【三浦宏規×高野洸×山本千尋×山口祐一郎インタビュー】魂を削る戦いが再び!舞台『キングダムⅡ-継承-』で描かれる新たな熱狂と絆
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インタビュー
左から)山本千尋、三浦宏規、高野洸、山口祐一郎 (撮影:近藤誠司)
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紀元前、中国・春秋戦国時代を背景に、戦災孤児の少年・信と、のちに始皇帝となる若き秦王・嬴政(えいせい)が、時代の様々な荒波にもまれながら、史上初の中華統一を目指す道のりを描いた大人気コミック『キングダム』。原作は累計発行部数1億2千万部を超え、実写映画版やアニメ版も大ヒット、日本が誇るコンテンツとなっているが、本作が初めて舞台化されたのは2023年の帝国劇場のこと。ドラマチックな物語を紡ぐ豪華俳優陣の熱演と、生身の人間が魅せる激しいアクションは大きな評判を呼び、原作者の原泰久も「舞台『キングダム』、圧巻でした! 目の前で繰り広げられる壮絶なアクション、白熱のドラマ、とにかくキャストさんたちの圧倒的な熱量がダイレクトに伝わってきて、想像を遥かに超える感動がありました」と絶賛のコメントを寄せるほどのものになった。
その続編となる舞台『キングダムⅡ-継承-』が2026年夏、上演される。
主人公の信を演じるのは初演に続いて三浦宏規と高野洸(ダブルキャスト)。
原作でも人気のキャラクターであり、舞台版には初登場となる羌瘣(きょうかい)を、2016年に公開された『キングダム』連載10周年特別動画、2022年公開の映画『キングダム2 遥かなる大地へ』にも出演していた山本千尋が演じる。
そして、秦軍の大将軍にして癖の強い人気キャラ・王騎は、初演時に強烈なインパクトで演じた山口祐一郎が続投。今作では「王騎が闘いの中で壮絶な死を遂げる」エピソードが描かれるということはすでに明かされているので、前作以上にキーパーソンになりそうだ。
いまだ謎に包まれた部分も多い舞台化第二弾だが、この4名が揃った時点で、すでに迫力のステージになるであろう期待が高まる。舞台『キングダムⅡ-継承-』への意気込みを、三浦、高野、山本、山口が語った。
「王騎のすごいシーンが描かれます」

――2023年の初演も好評でしたが、今回は再演ではなく続編で、新たな物語が描かれるとのこと。『キングダムⅡ-継承-』はどんな作品になりそうですか。
三浦 今回、原作のどのシーンを舞台化するのかはまだ明らかになっていませんが、解禁されている情報からすると、どう考えても祐様(山口祐一郎)の王騎のすごいシーンが描かれます。そこを演じられることを嬉しく思います。やっぱり、原作でも王騎将軍がただ戦場に出ていくだけで、気持ちが沸き立つんです。僕ら舞台人も、祐様が先頭に立って歩くだけで全員の心が沸き立つ。それくらい、王騎と祐様はリンクしていて、僕はそのシーンを早くやりたい。どう考えても絶対すごいじゃないですか。王騎の人を動かすカリスマ性は、王騎としてじゃない祐様からも感じるので、それを舞台で祐様が演じた時に、信として、三浦として、どう感じるのかが非常に楽しみです。
高野 前回もですが、今回も、登場人物全員が魂を削りながら生きると思います。前回公演では、1公演につき水を2リットルくらい飲んでいました。信だけでなく全員がそれくらいエネルギーを出していました。今回も戦場の士気や昂ぶりを体感していただけるものになると思います。
――皆さんが演じる信、羌瘣、王騎の魅力を教えてください。

三浦 信は、生まれ持った特別な才があるのでもなければ、パッとした特徴がある人物でもありません。でも、ここが強い、これが上手いというものがあるわけではないのに、とにかくその一本気な性格だけで前進していく姿はやっぱり主人公にぴったり。そこにみんなが引っ張られていくのだと思います。また、特別な人間じゃないからこそ、彼を通して物語を見ると、とても入りやすいんですよ。特別過ぎないからこそ愛らしいなと思います。

高野 僕も同じく、信は特別じゃないからこそ、信念を貫いて自分のやるべきことを突き詰め、成功していく姿がカッコいいと思います。背中で語る一面もあれば、わんぱくで本能的で、親近感がわく瞬間もたくさんある。だから「コイツについて行ったらいいんだろうな」とどんどん仲間が増えるのでしょう。将軍目指して駆け上がっていく姿は、ずっと応援したくなります。

山本 羌瘣という役は、動きの面で言うと私が幼少期からやってきた中国武術の集大成を見せられる役というのが、個人的には魅力です。またキャラクターで言うと、戦場で女の子が戦うというのは『キングダム』の世界でもすごく不思議なことであり、彼女からもらえる勇気がたくさんあります。羌瘣だからこそ持っている強さや優しさをお伝えできればと思います。

