「間違いなく恋に落ちる!」4DXだからこそ表現できる『アベンジャーズ/エンドゲーム』の“静”と“動”
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『アベンジャーズ/エンドゲーム』 (C)Marvel Studios 2019
日米同時公開され、未曽有の爆走大ヒットスタートを切った待望作『アベンジャーズ/エンドゲーム』。これほどの大作であればもちろん、IMAXやドルビーシネマなど、さまざまなフォーマットで上映されているわけだが、監督のジョー・ルッソが「観てもらえれば間違いなく恋に落ちると思います」と断言したのが4DXだ。
シートが動いたり、風が吹いたり、雨が吹きつけたりと、観客席までも映画の世界に巻き込む4DXのフォーマットを、ルッソ監督は「映画を観る次元を変えてしまった」と大絶賛している。特に『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』からの一年をさらなる4DX技術の研究に費やし、前作に続いて主要キャラクターそれぞれに専任の4DXプロデューサーを配置してキャラの個性を最大限に表現するなど、徹底的なこだわりを貫いた4DX映画史上最大規模のプロジェクトとなった。
実際に4DXで鑑賞した者として、4DXならではの見どころをお伝えしたいのだが、『エンドゲーム』に関しては具体的なシーンに触れるのが難しい。前作『インフィニティ・ウォー』の続きというだけでなく、11年がかりで22本の映画を生み出した“マーベル・シネマティック・ユニバース”を締めくくる総決算。わずかに内容を明かしただけで、ファンが心から避けたいネタバレに抵触してしまう可能性があるからだ。
ただ言えるのは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の4DXが、これまでのアクション超大作に比べて、4DX効果テンコ盛りで押してくるわけではないということ。3時間1分という長さは、11年がかりの壮大な物語の幕を引くために必要だったのだと、観てもらえれば納得いただけると思うが、今回多くの時間が割かれているのは、それぞれのキャラクターの心情を掘り下げたヒューマンドラマの部分なのだ。過剰に退屈を怖れてド派手な見せ場を矢継ぎ早に挟み込むような作品ではないのである。
ただし、「それなら4DXでなくてもいいのでは?」という疑問にはノーと答えよう。というのも、静と動のコントラストを高めるために、4DXはみごとな効果を上げているからだ。例えば今回アベンジャーズのメンバーたちは、何度も量子世界に繋がる時空のトンネルを通り抜ける。その際の空間が歪む奇妙な感覚は、4DXの効果があってこそ観客も一緒に体験できるもの。また、葛藤を抱えたヒーローたちが世界を救うために決意を固めるエモーショナルな場面も、4DXならではの繊細な演出が活かされる瞬間だ。
もちろん、クライマックスには途方もないスケールの一大バトルが繰り広げられるので、4DXも暴れ放題に大活躍。アベンジャーズ同士が連携するチームプレイの決まり具合も最高に気持ちいい。監督のルッソ兄弟もお墨付きの『エンドゲーム』4DXは、すでにオープニングの三日間で『アベンジャーズ』シリーズ最高実績を突破したそうで、これは前作『インフィニティ・ウォー』と比べて122パーセント、2015年の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の230パーセントの伸び率だという。4DXファンも、4DXは未体験という人も、この機会にぜひ体感していただきたい。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
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取材・文:村山 章
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