洋画家・前田寛治の大規模個展が18年ぶりに開催 「ポエジイ」と「レアリスム」を追求した短くも濃密な画業を展観
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前田寛治《白い服の少女》1928年 鳥取県立美術館
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すべて見る33歳で早世するも、大正期から昭和初頭にかけての日本近代洋画界に大きな足跡を残した画家・前田寛治(まえた かんじ)の18年ぶりの大回顧展が、7月4日(土)から8月30日(日)まで、東京駅構内の東京ステーションギャラリーで開催される。前田の生誕130年と、彼が仲間たちと結成した「一九三〇年協会」の設立100年を記念する展覧会だ。

1896年に鳥取県で生まれた前田は、1921年に東京美術学校を卒業し、同年に《花と子供等》で帝展に入選を果たす。翌年渡仏し、2年半ほどの滞在期間で近代以降のフランス絵画を冷静に見渡しながら、クールベ、アングル、マネらの作品を研究。自らの絵画と思想を確立しようとするとともに、友人であるマルクス主義理論家・福本和夫の影響による芸術論を打ち立て、労働者の姿を描くようにもなった。
1925年に帰国すると、帝展に出品した《J・C嬢の像》が特選となり、以降も特選を重ねていく。一方で、1926年には留学仲間とともに、日本における新しい油彩画の創造を目指す美術団体「一九三〇年協会」を結成し、会の中心人物として実験的な作品を発表した。教育者としても活躍し、1928年に「前田写実研究所」を創立するとともに、美術雑誌への寄稿や講演などで絵画論を展開した。

同展では、その前田の画業を、作品に見られる「ポエジイ(詩)」と「レアリスム(写実)」の2つのポイントから注目する。学生時代から「絵は詩である」と記していた前田は、終生「ポエジイのない絵は駄目だ」と語り、自らの作品に詩を求め続けた。一方で、現代社会を描くという意識を早くからもっていた前田は、写実の基本的な3要素は「質感」「量感」「実在感」を得ることだとし、《棟梁の家族》をはじめとしたレアリスムの名品を生み出している。

同展は、詩的感性と西洋絵画の伝統を踏まえた写実性の融合を追求しながら、短い活動期間に密度の濃い制作活動を展開した前田の画業の展開を追うもの。と同時に、前田が仲間の里見勝蔵、小島善太郎、佐伯祐三、木下孝則とともに結成した一九三〇年協会の活動にも光をあてる。同協会は、前田の死とともに独立美術協会へと移行するが、当時の旧態依然とした画壇に対抗する新しい時代の勢力として注目を浴びていた。今回はその仲間たちの作品も合わせて展示することで、前田芸術の意義を再検証する試みともなっている。
<開催情報>
『生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム 一九三〇年協会設立100年』
会期:2026年7月4日(土)〜2026年8月30日(日) ※会期中展示替えあり
会場:東京ステーションギャラリー
時間:10:00~18:00(金曜日は~20:00)、入館は閉館30分前まで
休館日:月曜、7月21日(火)(※ただし7月20日(月)、8月10日(月)、8月24日(月)は開館)
料金:一般1,600円、高校・大学生1,100円、中学生以下無料
公式サイト:
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/
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