山口 この作品の舞台は2200年前の中国ですが、私たちのいる2026年現代と一見まったく違う世界のようで、実態は……特に人間存在は、何も変わっていません。そんな人間社会で、組織や人間関係の中に「こういう人がいたらいいな」「こういう仲間が、こういう先輩がいたらいいな」というひとりに王騎というキャラクターがいる。だからこそ、2200年前の題材が、2026年に生きる皆さんに力を与え、映画や舞台でも温かく受け入れられているのかなと思います。
さまざまなプレッシャーを抱え挑んだ初演
――2023年の初演は、三浦さんと高野さんにとっては、帝国劇場初主演でした。

三浦 「帝劇初主演」「帝劇ゼロ番(真ん中)」と言っていただくことは多いのですが、個人的にはあまり好きな言葉ではありません。大きな経験でしたが、自分が掴み取ったというより、『キングダム』の世界の中で、信という人物がそういう位置にいただけと考えています。だから僕が本当の意味でそこに立てただろうかと今でも思っていますし、自分ではあまりそのことを意識しないようにしていました。それくらいあの場所、帝劇のゼロ番というのは、偉大な先輩たちが立ってきた場所です。ただ、さまざまなプレッシャーも味わいましたので、そういう意味では、ひと回り強くなれた経験だったかなと思います。
高野 僕は帝劇に立つのも初めてで、場当たりの時点で、やはり何か(ほかの劇場とは)違う空気を感じました。その中で大変な殺陣だったりと、自分との戦いがあったのですが、『キングダム』という作品、信というキャラクター、そして帝国劇場、色々な方に力をもらってやり通した実感があります。今でも思い出したら力をもらえるくらい、本当にありがたい、贅沢な時間でした。
――山本さんは、羌瘣という役を10年前に『キングダム』連載10周年特別動画でも演じています。今回の舞台出演が決まった時のお気持ちを改めて教えてください。
山本 役というものはご縁ですし、今、私に羌瘣を演じてほしいと言ってくださる方がいるのなら、そこに全力で向き合いたいと思いました。また、オファーをいただいたからには、(自分が断って)別の方が演じている姿は見たくないという負けず嫌いな性格も出てきました。さらに初演の映像を拝見し、この方たちと一緒に素敵な『キングダム』を作りたい、ぜひご一緒したいと、今はもう迷いなく、やり切るぞと思っています。
――山口さんは前回に引き続きのご出演ですが、続編が決まった思いと、今回サブタイトルになっている「継承」という言葉について思うところがあれば教えてください。
山口 今日は製作発表記者会見を『キングダム』東京公演を行う劇場のエントランスでやって(※本取材は製作発表後に行われた)、今、こんなにお天気が良くて青空が広がっています。普段、劇場のエントランスで会見をするなんてことはめったにありません。そしてこの場の空気でしょうか、皆さんのコメントが(会見時に比べて)どんどん内面に近いものになっている。タイミングと時間で、人は感じることがこんなに変わるんだなと思っています。そういう意味でこの「継承」という言葉も、時間と場所で、どう変わっていくのか……。瞬間と永遠を皆さんがどう認識するかで、まったく違ったものになってくるんだなと思います。「継承」の意味が一体どこに繋がるのか、お一人お一人思うところがあると思います。皆さんがどうそれを発見するか……きっとそれが、楽しいと思います。
演じた役が自分の人生の背中を押してくれる
――三浦さんと高野さんは若い頃から共演経験も多かったと思いますが、舞台『キングダム』を経て、お互いをどう見ていますか。
三浦 10代の頃から一緒にお仕事をしていますが、僕は前回、彼の大千秋楽を観て泣いたんです。人の千秋楽で嗚咽するほど泣いた経験は初めて、自分でもびっくりした。全員が体力的にも精神的にもギリギリの状態で、そこからの解放感もあったと思うけれど、それんなにも彼のことを大切に思っていたんだな、自分はすごくこの人に救われていたんだなとあの瞬間、思いました。
高野 あれはびっくりした(笑)。でも嬉しかったな。僕も、本当にダブルキャストの相手が宏規だったから作り上げられたものがあったと感じています。日々、同じ信を演じるのが宏規で良かったと思い、千秋楽の日まで乗り越えました。

――三浦さん、高野さん、山本さんにとっては『キングダム』という作品はターニングポイントになっているのではと思います。改めてこの作品は皆さんにとってどういう存在ですか。
三浦 僕にとって、死力を尽くして挑まないとできなかった作品で……もちろんどの作品も、自分の持てるものすべてを出してやろうと思って演じていますが、特にこの舞台『キングダム』は、台本をもらった時点で、芝居がどうこうではなく、信が死にかけになるくらいボロボロになった姿を見せないと面白くない作品だなと思ったんです。そういう気持ちで取り組み、実際にけっこうボロボロになって……。
高野 (笑)。
三浦 皆さんに大変なご迷惑をおかけしたし(苦笑)、座長として皆さんを引っ張らなくてはいけない立場だったのに、「みんなを引っ張ろう、まとめよう」なんて思う余裕が一切ありませんでした。むしろその時に、まわりの人に今までどれだけ助けられてきたかを実感しました。皆さんを座長として引っ張るのではなく、一緒にやっている人たちをどれだけ信頼し、まわりの人を輝かせられるか。皆さんに多大な迷惑をかけながら僕が感じたことは、そういうことでした。
山本 信を輝かせるのは我々の喜びでもありますので、ついていくぞという思いと、ゼロ番で輝いてほしいという思いを持って共に戦いたいです。
高野 演じている役が自分の人生に影響を与えてくれることがあると思いますが、それが信というキャラクターで良かったとめちゃくちゃ思いますし、信を演じさせてもらえて光栄です。本当に今でも信に背中をたくさん押してもらっていますし、「信だったらどうするだろう」と自分に照らし合わせて考えることも多い。今回、新しい物語で、また信の世界に入れることがとても嬉しいです。
山本 私が幼少期からやってきた中国武術を活かせるのは、後にも先にも羌瘣ほどの役はないかもしれないと思うくらい、自分の思いが重なるキャラクターです。10年前に原作のプロモーションビデオに出させていただいた時は、自分自身で振付もし、その後映画にも参加させてもらいました。これらの経験が今回の舞台に繋がっているのではないかと思います。
「この3人が揃う姿を見られる幸せ」
山口祐一郎が語る共演者への深い信頼

