貫地谷しほり、こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』に4年ぶり出演──母親になり「以前よりも地に足がついた一葉を」
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インタビュー
貫地谷しほり (撮影:五十川満)
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すべて見るこまつ座第160回記念公演『頭痛肩こり樋口一葉』に出演する貫地谷しほりが取材に応じ、「4年という歳月が経っていることもありますし、私が出産して母親になったこともあり、以前よりも地に足がついた一葉を演じられるのではと思っています」と再演への意気込みを語った。

こまつ座旗揚げ公演で初演されて以来、700回以上上演を続け、今もなお人気を集める井上ひさしの傑作戯曲『頭痛肩こり樋口一葉』。「にごりえ」「たけくらべ」など樋口一葉の作品が全編に散りばめられる中、樋口夏子(一葉)と幽霊・花螢のユーモラスな交友、そしてたくましく切実に生きる明治の女性たちの姿を描いた。若くして亡くなった作家・一葉と明治を生きた女性たちの盆の16日とは……。生と死が重なり奏でる、可笑しくも儚い物語だ。
まず、貫地谷は2022年公演について「私が役者を始めた頃から、先輩方に『1度はこまつ座に出たほうがいい。役者として通るべき道』だと教わった」と振り返り、「そんなこまつ座さんに、同じ役で立たせてもらうのが嬉しいです。毎日違う発見があり、今から楽しみ」と声を弾ませる。

再び演じることになった一葉については「20代の女性ではありますが、今の感覚で言うと60歳くらいのイメージ。若くして一家を背負い、貧困にあえいでいたという理由もあるでしょうし、いまの私よりよっぽど大人っぽい」と話し、「前回は作家になるという希望に向かう一葉でしたが、今回は日々をどうにか生きていかなくいけない一葉も表現できれば」と意欲を燃やす。
一葉に対する新たなアプローチの理由は、やはり母親になったことが大きいといい「以前よりも世間のニュースに目が向くようになりましたし、昔だったら素通りしてしまうことも、いまは『いろんなことがあっても、この世界で生きていかなければいけない』と実感するようになった」と視点の変化を語った。
女性が「個」として生きるのが難しい時代に、「われは女成けるものを」と日記に記し、貧困の中、一家を支えた一葉の信念が、女性として生きる意味を今の時代に訴えかけてくる。
「そうですね、今は女性が職業を持つことは当たり前ですが、そうなったのも、一葉のような女性の活躍があったからこそ。今の社会に礎になっていると思います」(貫地谷)

過去には井上ひさし作のシス・カンパニー公演『泣き虫なまいき石川啄木』(2011年)にも出演。「井上ひさしさんの戯曲は、台詞にリズムがあると思うんです。耳心地が良くて、温かく、面白おかしいけど、ときにすごく悲しい。別に面白おかしく書かれているわけではないんですけど、一生懸命に生きる人の姿が、はたから見るとクスッと笑える」とその魅力を語る。
「『頭痛肩こり樋口一葉』は登場人物がみんな一生懸命に生きているし、私自身にすごく刺さる台詞もあって『あれ? 井上さん、男性だよな』って驚くことも。今回は再演ですから、偉大な戯曲をまた深掘りできることも楽しみです。常に学びがありますし、一葉がこんなにしっかり生きているんだから、私もしっかりしなくてはと思います」(貫地谷)

演出は2022年に続き、栗山民也が担当。「日本を代表する演出家でいらっしゃるので、素晴らしいのはもちろんですが、栗山さんちょっとした一言で、芝居がガラッと変わるときなどもあって、本当にすごい方です。最近のお芝居を拝見しても、照明やセット、衣裳などがシンプルにそぎ落とされていて、本当にかっこいいと思います。今回も魔法をかけてくださるんじゃないかと」と再タッグに期待を寄せている。
共演には増子倭文江、香寿たつき、瀬戸さおり、岡本玲、そして若村麻由美という、実力派が顔を揃えており「女優6人集まれば、楽屋は美容の話で大盛り上がりですよ。皆さん、情報のアップデートをしていて」で笑顔を見せた。
「井上ひさしさんは生前『幸せに生きる代償として、必死に生きることが課せられている』とおっしゃっていたそうです。今はつらいけど、いつか笑えるかもしれない。ご覧いただくお客様がそう思えるきっかけになれば嬉しいです」(貫地谷)

取材・文:内田涼 撮影:五十川満
<公演情報>
こまつ座第160回公演 『頭痛肩こり樋口一葉』
作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:貫地谷しほり 増子倭文江 香寿たつき 瀬戸さおり 岡本玲 若村麻由美
【東京公演】
2026年7月29日(水)~8月30日(日)
会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
【群馬公演】
2026年9月5日(土)・6日(日)
会場:高崎芸術劇場
【岡山公演】
2026年9月10日(木)・11日(金)
会場:岡山県芸術創造劇場ハレノワ(中劇場)
【岐阜公演】
2026年9月14日(月)
会場:可児市文化創造センターala(主劇場)
【山形公演】
2026年9月18日(金)
会場:川西町フレンドリープラザ
【石川公演】
2026年9月22日(火・休)・23日(水・祝)
会場:能登演劇堂
【大阪公演】
2026年9月26日(土)〜28日(月)
会場:梅田芸術劇場シアタードラマシティ
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/ichiyou/
こまつ座第159回公演『マンザナ、わが町』のチケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2611081
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