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松尾スズキ、吉村界人、歌広場淳、ヒャダインら著名人が『アメリカン・アニマルズ』に絶賛コメント

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リアルサウンド

 5月17日公開の映画『アメリカン・アニマルズ』に、各界著名人が絶賛コメントを寄せた。

 本作は、4人の大学生が時価12億円のヴィンテージ本を狙い、前代未聞の強盗事件を企てたという実話に基づく物語。アメリカ・ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、自分が周りの人間と何一つ変わらない普通の大人になりかけていることを感じていた。そんなある日、2人は大学図書館に時価1200万ドルを超える画集『アメリカの鳥類』が保管されていることを知る。ウォーレンとスペンサーは、大学の友人エリックとチャズに声をかけ、『スナッチ』『レザボア・ドッグス』『オーシャンズ11』などの犯罪映画を参考に作戦を練ることになる。

 ドキュメンタリー映画『The Imposter』で英国アカデミー賞最優秀デビュー賞を受賞し、長編ドラマとしては本作が初監督作品となるバート・レイトンが監督を務めた。本作では事件を起こした本人たちを劇中に登場させ、ドキュメンタリーとドラマのハイブリッドにスタイリッシュな映像と音楽を盛りこみ、センセーショナルな作品を誕生させた。

 このたび本作にコメントを寄せたのは、松尾スズキ、吉村界人、宇野維正、松江哲明ら19名。公開に先駆けて本作を鑑賞しての感想をぞれぞれ綴っている。

コメント一覧

松尾スズキ(作家・演出家・俳優)

犯人の大学生たちの詰めの甘さがいちいちおもしろい。『水曜日のダウンタウン』のスタッフワークの綿密さが頭をよぎる。
これなら、彼らの方が、うまくやれるんじゃないか。

吉村界人(俳優)

変化することは怖いけどロマンと純粋な心さえあれば愚か者の裏にだって純粋無垢な天使もいる。
僕は、こんなロマンチックな大学生でいてみたかった。悲しいのに何故か追い風になる映画。

歌広場淳(ゴールデンボンバー)

退屈な日常をぶっ壊すための5ヶ条
1・リア充のパワハラを許すな! 怒りをパワーに変えろ!
2・とりあえず「完璧な強盗 やり方」でググれ! 何でもいいから動き出せ!
3・悪いことをする仲間は4人がベストだ!(2人だと寂しく、3人だと2:1に割れる危険があるぞ! 気を付けろ!)
4・「やるかやらないか」で “やる” を選べ! この世界はそういう奴にグッと来るようになっている!
5・以上のことをやったら映画化されるのを待て! この映画がまさにそれだ!!!

松居大悟(映画監督/劇団ゴジゲン主宰)

映画のような強盗に憧れるけれど、現実はそんなにうまくいかない。
大体、映画は物語なんだから、どうせ最後にバチが当たるし。
でも実際の強盗を振り返る当事者たちの顔が何より一番生き生きしていて。
言葉はなんの意味も持たなくなった。現実も悪くないと思った!

ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)

こんな犯罪映画観たことない!
“勢い” “感覚” “罪悪感”に満ちた、新しいクライム・エンタテインメントをご覧あれ!

ヒャダイン(音楽クリエイター)

前半・ムムム? 大丈夫かこの映画? 中盤・声出して爆笑、終盤・おーー。マジか……。ドキュメントも綯い交ぜにしてる分、説得力をもって「現実」を思い知らされます。

小島秀夫(ゲームクリエイター)

真実と記憶、証言と憶測とのカットバック、その巧みなズレが娯楽映画となる。だからこそジャンルを超えている。ノワールで、喜劇で、サペンスで、悲劇だ。本作は、ちょい悪トレインスポッティングで、レザボアドッグスな負け犬たちの、飛べない鳥(アニマルズ)たちが、羽ばたこうとする真実の青春映画だ。

松江哲明(ドキュメンタリー監督)

犯罪の滑稽さと興奮、そして虚しさが虚実を行ったり来たりしながら描かれる活劇に、「こんな映画が観たかった!」と思うと同時に「作りたかったわ!」と悔しくもなったり。
映画の可能性が広がった瞬間を目撃した。

青野賢一(ビームス創造研究所クリエイティブディレクター/文筆家)

若き日の過ちを振り返って悔いるという話は、ともすれば説教くさくなるだけだが、それをスリリングなクライム・エンタテインメントに仕立て上げた手腕はお見事。
「記憶」や「事実」はなんと揺らぎやすいものだろうか!

中村佑介(イラストレーター)

どこまでが映画でどこまでが現実か
どこまでが現実でどこまでが真実か
そんなことを確かめるのは無意味だ
ただただ刺激が欲しい青春の前では

岩田和明(映画秘宝編集長)

最高に笑った! ポンコツたちの一攫千金ドタバタ強盗計画!
今年の『カメラを止めるな!』枠はコレだ!

山崎まどか(コラムニスト)

出てくる人々の誰が俳優で誰が事件の当事者か分からない! 虚構&現実のシャッフル具合と一瞬の真実にクラクラする、これは実録映画のネクスト・レベル。

長谷川町蔵(文筆家)

犯人になりきった俳優と、俳優のような犯人が、ドキュメンタリーとフィクションの境界線を打ち破る。
これはまさにネクスト・レベルのクライム・ムービー。

宇野惟正(映画・音楽ジャーナリスト)

ゼロ年代には世界中でタランティーノ作品の出来損ないのような映画が量産されたが、本作の若者たちはそれを映画ではなく「出来損ないの事件」として、本当にやっちまった。
このほろ苦さは、他人事ではない。

町山広美(放送作家)

奇跡の英雄的行動を本人出演で感動再現」のまるで逆を行く、「実話の映画化」の異端な進化形。
「本気出せば俺は特別、俺はシステムの外に出れる」と一瞬でも自惚れたことがあるあなたや私の鼻先をぶん殴ってくる! 鼻血をすすって笑え!

松山梢(映画ライター)

凡人の人生は映画みたいにドラマティックにはいかない。そのことを痛烈に突きつける実話が、極上のエンターテイメント映画に仕上がってしまっている矛盾。最高に笑った。

高橋諭治(映画ライター)

世にも奇怪な失踪ミステリー・ドキュメント『The Imposter』が圧巻だったバート・レイトン監督。衝撃実話を再構成する手法をトリッキーに進化させ、もはやクライム・ジャンルの鬼才であることを証明した。その非凡な手並みを目撃せよ!

佐藤ちほ(映画ライター)

普通じゃないことをしてしまった普通の青年たちの、ごく個人的で、だからこそ普遍的な青春ストーリー。
<ご本人登場シーン>のご本人たちのラストの表情が、この映画の本質を物語っているように感じました。

杉谷伸子(映画ライター)

若さゆえの愚かさと高慢を体現する演技陣もお見事なら、それぞれの“真実”と“現実”を交錯させる語り口も超クール! 当事者本人たちの存在が、青春の迷走をたんなるクライムサスペンスで終わらせない。

■公開情報
『アメリカン・アニマルズ』
5月17日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督:バート・レイトン
出演:エヴァン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソン
提供:ファントム・フィルム、カルチュア・パブリッシャーズ
配給:ファントム・フィルム
2018年/アメリカ・イギリス/116分/スコープサイズ/5.1ch
(c)AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018
公式サイト:phantom-film.com/americananimals/