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舞台『キュー』製作発表会見&トークセッションに原作者の上田岳弘、演出の白井晃、出演する瀬戸康史と有村架純が出席

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舞台『キュー』製作発表会見より、左から)上田岳弘、瀬戸康史、有村架純、白井晃

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芥川賞作家・上田岳弘による長編小説『キュー』が、白井晃の演出により舞台化。2026年11月15日(日) から29日(日) まで東京・東京芸術劇場 プレイハウス、12月4日(金)から6日(日) まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。

これに先立ち、都内で上田と白井、主演の瀬戸康史、共演する有村架純が出席する製作発表会見及び「稽古0日目:作品を紐解く公開トークセッション」と題した上田×白井によるトークセッションが行われた。合わせて本作のキービジュアルと出演者のソロカットもお披露目された。

瀬戸康史と有村架純、9年ぶり共演「いい意味で変わらない」「プロ意識が高い」

舞台『キュー』キービジュアル

本作は、原爆投下の記憶を内包する少女と、戦時中を生きた人物の遺伝子を受け継ぐ男の出会いを通して、戦後の日本を生きる私たち人間が、どこから来て、これからどこへ向かうのかという問い(=Question)を、今を生きる我々に投げかける。

主演を務める瀬戸は、白井演出の舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』(2015)で凄烈な印象を残して以来、満を持しての再タッグが実現。本作では平凡な心療内科医として暮らしながらも、突如見知らぬ組織に拉致され、壮大な事件に巻き込まれていく主人公・立花徹を演じる。

瀬戸は「作品選びは自分が演じることが想像できない、見えないものにワクワクするが、『キュー』はまさにそういう作品」だと武者震い。難解にも受け取れる内容だが「分からないことがあってもいいし、稽古が終わってそれが分かったり、違う見え方ができたら面白い。観劇してくださる皆さんが想像することが大事だなと思う」と抱負を語った。

有村が演じるのは、立花徹の高校時代の同級生で、前世の記憶を持ち「私の中には第二次世界大戦が入っているの」と鮮烈に言い放つ渡辺恭子役。有村は、白井演出の『ジャンヌ・ダルク』(2014)で初舞台にして鮮烈な主演を務め上げたことで知られるが、今回は2021年上演の『友達』以来5年ぶりの舞台出演となる。

「私にとって舞台は挑戦」だといい、時空を超えた3役に挑むことについては「あらゆる引き出しが必要な役。私のIQがついていけるかどうか分からないが(笑)、ロマンチストでアーティスティックな白井さんならではの舞台が具現化されると思うので、白井ワールドに染まっていきたい」とこちらも闘志を燃やす。

瀬戸と有村の共演は、2017年公開の映画『ナラタージュ』以来9年ぶり。数々の名作を経てキャリアを重ねてきたふたりが、白井の緻密な世界観の中でどのような化学反応を見せるのか、期待が高まっており「いい意味で変わらない部分が多い。純粋で秘めた情熱を感じる」(瀬戸)、「どんな過酷な現場でも、一切集中力を切らさず、プロ意識が高い役者さん」(有村)と全幅の信頼を寄せていた。

原作者の上田は『キュー』舞台化の構想が生まれた段階から、主人公の立花徹は「瀬戸康史さんがいいんじゃないかと思っていた」と明かし、会見では「やはり、間違いなく立花徹の佇まい」だと太鼓判。舞台化においては、原作者の上田も白井とともに上演台本を手がけており、「出演がおふたりに決まったことで、声が聞こえてくるので、台本の筆が乗っている。語尾や句読点も“焦点が合ってくる”感覚で面白い」と話していた。

白井は「表現者としてどうなりたいか、静かな意志を感じた。寡黙に歯を食いしばり、懸命に頑張る姿が感動的だった」と『ジャンヌ・ダルク』出演時の有村について回想。「瀬戸さんもそうですが、いろんな経験をし、出会えた。思い入れのある作品になると思うので、またご一緒できて嬉しい。表現者としての勇気と前向きさに感動している。ぜひ、一緒に上田さんの世界を模索したい」と期待を寄せた。

製作発表冒頭では、七夕の日にちなんで、瀬戸、有村がそれぞれ願い事を披露する場面も
短冊に書いた願い事を披露する有村架純

上田岳弘「財産だと思う」白井晃と『2020(ニーゼロニーゼロ)』以来のタッグ

AIやネットワークといったテクノロジーによって現実と情報の境界が曖昧になっていく世界の中で、人間の記憶や存在の意味が描かれていく本作について、上田×白井によるトークセッションでは、より深い内容が語られた。

上田は「僕が一番好き勝手に書いた作品。9年前に書き始めた作品で、その当時よりもAIが進化し、世の中の同質性も高まっているので、今、読んでもらうほうが分かりやすく、新鮮かもしれない」と『キュー』について説明。舞台化については「ものすごく驚いたし、できるのかなとも思った」と振り返った。

一方、白井は「理屈で全部を理解したというよりは、悟性(ごせい)に訴えかけてきて、強烈な読後感とインパクトが残った」と原作小説について語り、「この世界観を演劇で構築できないだろうかと夢を見まして、それが現実になっているのが嬉しい。上田さんとキャッチボールする創作の過程も楽しい」だと声を弾ませた。

上田と白井は2022年7月にPARCO劇場で上演された『2020(ニーゼロニーゼロ)』でもタッグを組んでおり、その延長線上に『キュー』の舞台化が位置づけられている。「まさか、(東京)オリンピックが延期されるなんて。でも、もしかすると2020年に開催された世界があって、今は間違ったパラレルワールドなんじゃないかという不思議な感覚も。抽象的な描写も多いですが、それを具現化する白井さんとのやりとりは、刺激的で勉強になる。財産だと思っている」(上田)、「AIがこんなに身近に、我々に入り込んでいる近接感があり、これから人類がどうなってしまうのか。その漠然とした不安も詰まっている。この5年で世界の情勢も大きく変わり、この物語がより違った膨らみを持ちそうな予感がしている」(白井)と話していた。


取材・文・撮影:内田涼


【あらすじ】
心療内科医として平凡な日々を送る立花徹(瀬戸康史)は、製薬会社に勤める東藤恭子(石田ニコル)との出会いをきっかけに、高校時代に忽然と姿を消した同級生・渡辺恭子(有村架純)の記憶を呼び覚ました。

「私の中には第二次世界大戦が入っている。」

かつて渡辺恭子が口にした、その不可思議な言葉。

103歳となった祖父・立花茂樹(田中哲司)の突然の失踪を機に、徹は、その行方を追う謎の組織と武藤勇作(加治将樹)に翻弄されながら、人類の過去・現在・未来をめぐる壮大な運命へと巻き込まれていく。

一方、人類の歴史を見届ける存在、Lost Language No.9(井内悠陽)は、「言語の誕生」から、「個」や「言語」さえ失われた700年以上先の〈予定された未来〉まで、人類が歩む歴史を語り始める。

三つの時代が交錯しながら、「世界最終戦争」の火蓋が切られる。

残される記憶と、「個」の行方をめぐる物語。


<公演情報>
舞台『キュー』

原作:上田岳弘『キュー』(新潮社刊)
演出:白井晃
上演台本:上田岳弘 白井晃

出演:
瀬戸康史 有村架純 石田ニコル 井内悠陽 加治将樹 田中哲司
有川マコト 川合ロン 西山友貴 黒田勇 須﨑汐理

【東京公演】
2026年11月15日(日)~29日(日)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス

【大阪公演】
2026年12月4日(金)~6日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

関連リンク

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/the-9/

公式サイト:
https://the-9.westage.jp

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