――2023年の舞台『キングダム』は、若いキャストも多く、帝劇作品として非常に新しい風が吹いたなと感じる作品でした。数々の舞台に立っている山口さんは、この『キングダム』という作品の魅力はどういうところに感じていましたか。
山口 21世紀から、大劇場スケジュールにどんどんミュージカルが入ってくるようになりました。そして現在、日本でもブロードウェイでもウエストエンドでも、舞台芸術においてミュージカルはかかせないものになっています。それが現代の観客が求める表現方法なのだろうなと受け止めていました。その中で舞台『キングダム』は、ミュージカルという手法を一切使わないものだと聞いて、僕は「できますか?」と思いましたし、同じように仰る方も多くいらっしゃいました。
でも、三浦さん、高野さんという、これだけの身体能力を持ち、それを表現するだけのトレーニングを積み、しかもそれがあたかも特別なものではないかのように、懸命に自分自身のリミッターを超えてさらなる高みに挑む方が2023年にいた。それは、私の認識を変える大きな出来事でした。ふたりがいたからこそこの作品は完成したと思います。しかも2020年からエンタメ界はコロナで決定的なダメージを受け、2023年もまだその影響は色濃く、さまざまな舞台が途中で止まっていた。でも『キングダム』は全公演完走したんです。ふたりが支え合って、楽日まで乗り越えたんです。
そして2026年には、原作の原先生がこのような作品を書くとは知らない頃から自分の人生をかけて中国武術をやってきた山本さんという方が加わる。この3人が揃う姿を、私は間近で見られる、こんな幸せなことはありません。初演も幸せでしたが、続編もまた、そのエネルギーを受けられる、こんな素晴らしい作品はないと思っています。
三浦 この『キングダム』がミュージカルじゃないところがすごいということを、ミュージカルの帝王である祐様がおっしゃることが驚きですし、そこに価値があります。そんな祐様にこの作品に出演していただいていることにありがたみを感じます。山本さんにしてもそうです。これ以上ない羌瘣じゃないですか、ほかに誰がいます? たぶんみんなが山本さんが羌瘣を演じることを望んでいたと思う。そういう意味でも、本当にすごいキャストです。まだ発表になっていないキャストも、きっと「この人しかいない」という人が集まっているはずですので、その中で『キングダムⅡ』を作れることが幸せです。
高野 山口さんだからこそ、おっしゃる内容にとても説得力があります。お話を伺いながら、僕が思っている数段上の視点で考えていらして、超越されているさまは本当に信と王騎将軍のようだなと感じました。本当に大きな背中を見せてくださることに感謝しながら、その背中をしっかり追っていきたいと思います。
取材・文:平野祥恵 撮影:近藤誠二
<公演情報>
舞台『キングダムⅡ-継承-』
原作:『キングダム』原泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
脚本:笠浦静花
演出:山田和也
音楽:KOHTA YAMAMOTO
【キャスト】
信:三浦宏規/高野洸
羌瘣:山本千尋
龐煖:東啓介/章平
河了貂:華優希
尾平:元木聖也
蒙毅:竹内將人
羌象:清水葉月
蒙武:渡辺大 ※東京・大阪公演のみ/飯作雄太郎 ※大阪・福岡公演のみ
摎:大塚千弘
騰:石川禅
王騎:山口祐一郎
嬴政(声):小関裕太/牧島 輝
カイネ:森莉那
尾到:篠崎大悟
飯作雄太郎 内海一弥 奥脇大樹 鹿糠友和 木村和磨 粂川暁典 佐々木駿也
佐藤義夫 寒川祥吾 竹廣隼人 兆平 東川泰千 ドルジ勇大 中内天摩
長嶋拓也 中野高志 中村音心 藤田晴 本多剛幸 湊竜也 森山大志
【東京公演】
2026年8月9日(日)~9月13日(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】
2026年9月21日(月・祝)~29日(火)
会場:新歌舞伎座
【福岡公演】
2026年10月6日(火)~13日(火)
会場:博多座
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チケット情報:
https://w.pia.jp/t/kingdom/
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