『この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス』東京都美術館で 3つの場所での創作活動を通して100年という時間と向き合う
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江上茂雄 制作年不詳 水彩 個人蔵
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すべて見る100年前の1926年、東京府美術館の名称で上野公園に開館した日本初の公立美術館・東京都美術館。開館100周年を記念し、その上野と九州の大牟田、そして南米のブエノスアイレスという異なる3つの場所の創作活動を通して、100年という時間を展望する展覧会が、7月23日(木)から10月7日(水)まで開催される。
3部構成の第1部では、絵画や版画、写真、東京都美術館アーカイブズ資料などの記録によって、同館の誕生から戦中・戦後の状況、そして1975年に新館が開館して以降の活動を振り返り、これまで開催されてきた様々な展覧会を同時代の上野の風景とともに概観する。

一方、第2部と第3部で焦点をあてるのは、上野からは遠く離れた土地で、個人の膨大な熱量によって繰り広げられた創作の営みだ。第2部で紹介される江上茂雄(1912-2014)は、福岡県に生まれ、炭鉱の町・大牟田の三井三池鉱業所建築課に入社。大牟田の風景を独学で描き、定年退職後は転居した熊本県の荒尾市で制作を続けた。同展では、鉛筆、水彩、クレパス、クレヨンなどを用いた作品に、木版画や実験的な抽象画、染め紙なども加え、100歳を超えるまで身近な風景と向き合い続けた江上の創作の軌跡を、約400点によってたどっていく。

第3部に登場するのは、1926年に描かれ、同館の最初の収蔵品となった絵画《百日草の庭》をめぐるリサーチ・プロジェクト。NPO法人を母体とする「AHA!(Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ)]が、詳細不明の作者・藤岡鉄太郎(かねたろう)を調査するなかで出会った同姓同名(ただし読みは異なる)の藤岡鉄太郎(てつたろう/1901-1982)に注目し、1927年に日本からブエノスアイレスに渡り、移民として造園・花卉産業に従事した彼とその家族たちの「絵」と「花」の物語を追いかける。

日本近現代美術の中心地と見なされる上野と、遠く離れた土地での営みを並行してたどることで、「中央/周縁」といった枠組みを乗り越え、表現することの根源的な意味を浮かび上がらせる同展はまた、3つの場所の風景と向き合いながら、次の100年で美術館に何ができるかに思いをめぐらす試みとなっている。なお、同展では、リサーチと並行して一般公募した花の写真を用いて、2027年の日めくりカレンダーを制する予定だ。
<開催情報>
『東京都美術館開館100周年記念 この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス』
会期:2026年7月23日(木)~10月7日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
休室日:月曜(※ただし8月10日(月)、9月21日(月・祝)は開室)
時間:9:30~17:30(※金曜は~20:00)、入室は閉室の30分前まで
料金:一般1,200円、65歳以上1,000円、学生・18歳以下無料
※同時期開催の特別展「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」(東京都美術館)のチケット提示で一般・65歳以上の方は「100円」(東京都美術館開館100周年記念料金)で観覧可能
公式サイト:
https://www.tobikan.jp/viewsofthisplace
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