが煙を演じることで、どういった人物として立ち上がってきていると思いますか?

マギー 煙って主人公として魅力的ですが、実際にこんな主宰者がいたらすっげえ嫌だろうなってタイプの人なんですよね(笑)。そこに時生は、俺が思ってもみなかった新しさとして、“幼稚性”を注入してくれたなと。大人として話ができないって、一番たちが悪い。でも俺が知る限りの天才たちも、みんな幼稚なところがあるので。

柄本 あ、嬉しいです。その幼稚性は実は僕自身意識しているところでもあって。まずうちの親父(=柄本明)がそうですからね(笑)。あときっとKERAさんも。そこは微妙に目指しているところかもしれません。

――柄本さんは初めてご一緒される方も多いと思いますが、共演陣の印象は?

柄本 三者三様ですが能力の高い方ばかりで、皆さんの身体を通して台詞を聞くことで、改めて「なるほど!」と驚かされることが多いです。中でも安達(祐実)さんは……ちょっと怖いですね。役者ってどうしても“見られている”ってことを意識してしまって、その自分と喧嘩しながら芝居をしているところがあるんですけど、安達さんは純度100で相手だけを見ている。自分もそこを目指してはいるんですけど、安達さんが簡単にやられている姿を見ると、なんかすっごく怖くなります。

マギー 安達さんが春奈という役を完全に掴んだ瞬間があって、あれはすごかったよね。しかも一度掴んだら絶対に逃さないっていう。

柄本 わかります、わかります!

マギー 安達さんだけではなく、今回のカンパニーは皆さんそれぞれ本当にすごいものを持っていて。

柄本 本当に、全員が主役だって言っていいぐらいですよね。だからこそ素晴らしい群像劇になっていると思いますし、ぜひいろいろな人たちの人生を、劇場で垣間見ていただきたいなと思います。

稽古レポート

この日の稽古は冒頭から。オープニング後、プロローグとして柄本演じる煙の過去と妄想が描かれていく。母との歪な関係によって笑いにとりつかれ、結果生きにくくなってしまった煙だが、その母を演じているのが安達祐実。母としての気持ちの移ろいを見事に表現し、それでいて笑いの勘も抜群だ。これだけでも柄本の言う「怖い」を垣間見た気持ちになるが、実は安達のメインの役はマキタスポーツ演じる園田研々の妻・春奈。この先、どんな春奈を見せてくれるのか、大きく期待が膨らむ。

そして一場の舞台は煙たちの入所するサナトリウムへ。その談話室で盛り上がっているのが、マキタ演じる研々、堀部圭亮演じる音波究二、そしてトリンドル玲奈演じるスタッフの成瀬南だ。ここでとにかく目を引くのがトリンドル。笑い声が底抜けに明るく、彼女の存在によってここがサナトリウムであることをつい忘れてしまうほど。そんな彼女の笑いがマキタ、堀部に、そして稽古場全体に、さらに開幕後は客席へと波及していくさまが目に浮かぶようだ。

マギーを中心に、稽古場の雰囲気は非常に明るく活気に満ちている。それはカンパニー全員が戯曲の面白さを理解し、それをよりよい状態で届けようと探求しているからこそ。初日までのあと10日で、さらにどんな進化を見せてくれるのか。その開幕が楽しみでならない。

取材・文:野上瑠美子

KERA CROSS 第七弾『シャープさんフラットさん』

〈東京公演〉
日程:2026年6月19日(金)〜7月5日(日)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

〈名古屋公演〉
日程:2026年7月11日(土)・12日(日)
会場:Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

〈大阪公演〉
日程:2026年7月18日(土)・19日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ

[作] ケラリーノ・サンドロヴィッチ
[演出] マギー
[出演]
柄本時生 高梨 臨 安達祐実 田中俊介 トリンドル玲奈
森 準人 岩男海史 白石優愛 土屋 翔 小野晴子
松永玲子 マキタスポーツ 堀部圭亮

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/sharp-flat/

フォトギャラリー(6件)

すべて見る