北斎「冨嶽三十六景」と広重「冨士三十六景」を見比べる贅沢。『北斎 広重 ふたりの富士、それぞれの富士』すみだ北斎美術館で
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葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」天保2年(1831) 頃 吉野石膏コレクション すみだ北斎美術館寄託(通期)※前後期で同一作品に展示替え
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すべて見る浮世絵における風景画というジャンルを確立・展開し、人々の心に残る数々の名作を生み出した江戸後期の二人の浮世絵師、葛飾北斎と歌川広重。開館10周年を迎える東京・墨田区のすみだ北斎美術館で、この二人の巨匠が手がけた富士山のシリーズ作品を中心に展観する企画展が、6月23日(火)から8月30日(日)まで開催される。

同展の大きな見どころは、北斎が70代で発表した代表作「冨嶽三十六景」のシリーズ46図と、そのほぼ30年後に刊行された広重の「冨士三十六景」のシリーズ36図が、前期後期で展示替えをしながら全点展示されること。特に北斎の「冨嶽三十六景」の全点展示は、同館では4年ぶりとなる。これに加え、広重が描いたもうひとつの富士山シリーズ「不二三十六景」の作品や、同じく広重の最晩年の大作「名所江戸百景」の中から、富士山が描かれた選りすぐりの図も登場する。

各地から見える富士山をめぐる風景をテーマとして、ダイナミックな描写と奇想に満ちた大胆な構図で観る者を魅了した北斎は、浮世絵の中で風景画を主要なジャンルに押し上げた大立て者。一方、温和な筆致で名所絵のリアリティーを追求した広重は、抒情性をこめた風景で観る者の旅心に訴え、風景画の人気を長きにわたって支えた浮世絵師。今回は、37歳の年齢差があるものの、ライバルとして注目されることも多いその二人が、同じ場所や類似した構図で描いた富士山の作品を並べて展観する章もある。両者を比較することで、それぞれの表現方法の違いや、広重が北斎から受けた影響、そしてそこから独自の画風を打ち立てようとした軌跡も探っていく。それぞれの個性と、それぞれが目指した作品世界を浮き彫りにする試みとなっている。

なお、同展の序章では、古くから信仰の対象だった富士山を江戸の人々がどのように愛し、礼拝していたのか、さまざまな資料や作品を通じて紹介される。当時の人々の富士山に対する強い憧れを踏まえて、改めて北斎と広重の富士山シリーズを鑑賞するのもまた興味深い。
<開催情報>
開館10周年記念『北斎 広重 ふたりの富士、それぞれの富士』
会期:2026年6月23日(火)~ 8月30日(日)
※前後期で一部展示替えを実施
[前期]6月23日(火)~7月26日(日)
[後期]7月28日(火)~8月30日(日)
会場:すみだ北斎美術館
休館日:月曜日、7月21日(火)(※7月20日(月) は開館)
時間:9:30 ~ 17:30(※入館は~17:00)
公式サイト:
https://hokusai-museum.jp/
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